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バイポーラトランジスタのベースエミッタ間電圧を表す式として

Vbe=Vt*ln(Ic/Is) ・・・(1)

が知られていますが、

Vbe=Vt*ln(Ie/Is) ・・・(2)

という表現の場合もあります(Ic:コレクタ電流 Ie:エミッタ電流)


これは、ベースエミッタ間のPN接合を流れる電流はIcではなくIeなので、

本当は(2)が正しいが、回路設計上はコレクタ電流を決定することが多いので、

hFEは十分高いものとして実用上(1)が一般的に用いられていると理解しています。

私の理解は間違っていますか??

(飽和領域でhFEが低下してくると、(1)と(2)の差が無視できなくなってくるのですが、

このあたりを明確に説明する文章が見つからず、悶々としております。)

A 回答 (1件)

バイポーラトランジスタは、PN接合ダイオードが2つつなぎ合わされたものと見ることができます。


質問の式は、PN接合ダイオードのIV特性を示すショックレーの式(3)から、エミッタ電流が全てコレクタに流れると近似して導出されます。

  I = Is (exp(qV/kT)-1)
   = Is (exp(V/Vt)-1)・・・(3)

ここで、qは電子の電荷、kはボルツマン定数、Tは絶対温度であり、Isは逆バイアスを加えたときの飽和電流です。
Vt=kT/qは温度電圧と呼ばれ、温度Tに於ける熱エネルギーを電子ポルト(eV)で表したものであり、室温(300K=27℃)では約25mVに相当します。
従ってエミッタ電圧Vbeが25mVより十分大きいときは、(3)式は次のように簡略化されます。

  I = Is・exp(vbe/vt)

この両辺をIsで割って対数をとることにより、(1)(2)式が導出されます。

この式は、最初に書いたように、エミッタ電流が全てコレクタに流れると近似していますが、実際はベース電流も流れます。
具体的にnpnトランジスタを例にとると、ベースーコレクタ間は逆バイアスなのでほとんど電流は流れませんが、エミッタ側は順バイアスなので、ベースに注入された正孔はエミッタ側に流れ、またエミッタから注入された電子の一部と再結合して消滅させます。
この2つの成分がベース電流Ibとなります。
従って、エミッタで観測される電流Ieは、コレクタから流れ出す電子電流Icと、ベースから注入される正孔電流Ibを足し合わせたものとなります。

  Ie = Ib+Ic

よって、原理的には(2)式が正しいといえるでしょう。

しかし、IsはあくまでPN接合ダイオードを逆バイアスしたときの飽和電流ですが、バイポーラトランジスタのベースーエミッタ間の飽和電流をどうやって求めるのでしょう?
私はやったことがないので知りませんが、ベースを逆バイアスすると壊れてしまうので、実際は順バイアス状態でフィッティングするものと思います。
このとき観測するのがコレクタ電流なら(1)式で、エミッタ電流なら(2)式を使うのが順当でしょう。
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この回答へのお礼

sekikumaさん、丁寧な解説ありがとうございました。

やっぱり(2)式が正しいですよね。

Isは大体値が小さすぎて、測定しても正確には測れそうにないですし・・
フィッティングなんでしょうね~。


どうも、ありがとうございました。

お礼日時:2011/11/20 12:03

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