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福島第一原発の4号機と5号機と6号機は定期点検中でした。
それなのに、15日あたりに使用済みの燃料棒の温度が少しずつ上昇しました。
その理由は何だったのでしょうか?
テレビを見ていても理由については触れていなくて気になっています。

原発には無知なのですが以下のように予想してみました。
(1)使用済みの燃料棒のためのプールにも常に水をポンプで送って冷却を続けないといけないのに、途中でポンプか電源が壊れた。
(2)プールは通常は一定温度に保たれているのだが、1~3号機のいずれかで発生した中性子が飛んできて、核分裂が起こって水温が上がった。

どちらかが合っているでしょうか?それとも全く違うのでしょうか?

原発に詳しい方、あるいは
テレビ、新聞、インターネットなどの情報でも、
ご存知でしたら教えていただけないでしょうか?

A 回答 (8件)

> (1)使用済みの燃料棒のためのプールにも常に水をポンプで送って冷却を続けないといけないのに、途中でポンプか電源が壊れた。


・ピンポン!
大当たり。

> (2)プールは通常は一定温度に保たれているのだが、1~3号機のいずれかで発生した中性子が飛んできて、核分裂が起こって水温が上がった。
・コレは、絶対にない。

核燃料は、我々が普通に使う石油や石炭とは全く違う性質があります。
核燃料は、非常に不安定な物質で、常に安定物質に変わろうとする性質があります。

例えば、二酸化炭素は気体状態が安定物質です。
二酸化炭素を水に溶かして炭酸にすると、二酸化炭素は不安定な液体になります。
炭酸水の炭酸(水に溶けた二酸化炭素)は、何もしなくても、勝手に大気中に抜けて行き、やがてただの水に戻ります。
コーラを抜栓し数日放置すると自然に炭酸が抜けるのと同じです。

核物質は、困った事に、不安定な状態から安定な状態に変わる際に、放射線と熱を発生させる物質です。
しかも、その反応は、水中よりも大気中の方が激しい。
水中では、比較的ユックリと反応する。
核燃料(子供の小指大ペレット)一個は、最低でも3年間は水に浸して冷却する必要があります。
核燃料の集合体をもしも冷却しなければ、数千度まで自然に加熱し、周りの設備を溶かす事になります。
このため、核燃料は、しっかりと水で冷却する必要があり、自衛隊や消防で必死に水を掛けていたわけです。
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この回答へのお礼

丁寧にご説明頂いてありがとうございます。

ちょうど、別の質問スレッドを立てようと思っていた内容に触れられていて、
しかもお詳しそうなので、さらに質問をしても良いでしょうか?

x530さんがおっしゃっている「核燃料の不安定な状態」と「核燃料の安定な状態」というのは具体的にどういうものなんでしょうか?

私のにわか知識では、福島第一原発の1号機と2号機の燃料は
数%含まれているウラン235(残り大半はウラン238)であるということ。
ウラン235に中性子が当たると、核分裂をおこして
大量のエネルギーとともに、セシウムやヨウ素の放射性同位体が出来る。
そのとき、中性子も出るので、これが別のウラン235に衝突して反応を繰り返す。

ということなんですが、今の福島第一原発で燃料棒が熱くなっているのは、
どの物質がどのように変化しているからなのでしょうか?

お礼日時:2011/03/20 23:49

自分も今回の件で勉強中ですが気になったので。


減速材ですが、これは発生直後の中性子は速度が速すぎてウランを突き抜けてしまうため、これをウランとぶつかりやすくするため適度に速度を抑えるのが減速材です。
つまりただの水だと核反応をおきやすくします。
今回水を入れるのは冷やすためで、核反応を防ぐのは制御棒と水に溶けているホウ素です。

崩壊熱は核反応によってできた原子がベータ崩壊をしたときでるものです。
核分裂生成物は多種多様で、そのなかでもウランやプルトニウムより特に半減期の短いものが激しく崩壊熱を出します。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

> 今回水を入れるのは冷やすためで、核反応を防ぐのは制御棒と水に溶けているホウ素です。

今、特殊な消防車を使ってかけている液体は、海水にホウ素を混ぜたものということでしょうか。


> 核分裂生成物は多種多様で、そのなかでもウランやプルトニウムより特に半減期の短いものが激しく崩壊熱を出します。

核分裂生成物が崩壊を起こして熱を出しているということでしょうか?
それらを止めるために水をかけて冷やしており、
ウランの核分裂については、ホウ素を入れることで止めている、と。


