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一部を除いて私鉄は狭軌を標準軌に大別されます。

関東は狭軌、関西は標準軌が多いです。

日本の鉄道は狭軌が輸入され国有鉄道として全国に拡大していきました。

最大ネットワークの旧国鉄の在来線が狭軌で敷設された以上、車両搬入や万一の際の互換性を思うと私鉄も狭軌で揃えたほうが何かと便利だったのではないかと素人ながら思います。

狭軌を採用した私鉄、標準軌を採用した私鉄、関東と関西にほぼ大別される差、採用された経緯には不思議なことが多いです。

さらに標準軌を導入してもスピード面では狭軌と大差はない気がしますが、標準軌を導入するメリットは何なのでしょうか。

わかりづらい質問かもしれませんがご教授下さい。

よろしくお願いします。

A 回答 (7件)

こんにちは。


首都圏の私鉄で電車運転士をしております。

今、貨物輸送をしている私鉄が少なくなってしまい想像しにくくなってしまったのですが、狭軌を採用した鉄道は、国鉄(現在のJR)と貨物輸送があった、もしくは想定されていたため、結果として狭軌になりました。
貨物輸送というのがキーワードになります。
そして、昔からある首都圏の私鉄には、蒸気機関車や電気機関車が居ました。

逆に、標準軌を採用した鉄道の場合、共通しているのは、
○最初から電車で開業している
○国鉄(今のJR)との貨物輸送をしていない。

標準軌の場合、狭軌よりレールの幅が広くなります。当然、台車の内部のモーターを搭載するスペースが広く取れます。
今でこそ交流モーターの時代で、モーターが小さくなりスペースの問題は無くなりましたが、その昔は直流モーターで大きく、スペースを確保するのが大変でした。

首都圏で最初に標準軌を採用した京急の場合、首都圏で最初の「電車方式」による鉄道で、日本で電車のモーターを製造する経験が無くドイツから輸入していたため、必然的に標準軌に、
関西の私鉄で標準軌の路線が多かったのは、国鉄(JR)との貨物輸送を行っていなかっただけでなく、競合関係から、より高速に、より大きな出力のモーターを積む必要がありました。

今の時代と異なり、
よりパワフルなモーター⇒⇒より大型なモーター
・・・・となる時代です。そうなると、率先して狭軌を採用する理由が無かったのです。

昭和20年代後期から30年代初期、電車の高性能化を図るため、駆動装置の変化がありました。
それまでの「つりかけ式」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8A%E3%82%8A% …)から現代の「カルダン式」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB% …)が登場しました。
その折、狭軌の鉄道の場合、スペースが取れず小出力のモーターを積むなど、狭軌の電車は標準軌の電車に対し弱点をもっていました。

今でこそ、狭軌・標準軌の優劣は小さいのですが、その昔は上記のとおりで、その差は大きかったのです。
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この回答へのお礼

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お礼日時:2011/07/15 15:55

そもそもの始まりは阪神です。


阪神は神戸-大阪の鉄道を願い出ていましたが、当時は軍が首を縦に振らないとなにもかも簡単にこと済まない時代です。
すでに鉄道院が経営する官鉄『山陽本線』がありましたので、『並行路線を作るとは言語道断』と一刀両断に切り捨てられます。
そこで阪神は、当時軍とつながりのあった鉄道院にかけあうのは無駄と判断し、内務省が管轄する『軌道法』に目を付けます。
この法律は現在鉄道法として一色端に扱われていますが、当時は明確に違っていました。
いわゆる路面電車の法律といっても過言ではないものです。
その例として、車体の大きさの規定、スピード制限などがありますが、一番の特徴でもあり、阪神が目を付けた理由が、先にあげた管轄が違うことなのです。
しかしこの法律で作った場合、あくまでも路面電車にしないといけませんので、阪神は一部を併用軌道として、まぁ明確には違いますが、今で言うところの広電の宮島線的な物にしたのです。
そしてさらに『阪神は路面電車で地元民の足になるんだ』という名目をより明確にするため、当時すでに足として活躍していた『大阪市電との直通もやるぞ』ということにして、軌道幅を1435mmにして合わせたんですね。
ここまでやったので、さすがに軍もいちゃもんをつけようにも付けられませんでした。

それで、作ってしまえばこっちのもの。
のちに阪神は併用軌道やカーブをどんどん改良し、車体もスピードも向上してあれよという間に高速鉄道への脱皮を図るのです。
この阪神のやり方があり、阪急、京阪などが同じ方法で並行路線の免許を取得し建設します。
関東の京急、京成は川崎大師、成田山への参拝路面電車。
京王は中央線が甲州街道沿いに建設するのが外れたため、あわてた甲州街道沿線民が呼んだとされる路面電車。
古くからある私鉄で1067mmじゃないところは、意外にも路面電車からスタートしたところが多いのです。
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この回答へのお礼

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お礼日時:2011/07/15 15:53

 直通する為には軌間が同じである必要があり、貨物輸送があればたいていは国鉄に合わせています。


 例外なのは東急の玉川線で多摩川の砂利を都電線内へ輸送する事が考慮されましたから、都電に合わせています。
 その支線で現存する東急世田谷線と都営荒川線が同じ軌間なのは偶然ではありません。

 京成は都営浅草線へ乗り入れる為に改軌しました。これは同じく乗り入れる京急にそろえる為です。
 京王が改軌しなかったのは、他に乗り入れる会社が無くコストを考えれば無理をする必要がなかった為です。

