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学生のころは、日本史・世界史を縄文時代から順番に勉強していき、卒業近くになったときは、戦後の近代史を全く学ばずに終わってしまいました。
今になって思えば、重要なのは2000年以上の大昔のことではなく、今の生活に密着した近代を多く学ぶべきであり、現代から過去を振り返っていって、その転換期がどのように発生したのかを知ることが大切であったと思います。
再度、歴史を学びたいと思い、書店でできる限り分厚い本を探していますが、全部が全部、時系列に書いてあるものばかりで、逆時系列のものがありません。できれば、現代~戦後のことが3割ぐらい書かれていて、残りが戦前~古代のもの、というのが読みたいのですが。
1冊にまとまった量の多い日本史・現代史をご存知の方、教えてください。

A 回答 (1件)

 イイ質問ですね。

歴史を学ぶ時には幾つかのスタイルがありますが、今日現在の小学校から高校までの歴史の授業はご指摘のとおり「古代から現代に至る時系列的なデータの羅列」が殆どであり、それぞれの歴史事象を歴史的過程の中にどのように位置付けるか、という最も大切な部分が見落とされていることも事実です。
 もう一つの方法もご指摘のとおり「現代からその対象となる歴史事象を見る」スタンスです。こうした歴史考察の視点を学ぶことができるのは大学の学部での専門課程となります。そして実際の歴史研究の中でこうしたスタイルを積極的に取り入れている学部としては法学部あるいは政治経済学部の「近代日本政治史」や「近代日本経済史」の講座になります。歴史研究を対象とする文学部の歴史学科でも扱わないこともありませんが、専門分野としては前者の方が一歩先行しているといっても過言ではありません。
 こうした点でお奨めできるのは、みすず書房刊行の『日本の200年 上・下』『歴史としての戦後日本 上・下』共にA.ゴードン氏の著作です。しかしながらご要望には叶えられない点もあります。この書物も時系列的な処理を行っているのですが、それに先だって「始めに」として著者がこうした記述で日本の歴史それも近現代史を扱う時の視点を幾つか整理してから具体的な本文に入っていく点です。そしてもう一つ、こちらは内外の歴史学及び関連諸科学の研究動向を見ても皆無です。1冊で日本の歴史を網羅している書物はありません。あるとすれば悪名高い「日本史教科書」を逆のページから読むしか今のところでは手だてはありません。
 逆に「なぜ歴史書は古代の記述から始まるのか」との問いに対する答えとして「○○という歴史事象に対して××のような不具合が生じ、△△という手段で対処した」との人間の足跡を辿ることの意味を考える、スタイルに規定されているからとも考えられます。
 何れにせよ、現代史的視点から歴史を捉え直すことは大切なことではありますが、その際に一つだけ注意せねばならない点があることも書き添えさせていただきます。それは「現在における概念やシステム」を前近代の社会を見る時に濫用してはならない、とのことです。戦後の一時期、日本の歴史学界にもそれ以前の歴史学のあり方に対する反動から「太閤検地以前は全て古代社会である」と乱暴な議論があったことは確かで、その根拠たるや「マルクスの○○という論文に書かれているこの部分が該当するから」という、ゾッとするようなモノでした。一つのモデルをそのまま緩用するなどと今の私達からみれば「とんでもない勘違い」が真剣に論議されていたなどと笑い話にもならない笑い話に陥らないように自らのスタンスを常に検証しつつ、歴史を学んでください。
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