みなさんの回答で分かってきたのですが、
http://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/nuc_safet …
に説明のある「自己抑制性」というのは核分裂の抑制の効果であって、
核分裂生成物が崩壊することについては何も効果は無いということですね。

そして、今、水をかけて温度を下げようとしている目的は、
核分裂生成物の崩壊を止める、ということなんですね。


原子力発電所というと、ウランの核分裂ばかりを頭に浮かべていたんですが、
ウランの核分裂によって生じた核分裂生成物というのものが、
放射線を出す危険な存在だったんですね。


この質問はこれでクローズにしたいと思います。
みなさま、ありがとうございました。

まだ原発に関する疑問も多いので、またお世話になるかもしれません。

お礼日時:2011/03/21 14:33

No.3です。


> 水が無くても核分裂は起こるのでしょうか?
・水の有無は無関係です。
水は中性子の減速材でもあるので、水がない方が反応は激しくなると思います。
何よりも、水がなければ炉心の温度コントロールが出来ない大問題があります。

> 通常の発電のときのような状態のままで爆発はなく、
> α崩壊やβ崩壊を繰り返す危険な物質が蒸気とともに拡散する、
> という状態になるのでしょうか?
・厚さ1mのコンクリート製原子炉建屋が水素爆発でバラバラなのだから、十分すぎる爆発だと思います。
この爆発でも、鋼鉄製の原子炉格納容器が頑張ったのは、日本の技術の証明でした。
で、一番怖いのは、プールの燃料棒はステンレスハンガーで固定されています。
燃料棒のシース(外壁)は1000度程度で溶融し、中のウランやプルトニウムがむき出しになります。
ステンレスは1200℃程度で強度が減衰するため、燃料棒を支える事は出来なくなり崩壊します。
そうすると、空のプールの底に溜まった使用済み核燃料は、想像も出来ない崩壊が進みます。
臨界の可能性は低くても、この状態で、強風などが吹き荒れた場合、どんな種類の放射性物質が、塵となって何処くらいの量、日本や世界中に放出されるか、全く想像できないところだと思います。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてすみません。
何度も丁寧にありがとうございます。

建屋はすごくぼろぼろになっているように見えますが、
ステンレスハンガーは無事なんでしょうね。

1000℃が限界の温度だとすると、
昨日と今日は100℃をきったそうなので、
ひとまず安心だと思って良いということですね。

お礼日時:2011/03/21 14:09

No.3です。


> ウランペレットというのはとても安定しているとテレビで聞きましたが、
> どうして使用済み燃料棒のときだけ、どんどんα崩壊やβ崩壊が起こるのでしょうか?
・U238に中性子が衝突すると、プルトニウムに変わるためです。
元素周期表84番以降はすべて放射性元素ですが、例外的にウラン(92番)とトリウム(90番)だけがなぜか長寿命なのです。
理由は分かりませんが、なぜか長寿命なのです。
U238:64億年
U235:10億年
Th232:200億年
http://www.gadgety.net/shin/trivia/ptable/

使用済み核燃料にはU238の燃えかすPu(94番)の比率が多くなるためです。
U238に中性子が衝突すると、プルトニウム(94番)に変わります。
プルトニウムはU238に中性子を照射して合成する、自然界には存在しない合成元素です。
プルトニウムも比較的長寿命な放射性元素で、人間にとって扱いやすいのすが、それでも寿命はPu239で3万2千年、Pu236だと3年程度とウランと比べてグンと短くなります。
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No.3です。


混ざるといけないので、二つに分けてコメントします。

> 「私のにわか知識では、福島第一原発の1号機と2号機の燃料は
> 数%含まれているウラン235(残り大半はウラン238)であるということ。
> ウラン235に中性子が当たると、核分裂をおこして
> 大量のエネルギーとともに、セシウムやヨウ素の放射性同位体が出来る。
> そのとき、中性子も出るので、これが別のウラン235に衝突して反応を繰り返す。

・福島原発は、たしかMOX燃料を使用していたのでU235,U238とプルトニウムも使用していたと思います。
燃料プールに減速材である水が無い場合、プシュプシュと、核分裂も若干起こっている可能性はあります。
ここら辺は、発表されていませんが、中性子線量で分かります。
ただ、連鎖核分裂ではないので、それほど危機的な状況ではないと思います。

もしも、連鎖核分裂(臨界)だったら、職員は全員退去。
そして、福島原発の周囲100kmは最低でも避難が必要なチェルノブイリ状況になると思います。

> 今の福島第一原発で燃料棒が熱くなっているのは、
> どの物質がどのように変化しているからなのでしょうか?
・実は、核物質以外の地球上に存在する物質すべてが同様の熱反応です。

