最近、いつ泣きましたか?

お世話になります。

数学の集合論に登場する「φ」について、基本的事項が
解っておりません。

すなわち、件名の通りなのですが、
 「空集合はそもそも存在するのか?」
ということです。

例えば、集合A={ 1,2,3 }、集合B={4,5,6}の共通部分として
 A∩B={φ}
という場合、何ゆえ、こんな決まり事を作ったのかが理解
できません。なぜなら、2次方程式では、判別式の結果で
「解なし」という答えが許されるのにもかかわらず、集合論に
おいては、無理矢理(?!)、「φ」という概念を作り出さざるを
得ない理由が解りません。

「φ」に限らず、このような「取り決め」をつくることで、
数学的に「都合が良い」らしいですが、その恩恵を受けるほど
初学者には都合が良くないです(少なくとも私にとっては)。

お知恵の拝借をお願い致します。

A 回答 (6件)

>・・・「(実数)解なし」という答えが許されるのにもかかわらず、集合論においては、無理矢理(?!)、「φ」という概念を作り出さざるを得ない理由が・・・



 2次方程式の場合は、その後の展開がないので「解なし」と言い捨てておけるのですが、φの場合は捨て置けません。皆さんもご指摘の通り、集合には演算があるからです。この辺りの事情は、たぶん、ふだん思うより大きな意味を持っていると、個人的には思います(φ×B=φです)。

 以下、⊂は集合の包含関係を表し、∩や∪が、集合の共通分や合併を表す事は既知とします。

 例えば、ある条件で集合Cを定義し、その条件からC⊂AかつC⊂Bだったとします。AとBは、Cを定義する条件から決まる集合としますが、AとBの条件自体が複雑きわまりない事はしばしば起きます。しかしCが空集合になる場合、A∩B=φである事は、けっこうすぐ見て取れる時が多いです。このような場合、次のような「演算」を行って、Cが空集合である事を示す場合は多いです。

  C⊂AかつC⊂B ⇒ C⊂A∩B=φ ∴C=φ   (1)

 質問者様は、(1)の内容を読み取れる段階に来ていると自分は思っておりますが、(1)のような「計算」は、空集合というものを「無理やりにでも記号化」して「操作可能に」しておかないと、ほとんど出来ません。少なくとも一行では済まないはずです。

 #1さんの「0」の例でいくと、aを正の整数,bを負の整数,cも整数として、

  任意のaでc<a かつ 任意のbでb<c ⇒ cは負かつ正の整数 ∴c=0   (2)

とやれます(かなり技巧的ですが時々やります)。何故なら、cが負かつ正の整数なら、c=-cであり、移項すれば2c=0となって、C=0が導けるからです。移項にはc-c=0が効いています。この時、c-c=?だったら、とっても困ります。

 このように何かを(不自然であっても)対象化して操作可能にしておくと、意志の疎通が場合によってはとても容易になります。もし(2)のような論法をある数学者が考え出し発表したら、他の数学者達は、記号「0」の存在により、その考えを容易に検証できるはずです。そして意志疎通が容易な技術かどうかは、数学者のコミュニティーを越えて、世間一般にその技術が普及できるかどうかの試金石になると思います。

 3~4世紀前、小数計算は大学で教えられるような高等数学でした。しかし今では誰もが、平気で複利計算を(銭計算を)行います。経常利益1億円などと軽々と言いますが、数字本来の姿がギリシャ数字のように、I,II,IIIといった、個数をそのまま視覚化する記号であるならば、1億円は、1を1億個書いたものであるはずです。1を1億個書くなんて、たぶん一生かかってもできません。にも関わらず、記号「0」と、それを利用した位取り記法のトリック(?)によって、誰もが1億を「理解」しています。現在の銭計算は、本当は非常に高度に抽象化されたシステムなのだと、自分は考えています。それを可能にしたのが、「0」の威力です。

 でも「0」を量に対応付けた場合、少なくともそれは見えませんよね?。「無い量」を表していますから。しかしそれは「実用的にとても有用である事」を、数学は身をもって知っています。だから見えなかろうと(存在しなくても)、なんでもかんでもとりあえず対象化(記号化)したがります。空集合φも同じです。
 その時、数学を使う立場の我々は何をすれば良いのかというと、せいぜい「掛け算九九」を暗記する程度です。だから普及できます。空集合φも同じです。

