福島原発で放射性物質が問題になっています。ふと思ったのですが、1から3号機まで稼動が停止しているわけですから、原子炉内においては核分裂も停止していると思います。ということは、核分裂による新たな放射性物質の発生は現時点において無いと考えていいんでしょうか。もちろん莫大な量の放射性物質は、一部漏れたりしているみたいですが、まだ圧力容器内に相当量閉じ込めてあるはずでしょうが。仮に全てこれらが何かに回収することができれば(夢物語ですが)原子炉内の放射性物質は殻になるわけでしょうか?また燃料棒の中の放射性物質はどういう形状で(ガス?粒子?それとも違う形?)閉じ込められていて、プルトニウムのように回収されるのでしょうか。分かる方お願いいたします。

A 回答 (3件)

1.


制御棒が挿入され、中性子が吸収されれば核分裂連鎖反応は停止します。原子炉が停止するというのは、核分裂反応がないということです。したがって、新たに核分裂生成物すなわち放射性物質が生成されることはありません。ただ、ウラン235,238、プルトニウム239は崩壊によってほかの放射性物質(元素)に変わります。また、核分裂生成物も崩壊によってほかの放射性物質(元素)に変わるので、新たに放射性物質を生じるように見えますが、前のが壊れて新しいのができるので放射性物質全体としての量は変わらないとしていいでしょう。
ちなみに、今福島で水をかけて冷やしているのは、核分裂生成物の崩壊によって発生する熱を冷まそうとしているのです。
2.
原子炉が稼働すればその分、核分裂生成物が貯まります。燃料棒が破損していなければ、それは燃料棒の中に閉じ込められているはずです。これがうまく冷却(冷温停止)されれば燃料棒(燃料集合体)を取り出して冷却プールに移すことができます。そうすれば原子炉の中には放射性物質はなくなり、空になります。しかし、原子炉内に放射線がないということではありません。原子炉運転中は、核分裂による中性子を原子炉構造物や一次冷却水中の不純物が吸収して放射化されて放射化生成物になり、放射能を持ちます。したがって、燃料棒を外に出しても、原子炉内は放射線で危険です。
燃料棒が破損していれば、燃料集合体を出すことができても圧力容器内には放射性物質が残ることになります。また、放射性物質の飛散による強い放射線で燃料集合体を出すことは困難でしょう。
3.
燃料棒の中でどういう状態で放射性物質があるかは、放射性物質の種類や状態(元素としてあるのか化合物になっているのかなど)、温度や圧力などによって違うと思います。
キセノン133,137、クリプトン85などは気体の状態でしょうし、ストロンチウム89,90、ジルコニウム95などは金属なので固体でしょう。ヨウ素131は、燃料棒の中では単体で温度が低ければ(100℃以下程度)固体でしょうし、温度が高くなれば液体、気体になるでしょう。ただ、燃料棒から漏れれば昇華して気体になりやすいので大気中で検出されます。ただ、燃料棒の中では固体でも、破損して外に微粒子として高温で漏れ出せば、風に乗って遠くまで飛んでいきます。この場合比重の大きい金属でもすぐに落ちるなんてことはないでしょう。単なる拡散とは違うのだから。
4.
燃料棒に収まっていれば、再処理によって有用なものは回収されます。不要なものは高レベル廃棄物として処分されることになっていますが、再処理工場もうまく稼働していないようなので、お話だけです。原発の使用済み燃料プールに貯まる一方ですね。
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この回答へのお礼

いつもありがとうございます。細かなご説明、良く理解できました。プールで燃料棒を冷やすのにも3,4年それから六ヶ所村の地下に冷却保存数10年以上でしょうか・・・世界中の450基近くある原発からおびただしい数の使用済み燃料が出されていると思うと迅速でもっと効果的な処理方法が開発されないものかなーと思います。核分裂で発電までは非常に光るがあるんですが、分裂した後が問題ですね。閉じ込めて冷却という方法以外まだ人類が安全にコントロールする術がない気がしてきました。そこがクリアーされない以上原子力発電というものはどうかなとも思います。もちろん我々も今すぐ大量の電力を必要としているわけですが。ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/23 06:18

核分裂は地震発生直後に原子炉が緊急停止して以来止まっています。

現在も発熱が続いているのは原子核崩壊という別の物理現象によるものです。厳密には崩壊によって別の核種になるので新たな放射性物質が発生しないわけではありませんが、放射性物質が増えていることはないと考えて間違いありません。
ただ、問題は放射性物質が増えることではなく、本来厳重に閉じ込められているべき放射性物質が環境中に漏洩していることです。現在までに漏れ出したのは炉内にある放射性物質のごく一部でしかありません。これらが大量に漏れ出すと大変なことになるでしょう。
現在、炉内の燃料を回収しようとはしていません。回収はされるとしても10年以上経ってからでしょう。まずは、漏洩を止め、格納容器の中に「封じ込める」ことを目指しているのです。その状態で10年以上放置し、半減期の短い核種があらかた崩壊して線量が下がってから解体なり回収なりすることになります。
ウラン燃料は酸化ウランの粉末をセラミック状に焼成したものです。通常はそれがジルコニウムという金属の管に封入されています。現在は一部が崩れ、粗い粉末状になって原子炉容器の底に落ちていると考えられています。また、核分裂によってできる生成物は気体もあれば微粒子もあります。大気中に放出され、遠くまで飛ぶのは軽めの微粒子です。プルトニウムは重いので蒸気と一緒に出ることは考えにくく、出たとしてもごく僅かで、しかもすぐ近くに落ちてしまうと思われます。
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この回答へのお礼

早速にありがとうございました。端的でわかりやすいお答えで、物理音痴のわたしでも充分理解できました。私としても停止後の放射性物質の絶対量は増えないと想像していましたのでちょっと安心しました。プルトニウムは重いから、遠隔地では検出されにくいこともわかりました。ありがとうございました。

お礼日時:2011/04/23 05:54

>原子炉内においては核分裂も停止していると思います



核分裂は停止していません。核燃料とは放っておいても核分裂してしまうものです。核燃料が停止するのは、全部分裂し終わって、分裂しない別の元素に変化した後です。
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この回答へのお礼

早々にありがとうございました。No.2、とNo.3の方と答えが正反対になってしまって、私としてはなんとも言えませんが、「停止後も核燃料のウランは自発的に核分裂を続けているもの」なんだなと解釈いたしました。あるいは、No.3のかたがおっしゃるように「ウラン235,238、プルトニウム239は崩壊によってほかの放射性物質(元素)に変わります。」のことなのかとも思いました。いずれにしましても、ご返答ありがとうございました。貴重なご意見として参考にさせていただきます。

お礼日時:2011/04/23 05:49
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