 なお、都電等で採用されています軌間1372mmは馬が2頭列んで牽引するのにちょうど良い軌間と言われています。
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お礼日時:2011/07/15 15:54

関東の私鉄は、その多くが線路の幅は狭軌(1067ミリ=3フィート6インチ)ですが、そうではないではない路線がいくつかあります。

主要なものでは、京王電鉄(井の頭線を除く)、京成電鉄(新京成・北総など系列会社各線を含む)、京浜急行電鉄、東急世田谷線。

これらの路線には、共通点があります。それは、
「路面電車(東京市電=都電の前身)へ直通運転する事で、都心へ乗り入れる可能性を考えていた」
ので、1372ミリ(=4フィート6インチ)という軌間を採用している(していた)、という事です。

東京市電は東京馬車鉄道を前身としていて、これが1372ミリ(=4フィート6インチ)という軌間(もちろん、都電荒川線も同じ)。乗り入れようとすれば、当然ながら、先に開業した東京市電に合わせるしかありません。
京浜電鉄(京浜急行の前身)は現実に一時期乗り入れしていたのですが、わざわざ「標準軌」の1435ミリ(=4フィート8 1/2インチ)から1372ミリへ一旦変更したとの事。当時は1~2両の電車がのんびり走っていたので、路面電車への乗り入れは決して非現実的ではありません。

その後、東京市電乗り入れを止めた京浜電鉄が元の1435ミリへ戻し、戦後になって都営浅草線を介して京成と直通運転する事になり、1372ミリのままだった京成が、1435ミリに改軌した次第(新京成もこれに合わせて改軌)。
これは、京成の全線をいくつかの区間に分割し、新車投入・在来車の台車交換なども絡んで、数回に分けて改軌するという大掛かりなものになり、その間は「境界」の駅で乗り換えになりました。3代目スカイライナーが時速160キロを出しているのは、半世紀前の「大工事」のお陰です。

京王はそこまでする「勇気」が無かったんでしょう、延長区間も支線も含めて1372ミリのままとなり、逆に都営新宿線が京王に合わせて1372ミリとなりました。井の頭線が1067ミリなのは発祥の違いで、前身の「帝都電鉄」が小田急系列だったからです。

ちなみに、昭和20年5月の米軍の空襲で、井の頭線の大半の車両を焼失した際には、下北沢付近に連絡線を作って、小田急側から応援の車両を送り込みました(当時は、現在の京王も小田急も東京急行電鉄に合併されたという、いわゆる「大東急」の時代)。
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この回答へのお礼

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お礼日時:2011/07/15 15:56

 質問者さんが狭軌と標準軌に大差ない気がするというならば、どうして新幹線は標準軌を選んだのでしょう。

やはり軌道が広いほうが安全にスピードを出せるということではないでしょうか?
もちろん幅が37センチも違うとなれば、その敷設するための面積も大幅に違うのですが。

 関東と関西の軌道の差は、50Hzと60Hzの問題と同じような理由でしょうね。
もういまさら変えることはできないんだと思います。

また、関西の近鉄は狭軌と標準軌の両方使っています。これなどはいろいろな鉄道会社と合併したからこういう事態になったと思いますが、いまさら軌道を統一するよりも、それぞれの路線でそれぞれの車両を開発するほうが安く付くのでしょうね。地元の人間とすれば統一したほうがなにかと便利だろうなぁと思いますが。
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この回答へのお礼

私の質問の趣意が正しく伝わっておりません。
標準軌と狭軌の優劣を尋ねているのではありません。
新幹線はともかくほくほく線は狭軌でありながら国内最高スピードです。
なので標準軌だからスピードが出るということではないので導入に際してのその差は何かを問うております。
ありがとうございます。

お礼日時:2011/07/15 16:00

>私鉄も狭軌で揃えたほうが何かと便利



相互連絡がある場合は、まさにその通りです。関東に狭軌民鉄が多いのは、沿線産物の貨車継走を考えたという理由が大きいです。

高速輸送を目標に敷設された関西民鉄でも、和歌山方面との貨物継走を考えた「阪和電鉄」だけは狭軌を採用していますよね。また近鉄南大阪線が狭軌なのも、元々が「関西本線への貨物継走」が主体の中小民鉄だったからなんです。

>標準軌を導入してもスピード面では狭軌と大差はない

これもまさにその通りなんですが、標準軌の方が大出力電動機を設計しやすいことは確かで、高速連続運転に余裕のある150KW級の電動機は、関西民鉄に多く採用されていますね。

要は、関西民鉄は「省鉄との連絡運輸を考えず、旅客輸送に特化したために、海外の最新技術を導入しやすかった」んですね。実際、高速鉄道の先達だったアメリカ製の部品は多く輸入されています。

更に言えば、関西民鉄は「元々"省鉄"に対抗する都市間電車」であったため、意地でも「ちょっとでも高速化出来るならそっちに走る」発想で居た・・・ということもありますし、一部の民鉄は「資材の関係で標準軌で開業した市内電車に直通する」ことを理由に狭軌以外にした・・・ってこともあります(京王や京成がそうですね)
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この回答へのお礼

たいへん参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2011/07/15 16:01

関西の私鉄に標準軌が多いのは、鉄道法より規制の緩い軌道法により敷設されたものが多いからです。


また、関西では、お上に対する反骨精神のようなものが今でも生きています。
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この回答へのお礼

たいへん参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2011/07/15 16:02

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