事例 甲は乙に対する債務を弁済するために、丙から金銭を騙取し、その金で乙に対する債務を弁済した。その後、丙は乙に対して不当利得返還請求をした。

この場合、乙が詐欺の事実につき悪意・重過失ならば乙の金銭の取得は不当利得になるとされています。

しかし、丙が詐欺を理由に丙乙間の契約を取り消した場合民法96条3項により乙が善意の場合は対抗できないが、通説によると乙が軽過失があれば対抗できますよね。そして乙の金銭の取得は不当利得になりますよね。

丙が取り消せば乙が軽過失でも勝てるが、取り消さなければ勝てないというこですよねえ。
本事例では96条3項は全く出てこないんですよね、判例も基本書も。
ただ不当利得の問題にしてるんです。
そもそも乙は96条3項の「第三者」に含まれないのですかねぇ。

よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

 だいぶ時期遅れですが,ちょっと調べてみました。



 ところで,最初の命題の基となった判例を読みましたか?。最判昭和49.9.26(民集28-6-1243)というものです。

 この判決の事案は大変複雑ですが,非常に大雑把に整理すると,最初の命題の前提のようにいうことも可能です。ところが,実際の事件では,一審以来,詐欺取消など全く問題になっていません。また,事実認定としても,甲が丙から金銭を取得した行為は,詐欺とは断定されていません。騙取又は横領とされています。

 ここから分かることは,「騙取」といっても,詐欺取消の対象となるものと,取り消しすることなく,直ちに不当利得返還請求が可能なものがあり,その判決の事案では,取消の意思表示なしに不当利得返還請求が可能な場合であることが前提となっているのです。

 ですから,最初の命題を考えるのに,詐欺取消の問題を持ち込むことは,全く意味のないこと(そもそも前提事実が違っている)です。

 また,そういう目で見ると,最初の命題自体が,上記の判例を根拠としたものとすると,誤っているというしかありません。上記の判例は,よく読むと,そこまでのことを述べているわけではありません。内田民法では,考える素材を提供するために,ひとつの設例として提示していますが,これは例示にすぎず,正しいものとして示しているわけではないと考えられます。
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>金銭の場合は占有のあるところに所有権がある


ああ、そうでした。勉強しなおしだなあこりゃ。
No.3のかた、勉強になりました。
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あまり自信ないですけど...



>本事例では96条3項は全く出てこないんですよね
取り戻そうとしているのが、お金だからだと思います。

甲が丙から騙し取ったのがお金でなく物だったら、詐欺による契約取消によって、その物の所有権は甲に移らなかったことになります。
取消が乙に対して有効なら、無権利者から譲渡を受けた乙も無権利者となるので、丙は自らの所有権に基づき無権利者の乙からその物を取り返すことができます。
だから、乙に対して丙が取消を主張できるか否かが重要なポイントとなり、民法第96条第3項が論じられることになるのだと思います。

ところが、金銭の場合は占有のあるところに所有権があるとされていますよね(封金されていた場合等、特殊な場合はどうなるのかわかりませんが)。
詐欺や窃盗の場合にも、不当利得や不法行為の規定に基づき債権としての返還請求権を論じれば良く、金銭に物権的返還請求権を認める必要はないというのが判例・通説だそうです。

甲が丙に対して当該金額を返還する債務を負っているだけで、金銭に対する所有権そのものは甲が保持しているのであれば、金銭の所有者たる甲から弁済を受けた乙に対して返還を請求することはできなくなります。
丙としては、「契約を取消したからその金は俺のものだ。返してくれ」とは言えないわけです。

だから、契約の取消を乙に対して主張できるか否かを直接の問題とせず、不当利得の問題として論じるのだと思います。
そして、乙が悪意または重過失の場合は丙の損失と乙の利得に直接の因果関係を認めて、不当利得として乙から丙への返還請求を認めるというような結論になるのでしょう。
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>乙が「遍取による弁済」であることに悪意重過失のとき不当利得になるんです。


