

「電束密度に関するガウスの法則は、∫DdS=Q であり、Qは任意の閉曲面に含まれる全電荷量」
という説明文をよく見かけるのですが、電場に関するガウスの法則から次のようになります。
∫EdS=(Q-q)/ε0
ただし、Qを真電荷、qを分極電荷とします。
分極 P=q/S の関係を考えると、次のように変形できます。
∫(ε0 E+P)dS=Q
定義から D=ε0 E+P なので、電束密度に関するガウスの法則が得られます。
∫DdS=Q
このとき、Qは真電荷のみのことで、分極電荷qを含みません。
質問の初めに書いた「Qは任意の閉曲面に含まれる全電荷量」という部分に矛盾するのですが、どちらが正しいのでしょうか?
自分の書いた証明がどこか間違っていたら教えてください。よろしくお願いします。
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
すみません.ANo.4の
> におけるQは飽くまで(真電荷と分極電荷の和としての)真電荷です.
を次のように訂正します:
におけるQは飽くまで真電荷です.
# 削除し忘れて,そのまま投稿してしまいました.
No.4
- 回答日時:
全電荷という言葉の意味は,文献や文脈によって異なるのかもしれませんが,ここでは,質問主さんの文章と同じように,真電荷と分極電荷との和を全電荷とよぶことにしましょう.
> 「電束密度に関するガウスの法則は、∫DdS=Q であり、Qは任意の閉曲面に含まれる全電荷量」
> という説明文をよく見かけるのですが、
私は,こういう説明を読んだことがありません.そもそも
∫_S D・dS = Q
におけるQは飽くまで(真電荷と分極電荷の和としての)真電荷です.
そもそも補助場としての電束密度Dは,意図的に置いた真電荷によって勝手に誘起されその振る舞いがわかりにくい分極電荷の影響を式の上から消し去るために定義された場であり,上の式のQが全電荷であればDの存在価値がないからです.
なので,以下,Qは真電荷を表すものとします.
「電束密度に関するガウスの法則 ∫_S D・dS = Q において,Qは閉曲面Sに囲まれた体積領域内に含まれる真電荷量」というのが正しいはずです.
あと,
> ∫EdS=(Q-q)/ε0
とありますが,電場Eに関するガウスの法則は
∫_S E・dS = (全電荷)/ε0 = (Q + q)/ε0
であるはずです(これは物質中でも成り立ちます).ただしqは,質問主さんの文章におけるのと同じく,分極電荷です.
電場Eとは,真電荷であろうが分極電荷であろうが,電荷と名のつくものすべてを湧き出し源とする場ですから.
分極ベクトルPを用いると,分極電荷は
q = -∫_S P・dS
と表され,これを
∫_S E・dS = (Q + q)/ε0
に代入すると
∫_S E・dS = (Q - ∫_S P・dS)/ε0.
この式の両辺をε0倍して右辺の積分を左辺に移項してまとめると,
∫_S (ε0 E + P)・dS = Q.
この式の左辺の被積分関数 ε0 E + P は電束密度Dの定義そのものですから,
∫_S D・dS = Q
が得られます.
つまり,質問主さんのおっしゃる「矛盾」の原因は以下の2点に起因するのだと考えます:
1. 電束密度に関するガウスの法則の右辺のQを全電荷と解釈してしまったこと
2. 1の下で,電場Eに関するガウスの法則を∫EdS=(Q-q)/ε0としてしまったこと
No.3
- 回答日時:
どこが矛盾するんですか?ガウスの法則の積分形は
∫D・dS=∫ρdV=Q
ですよ。真空中なら
∫E・dS=(1/ε0)∫ρdV=Q/ε0
とも書けて右辺は全電荷量÷ε0ですが、誘電体中ではこれは使えません。
右辺のQは真電荷から分極電荷qを加えたものQ+qに変わります。それが、
qの符号間違いを除いて
>∫EdS=(Q-q)/ε0 ≠ Q/ε0 (∵一般に q≠0)
で、分極電荷密度の定義ρp = - divPを使って一番上のDの積分を書き直しただけのものですが、どこに矛盾があるのでしょう?
∫D・dS = ∫(ε0E+P)・dS = ε0∫E・dS + ∫P・dS
= ε0∫E・dS + ∫div P dV = ε0∫E・dS - ∫ρp dV = ε0∫E・dS - q
No.1
- 回答日時:
電束密度Dに関するガウスの法則におけるQは真電荷の量で正しいです。
そもそも「補助場」であるDやHは物質がある場合の電磁場に関する法則をいくらか簡単に表すためのものなので、Dが出てくる法則では(表向きには)物質の存在によらない形になっているものです。
∫DdS=Q におけるQが内部に含まれる電荷の量、と書いてある説明文は、暗黙の内に真電荷のみを含めているか、あるいは筆者が勘違いしているかだと思います。
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