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夏目漱石「こゝろ」ではKは自殺してしまいますが、その理由は本当に裏切りに対する自殺なのでしょうか?
Kの自殺理由がよくわかりません。皆さんはどう考えますか?
「こゝろ」感想文を書かなければならないので、より内容を理解できるようにご協力お願いします。

A 回答 (2件)

自らの欺き行為が原因でしょう。

実家を欺き感動され、そして、そういう苦しい立場の救助者だった先生への欺きによって、kは自殺を選んだということでしょうね。同じ屋根の下で住みながら、先生の気持ちを読めずに、自己本位に自らの気持ちだけを発散したkという人物への天誅という構図なのですね。先生の求婚を知った直後、Kは冷静であり、そして、ほぼ1週間後の自殺とは「裏切り行為」に対する義憤の自殺ではないことを意味しています。義憤によるものなら、取り乱して、即刻の自殺になるものと思われます。よって、先生の自殺も、欺き行為(罪悪感と本然なる心との葛藤)によるものですから、そこに至るまでに長い年月を要したのです。本然なる心、あるべき正しい心を持たぬ者には死を、というのが作品テーマです。日清戦争、日露戦争を引き起こした、あるいはそういうことを回避できなかった明治天皇と、その後を追って殉死した乃木、彼らをも欺きの行為者と漱石には映っていたのかも知れません。世が世ですから、表向きにそういうことは言えませんが、心の奥底で漱石は、そう思っていたかも知れないということです。明治天皇と乃木殉死に影響されて、この作品は生まれたということになっていますから、あるいは、そういう可能性も無きにしも非ずということになります。
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 夏目漱石は黙説法(前後の文脈でわかる物事をあえて書かない技法)を多用する作家なのですが、『こころ』ではその技術を巧みに応用しており、Kの自殺にしろ、先生の自殺にしろ、学生の「私」が汽車に飛び乗ったことにしろ、「なぜそういう行動を起こしたか」という理由を確定させるために必要な情報を、あえて書き落としています。

むしろいくらでも理由が思い付いて、ひとつに絞れないように書いている。

 なぜそういうことをしているかというと、人間の心はそんなに簡単に理解出来るものではないからです。特に自殺した人の心理状態は通常ではないですから、余計に理解しがたいものがあります。要するに、作品にリアリティを与えるためにそういう仕掛けをしているわけです。
 漱石はこの作品のキャッチコピーとして「人間のこころを知りたければこれを読め」みたいなことを書いたそうですが、そう書いておきながら「読んでも絶対わからない」作品を書くのですから、なかなか意地悪な奴です。

『こころ』はたいがい、高校生活の最後あたりに読まされる小説だと思います。なぜこの時期にこういう作品を読ませて、しかも「なぜKは自殺したのか?」などという答えのない質問をするのかというと、おそらく「なんでもかんでも明確な答えがあるわけじゃないんだよ」という説教臭い理由が含まれているのでしょう。明確な回答しかない問題ばかりやらされている受験生にとっては迷惑な話です。
 だいたい、Kの自殺の理由を説明するために必要な、高度な読解と表現の方法を学校は教えてくれないですし。一体何がしたいんだか(笑)

 そもそも感想ですから、どう書いても構わないはずです。わからないものを「わからない」と書くことを怖れる必要などありません。そしてまあ、この場合、「わからない」と結論付けるのは、実はわりと正解なのです。

 以下は私の「感想」です。参考までに。
 Kは描かれ方からいって、嘘を吐いたり高級なレトリックを使ったり、人に気を遣ったりすることのできない人間だと思われるわけです。つまり、遺書に書いていた理由そのまんまである可能性が高いわけです。
 問題は、薄志弱行で到底行先の望みがないと思い至る経緯です。もちろんお嬢さんの取り合いが引き金にはなっているわけですが、単純に恋愛沙汰が原因かというと、そうも言えないのです。
 そもそもKは(先生の見立てでは)最初からかなり無理をして精進していたわけですよね。で、先生はKが無理していることをわからせるために、下宿に誘ったわけです。
「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」と言われたとき、Kは自分が道を進めて行くにはあまりに弱い人間であることを気付かされたのだと思います。
 自分を犠牲にし、家族を裏切ってまで精進を続けていたKにとって、この悟りは人生の否定であったろうと思われます。その上なんだか知らない間に、世話になった友人の彼女まで奪おうとしてたとなれば、精進バカであるKとしては、死ぬしかないと思い到るのも仕方ないかもしれません。

 先生の立場から見れば、自分でひっつけておいて「俺の彼女だ」と言うのはひどい、ということになるわけですが、Kからすれば、仮に全てが先生の罠だったとしても、そんなものに自分の道が揺らいでしまい、道をそれたあげくに友人の彼女に手を出してしまったこと自体が問題なのです。
「精進」という大義があったからこそ、家に迷惑をかけても良かったのですからね。意味もなく友人に迷惑をかけるのは、Kに取っては最悪です。……まあ、自殺したらもっと迷惑がかかるということには思い到らなかったようですが(もしくは「精進」に対する責任としての自殺だから、迷惑を掛けても仕方ないと解釈したか)。
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