先の、水に二酸化炭素を溶け込ませれば、炭酸となり水のpHが下がり酸性化します。
炭酸が抜けて、ただの水に戻れば、水は元のpHに戻ります。
水に酸素を溶け込ませれば、水のpHはアルカリ性化します。
この水のpHが変化する際に水温が極々少しだけですが変化します。

H2O(水)とCO2(二酸化炭素)が結びついてH2CO3(炭酸)に変化するには熱エネルギーが必要なのです。
で、原子量の大きな重たい核燃料は、メチャクチャ熱エネルギー率が大きな物質と言う事です。
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この回答へのお礼

なんだかやっと原発のことが見えてきたような気がします。

> ・福島原発は、たしかMOX燃料を使用していたのでU235,U238とプルトニウムも使用していたと思います。

3号機だけがMOX燃料だそうです。しかも去年からなんですね。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110123/fks1 …


> 燃料プールに減速材である水が無い場合、プシュプシュと、核分裂も若干起こっている可能性はあります。
> ここら辺は、発表されていませんが、中性子線量で分かります。

中部電力の説明では水が多い方が中性子の速度が遅くなって核分裂が進むと書いてあるのですが、
水が無くても核分裂は起こるのでしょうか?
http://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/nuc_safet …
ここだけ読むと、水が多い方が危険なように感じるのですが、
燃料棒は冷やさないといけないんですよね?


> ただ、連鎖核分裂ではないので、それほど危機的な状況ではないと思います。
> もしも、連鎖核分裂(臨界)だったら、職員は全員退去。
> そして、福島原発の周囲100kmは最低でも避難が必要なチェルノブイリ状況になると思います。

テレビでは軽水炉ではチェルノブイリのような爆発は起きないと言われていますよね。
ということは、今、制御棒が溶けてしまって、しかも圧力容器が開いたまま臨界になったら、
通常の発電のときのような状態のままで爆発はなく、
α崩壊やβ崩壊を繰り返す危険な物質が蒸気とともに拡散する、
という状態になるのでしょうか?

質問を繰り返してすみません。
止めた方が良ければ、別に質問スレッドを立て直すのでコメント下さい。
質問をしたのが初めてなので、非常識な使い方をしているかもしれません。

お礼日時:2011/03/21 01:35

No.3です。


> 「核燃料の不安定な状態」と「核燃料の安定な状態」というのは具体的にどういうものなんでしょうか?
・具体的には、U238やU235と、その燃えかすプルトニウムは、α崩壊とβ崩壊を繰り返し、最後の最後はPb(鉛)になり安定します。
もちろん、その過程で変化する同位体の半減期には、恐ろしく長期間を必要とするものもありますが、人間が作った核燃料自体は3年経過すれば、ほぼ燃え尽き状態になり、放射線量は強いながらも発熱量は減少します。
ラジウム温泉やラドン温泉は現在または過去に核物質があった地下温泉だったりします。

U238のプロセス例:
http://www.weblio.jp/content/uranium+series
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この回答へのお礼

分りやすい説明をありがとうございます。
ここでNo1 0zunuさんの「崩壊熱」というのが出てくるのですね。

ご紹介頂いたリンクを見ると、
α崩壊やβ崩壊を繰り返して次々と不安定な核が出来るのですね。
そして、そのときに熱が出る、ということなんですね。

ウランペレットというのはとても安定しているとテレビで聞きましたが、
どうして使用済み燃料棒のときだけ、どんどんα崩壊やβ崩壊が起こるのでしょうか?

お礼日時:2011/03/21 01:11

1ですしテレビでもいってました。


使用済みといってもかなりのウランが残っています。
1年くらい冷却しないと空気中には出せないそうです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

テレビでも言っていましたか。
聞き逃したみたいです。すみません。

お礼日時:2011/03/20 23:38

(1)です。

津波で非常用電源等をやられてシステムが動かなくなりました。
なぜ発熱するかについては、崩壊熱、ベータ崩壊、アルファ崩壊などで検索してみてください。
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この回答へのお礼

素早い回答をありがとうございます。

津波で非常用電源がやられたのであれば、
点検中だった原子炉も、緊急停止をした原子炉同様に危険な状態になりそうだ、
ということは早くから分っていたということですよね。
なぜ穴あけをしなくてはいけなくなるまで対策をうたなかったんでしょうか?
穴あけをしたころには、緊急停止をした原子炉の方は既に海水を注入していたと思うのですが。
非常用電源が流されたことに気付いていなかったのでしょうか?

お礼日時:2011/03/20 23:33

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