>「丙が詐欺されたこと」を知らなくてもいいんです。
>あくまで「誰かから騙し取ったお金による弁済」であることがわかれば公平の観点から「法律上の原因がない」としているのでしすね。
>なので96条の出番ではないんでしょうね
 そうなのかなあ。まあここは議論する場ではないからいいけど。
 あなたの設例で「金銭を騙取」とありましたがこれが「契約」によるものでなければそもそも詐欺取消しの話にならないと思うんですよ。
 以下はあなたが、甲丙間の金銭の騙取が実体法上の契約に基づくものとした設例をたてたとみなした場合のことです。
<乙の主観=甲丙間の詐欺による騙取の認識>
|善意無過失|善意重過失|悪意……|
|不×詐×…|不○詐×…|不○詐○|
*不=不当利得、詐=詐欺の対第三者効
 上の表はそれぞれの判例の立場をまとめたものです。(ずれてると思うけど)
 やはり詐欺の方が第三者乙の保護される要件が緩いですね。「詐欺による取消しが出来る」ということは「甲丙間にはなんらかの契約」があったわけですよね。この場合はまず民法96条で甲丙間の契約が取消しになってないとだめなんじゃないでしょうか。
 この場合はまず契約を詐欺取消して初めて「法律上の原因」がなかったといえるのではないでしょうか。なぜならこれは「給付侵害」のケースだからです。
 内田民法IIのP534の[XVI-8]の設例がベースだと思うんですが、その設例で昭和49年判決が「悪意・重過失」の場合に「法律上の原因」がないとした事例では、金銭の騙取は共謀者Bの契約を経由していますがAが実際に当事者としてXから金銭を契約によって騙取したわけではないから契約取消しの相手方ではないですね。
 だから詐欺取消しが問題にならなかったんじゃないでしょうか。

1<あなたの設例で甲丙間に契約があったとする場合>
丙-(契約によって騙取)->甲-(弁済)->乙
2<内田民法P534の場合>
X-(貸付)->B-(受け取り)->A-(弁済)->Y

1の場合、甲丙間の契約の効力の問題(96条の場面)
2の場合、不当利得の場面
私も良く分からなくなってきた…。
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学生で今、内田民法の2と1を見ながら考えてふとおもったんですけど…


不当利得の要件には「法律上の原因が無いこと」がありますよね。この事例の場合それは「甲丙間の契約(質問文中で間違ってましたが)」が無効であったことですね。
そうすると、不当利得を主張する前提が「甲丙間の契約の取消し」だったのではないでしょうか。
そうするとまず…
1.丙は96条により詐欺による甲丙間の契約の取り消しを主張。
2.その取消しの効力はその詐欺を知っていた悪意の第三者乙に対抗できる。
3.乙は法律上の原因を失った金銭を受け取っている(受益)
4.よって丙は乙に不当利得返還請求が出来る。
という流れなんじゃないかと。
自分も不当利得はいまいち理解出来てない気がするので参考までに。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
内田民法をぼーーっと読んでいたらわかりました!

乙が「遍取による弁済」であることに悪意重過失のとき不当利得になるんです。
「丙が詐欺されたこと」を知らなくてもいいんです。
あくまで「誰かから騙し取ったお金による弁済」であることがわかれば公平の観点から「法律上の原因がない」としているのでしすね。
なので96条の出番ではないんでしょうね。

お礼日時:2003/10/27 19:29

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Q『又は」、「若しくは』の使い分け方

「もしくは」「または」は、どう使い分けるのでしょう。
それから、
「および」「かつ」なども使い分け方が分かりません。
法律の条文を読むときにこれが分からないと
論理構造がわからず、意味がわかりません。
よろしくお願いします。

Aベストアンサー

法律の条文の用語ということですので,north073さんの紹介された林さんの本を私もお薦めします。
長年内閣法制局の長官をつとめた方です。
もっと詳しくは大島稔彦「法制執務ハンドブック」第一法規出版1998年,山本武「地方公務員のための法制執務の知識」ぎょうせい1999年などがありますが,ちょっと専門的過ぎるかもしれません。
図書館で「法制執務」とか「立法技術」をキーワードに探してみると,いろいろと見つかると思います。

