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水平な床の上に質量Mの板Bがあり,その上に質量mの物体Aが置かれている。板Bと物体Aとの間には摩擦がある。静止摩擦力をμO,動摩擦係数をμ,重力加速度をgとする。

(1) 板Bに加える力FがFcより小さいとき,物体Aと板Bはいっしょに動く。
(ア) 物体Aの加速度はいくらか。
(イ) このとき,物体Aが板Bから受ける力のχ成分はいくらか。
(2) 板Bに加える力Fを大きくしていって,物体Aが板Bの上をすべり出そうとするとき,物体Aが板Bから受けるχ方向の力はいくらか。また,板Bに加える力F(この力がFC)はいくらか。
(3) 板Bに加える力FがFCより大きいとき,床に対する物体A,板Bの加速度をそれぞれα,βとする。
(ア) 物体A,板Bの運動方程式は,それぞれどうなるか。
(イ) 物体Aが板Bの上を距離lだけ動いて,板Bの端に到達するまでに要する時間はいくらか。

このそれぞれの問いの答えをお教え下さい。

「物理I 摩擦力を介した2物体の運動 図の」の質問画像

A 回答 (1件)

運動方程式を作る手順。


(1)各物体について、その物体に働く力をすべて調べ上げます。
以下は、すべての物体について、個々別々に考えていきます。
(2)物体が受けるであろう加速度の向き(速度の向きではないので注意)を正の向きに取り、加速度を適当な変数に当てます(たとえば、物体Aには加速度α,物体Bにはβなど)。
加速度の向きが判然としない場合もありますが、そのときは、適当に定めて良いのです。
なお、問題の内容によっては、同じ大きさの加速度を受けている物体が他にある場合も少なくないですから、加速度の種類は物体数より少なくなる場合もあります。大いに減らしましょう。
(3)各物体について、その物体に働いている力の、加速度の向きの成分を求め、その合計を合力とします。加速度の方向と合力の方向は常に一致しますので、加速度の方向成分の和が、必ず合力になっているのです!
ちなみに、加速度の方向と垂直な方向では、力は釣り合っています(加速度が0だから、合力も0だと考えれば良いですね)。
(4)各物体について、運動方程式を立てます。
mi・α=F 
なお、
miは、その物体の質量
αは、その物体の加速度(向きを正負の符号で表した向きを含むものとします)
Fは(3)で求めた合力
 
(5)(4)で得られた方程式を連立方程式として解いて、各物体の加速度等を求めます。なお、(2)で加速度の方向を適当に定めた場合は、求めた加速度の値が負になってくる場合もあります。これは、想定した方向と逆向きに加速度が働いていたことを意味すると解釈すれば良いですね。
 
問題
(1)板Bには、Fc,重力Mg,床面からの垂直抗力N,Aからの垂直抗力NB,Aから受ける静止摩擦力(-f)が働いています。
摩擦力が静止摩擦力であるのは、A,Bが互いに他に対して静止しているからです。
静止摩擦力は基本的に数式では表せないことに注意して下さい。単に釣り合いの関係から求めるしかないのです(うっかり、μ0・mgなどとしてしまわないように!)
負号を付したのはx軸の負の向きに働いていることが明白だからです。

板Bは右向きに加速するのは明白ですから、その加速度をx軸方向に、大きさαとしてみましょう。

Bに働く力のうち、x軸方向の成分を持つのはFcと-fだけなので、合力はx軸の正の向きに Fc-f

∴運動方程式は
M・α=Fc-f   式(ア)

Aについて。
Aが受ける力はA自身の重力mg
Bからの垂直抗力NB(これは、NBと、作用反作用の関係にある力だからNBとして良いですね)
Bから受ける静止摩擦力f(これも、Bに働く静止摩擦力と、作用反作用の関係にある力だからfとして良いです)。

Aの加速度は、x軸の正の向きに、大きさα(AはBと一緒に動くのですから、Aの加速度はBと同じ大きさと向きになっているはずですね)。

Aにはたらく力のうち、x軸方向成分をもつのはfだけなので、x軸方向の合力=f

∴運動方程式は
m・α=f  式(イ)

(ア),(イ)を連立方程式として解きます。(ア)+(イ)とすると、簡単に解けて
α=…
f=…・Fc

板Aが板Bから受ける、x軸方向の力とは、静止摩擦力fのことにほかならないですね。

(2)Aが「滑り出そうとする瞬間」。これは、Aに作用している静止摩擦力が、最大摩擦力 μ0・NB になったことを意味しています。
ちなみに、静止摩擦力が「公式」で表されるのは、この、最大摩擦力になった場合だけなのです。
他の力は(1)のときと全く同じなので、加速度をα'としますと
M・α'=FC-μ0・NB
m・α'=μ0・NB
ところで、Aについてみますと、x軸と垂直な方向(y軸方向とする)には運動していないので、y軸方向では力が釣り合っていることを思い出すと
NB=mg
という関係が認められます。これを使うと、上の2式は
M・α'=FC-μ0・mg
m・α'=μ0・mg
となるので、
α'=…
FC=…

Aが受ける、Bからの力のx方向成分(f')は、…

(3)A,Bは互いに μNB の大きさの動摩擦力を受けることになります。
(2)で考えた最大摩擦力を μ・NB に変更し
A,Bの加速度をx軸方向にそれぞれα,βとして立式すれば良いですね。

M・β=F-μNB=F-μ・mg
なぜなら、NBは一貫して mgと釣り合いの関係にある力であり続けているからです。
m・α=μ・mg

Aは加速度α、初速度0の運動をしますが、Bはこの間、初速度0、加速度βで運動しています。問題の時刻までだと
Aが進行する距離(Aの変位)=(1/2)α・t^2
Bが進行する距離(Bの変位)=(1/2)β・t^2
A,Bの左端が一致するまでの時間と解釈して良いはずですから
(1/2)β・t^2=(1/2)α・t^2+L
これを解いて t=…

(別解)Bから見ると、Aは、α-βの加速度で運動しているものように見えます。(相対速度と同じように、相対加速度というものも考えて良いのです)
Aはこの加速度で、「後退」して、Bの左端に達したとみることができるわけですね。Aの、Bに対する初速度は0ですから
-L=(1/2)・(α-β)・t^2
これを解いて
t=…
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この回答へのお礼

詳しい解説をつけていただきありがとうございます。
とても参考になりました。
あと、前の質問の回答者さんにもお礼を言わずにベストアンサー押してしまいました。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/10/03 21:12

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