 恐らく質問者様は、存在しないものを、存在として指示するφに違和感を持たれたのだと思います。たしかに自然な感覚だとは思いますが、数学はそれだけでは動いていません。物はやりようである、という今回の趣旨で駄目なら、また再質問して下さい。できるだけ頑張ってみます。
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この回答へのお礼

ご丁寧に回答いただきまして深謝申し上げます。

φを記号化する必要性を、アラビア数字の「0」を
元に、歴史的背景や有用性を詳細に教えて頂き
大変感謝しております。

存在しないものを、存在するとして表現することを
数学において、具現化したものと理解いたしました。
また、そのようにすることで、数学の範疇を超えて
数を捉える際に、便利であることも、よく解りました。

抽象的に記号を理解することは、とても苦手な分野
ではありますが、いつか現在の私のように躓いて
いる方へ、アドバイスできるようになれるよう努力
いたします。

本当にありがとうございました。

お礼日時:2011/06/27 18:48

数学と物理学の最大の違いは何だと思いますか?



物理学は存在する物を研究するのに対して、数学は(無矛盾に)定義可能なものを議論するんです。

ゼロは存在するか、とか無限は存在するか、という問いは物理学的(あるいは哲学的)には意味がありますが、数学的には、むしろ、ゼロを(無矛盾に)定義できるか、無限を(無矛盾に)定義できるか、と点に論点があります。

有る数学者の独り言:「それが無矛盾に定義可能であれば、存在しようが存在し無かろうがどうでも良い!」
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

数学と物理の違い、意識したことがありませんでした。
物理には強いアレルギーがあるため、高校卒業以来
一切触れておりません。

とは言いつつも、今回、ご回答頂いた内容はとても
興味深く拝読いたしました。

数学に哲学的な思想(?)があるとは考えてもみません
でした。また、その思想が数学と物理の境界線に関係
しているとは思ってもいませんでした。

或る数学者の独り言は、また面白い表現ですね。
「無矛盾に定義可能」というフレーズは、とても印象に
残ります。今後の思考において、脳に焼き付けておきます。

ありがとうございました。

お礼日時:2011/06/27 18:58

空集合はアプリオリに存在するんだけど, それはさておき.



「空集合」というものがないと, 集合A, B の積が集合にならないことがあるよね.
一方, 空集合を集合として認めればいかなる場合においても (2つの) 集合の積は集合になる.

どっちがうれしい?
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>どっちがうれしい?
どちらがうれしいか、と考えたことはないですが、
文のニュアンスからすると後者なんでしょうか。

空集合を含んだ集合の積を考えると、答えは
 φ になるのでしょうか?

お礼日時:2011/06/27 07:57

表記に誤りがあります。

A と B に共通する要素がない場合,
A∩B=∅ と書きます。
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この回答へのお礼

失礼しました。

併せて、ご指摘ありがとうございました。
今後、気をつけます。

お礼日時:2011/06/26 18:49

1+1=2



これはわかりますよね。証明は難しいらしいですがw

次に、0の存在がなかったとしたら、これはどう表記しますか?

1-1=?

0の概念の発明はインド人だと聞きますが(真偽不明)、
0の概念の創設は我々にとって多大な恩恵をもたらしてくれています。

これと同じことで、集合同士の演算は上の式の1が集合に置き換わったようなものですから0に当たる空集合も必要なのです。恩恵が少ないと感じるのは、集合を扱うこと自体がほとんどないからじゃないでしょうか。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

「0」と同じ考え方なんですね。

おっしゃる通り、私自身、集合を扱うことがほとんどないため、
恩恵が少ないのでしょう。勉強不足ですみません。
精進いたします。

しかし、「1+1=2」の証明が難しいとは知りませんでした。
ちょっと興味を持ったので調べてみます。恐らく理解は
できないでしょうけれど。

ありがとうございました。

お礼日時:2011/06/26 18:32

こんにちは。



>>>なぜなら、2次方程式では、判別式の結果で「解なし」という答えが許される

それは理解されているのですね。
しかし、正しくは「解なし」ではなく「実数解なし」です。

「x^2 + 2x + 2 = 0 の解」を集合A
「すべての実数」を集合B
と置くと、
A∩B = 空集合
となります。

「x^2 + 2x + 2 = 0 の解」を集合A
「すべての複素数」を集合B
と置くと、
A⊂B
となります。
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この回答へのお礼

そうでした。「実数解なし」ですね。

例示された、集合A、Bについては、
理解できました。

お礼日時:2011/06/26 18:36

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