「若しくは」「又は」,「及び」「並びに」の使い分けは,既に回答が出ている通りです。少し憲法の条文から具体例をあげておきましょう。

●まず,単純に2つを並べる時は「又は」「及び」を使います。
・国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。(第17条)
・思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。(第19条)
●3つ以上の場合。
○並列の場合は,最後のつなぎにのみ「又は」「及び」を用い,あとは読点「、」を打ちます。
・生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利(第13条)…3つが同格で並列。
○大小がある場合は,「若しくは」<「又は」,「及び」<「並びに」です。
・配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては(第24条)…「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚(以上5件並列)」と「『婚姻及び家族』(以上2件並列)に関するその他の事項」が同格で並列。
(これを大小関係を逆に読むと,「配偶者の選択~婚姻」がひとまとまりで6つ並列になりますが,そうすると財産権と婚姻が並列になっておかしいですね。)
(この場合,「、離婚」を「及び離婚」としても同じです。ちょっとくどくなるので省いたのでしょうか。)
・強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。(第38条)…「強制、拷問若しくは脅迫(以上3件並列)による自白」と「不当に長く『抑留若しくは拘禁』(以上2件並列)された後の自白」が同格で並列。

●「かつ」は,条件が常に両方成立することを示します。
・何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。(第34条)

最後に,少し長いですが,よく出てくる例として地方自治法第152条から。
1 普通地方公共団体の長に事故があるとき、又は長が欠けたときは、副知事又は助役がその職務を代理する。(以下略)
2 副知事若しくは助役にも事故があるとき若しくは副知事若しくは助役も欠けたとき又は副知事若しくは助役を置かない普通地方公共団体において当該普通地方公共団体の長に事故があるとき若しくは当該普通地方公共団体の長が欠けたときは、当該普通地方公共団体の長の指定する吏員がその職務を代理する。(以下略)

第1項は意味の流れをつかむために書いただけですが,普通の「又は」が使われています。
さて,一見複雑な第2項は次のように読みます。

「(副知事若しくは助役)にも事故があるとき
若しくは
(副知事若しくは助役)も欠けたとき」
又は
「副知事若しくは助役を置かない普通地方公共団体において
  (当該普通地方公共団体の長に事故があるとき
  若しくは
   当該普通地方公共団体の長が欠けたとき)」
は、…

また,このことから,大小3段階ある場合は,「若しくは(小)」<「若しくは(大)」<「又は」となっていることがわかります。
条文を説明する場合など2つの「若しくは」を区別する時は,「大若し(おおもし)」「小若し(こもし)」と通称しています。
ちなみに,「及び」<「並びに(小)」<「並びに(大)」です。「小並び」「大並び」といいます。
以上,ご参考まで。

法律の条文の用語ということですので,north073さんの紹介された林さんの本を私もお薦めします。
長年内閣法制局の長官をつとめた方です。
もっと詳しくは大島稔彦「法制執務ハンドブック」第一法規出版1998年,山本武「地方公務員のための法制執務の知識」ぎょうせい1999年などがありますが,ちょっと専門的過ぎるかもしれません。
図書館で「法制執務」とか「立法技術」をキーワードに探してみると,いろいろと見つかると思います。

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Q即時取得と他人物売買の違い(関係)について

即時取得と他人物売買の違い(関係)が分かりません。
どちらも無権利者から物を得ているようですが。
つきましては、これにつき、極めてやさしくご教示願います(できましたら、やさしい具体例などもふまえていただければ幸いです。)

Aベストアンサー

>下記の理解でよいでしょうか。

 それで結構です。

Q他人物売買についてです。

下記のような内容を認識しましたが、よく理解できません。
ご教示よろしくお願いいたします。



悪意の買主…担保責任に基づく損害賠償請求はできないが、債務不履行責任に基づく損害賠償請求は、その要件を満たすなら可能。
【参考】
(他人の権利の売買における売主の義務)
第五百六十条  他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
(他人の権利の売買における売主の担保責任)
第五百六十一条  前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。

Aベストアンサー

悪意の買主も、真の所有者が売主でないことは知っているが(悪意)、「大丈夫です。真の所有者と話がついていて、確実に真の所有者から買い取れます!」などという売主の言葉を信用して、売買契約を結ぶこともあると思います。
それで、債務者(売主)が債務者(売主)の責めに帰すべき事由(所有者が売主に所有権を移転しなかったこと)によって履行をすることができなくなった(悪意の買主に所有権を移転できなくなった。)。→悪意の買主は、債務者(売主)に責任があって債務不履行を追及できる(不可抗力で滅失した場合はできませんが…。)。=売主が債務不履行責任を負う。

 きちんと私の回答を読んでください!!

 ただし例外として、特に売主が、他人の所有物の所有権を「確実に」買主に移転すると約束した場合などのケースでは、「例外的に」債務不履行責任に基づく損害賠償請求ができます。

 上記をすでに回答しています。


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