No.3ベストアンサー
- 回答日時:
恐らく以下のHPなどが広く流布しているんでしょうが。
http://www.enecho.meti.go.jp/rw/hlw/qa/syo/syo03 …
□
そうですね、上の資料でいくとNo1さんの仰る通りに、封入直後は2300Wほどの熱を発生しますが、表面積が1.7~2平方メートル程ありますので、即ガラスを溶かすほどではないです。
現在のところの実績では、作成直後のキャニスター表面温度は、無冷却で200~250℃ってところですから、作成直後のガラス固化体でも溶解はしません。(よっぽど特殊な技術で断熱すれば別ですが。)
□
ちと蛇足を。
全てが熱になるわけではないです。
放射線も熱も同じエネルギーですから、一部は放射線として放出されます。(極微量ですが)
ガラス固化体といっても、放射性物質を中に入れたガラス瓶みたいなものではありません。
放射性物質とガラスを混ぜて固めた物がガラス固化体で、ガラス固化体はステンレス製の容器(キャニスター)に納められます。
ガラスと混ぜるのは、ガラス分子の間に放射性物質を分子レベルで拡散させる、そうすると万が一にもキャニスターが破れてガラス固化体がむき出しになっても、放射性物質が漏洩しないだろうという狙いです。
冷却は空気を用います。
最初の30年~50年程度は比較的温度が高い、といっても30年後で50~60℃、50年貯蔵すると40℃以下になりますが、そこまでは中間貯蔵施設で保管し、施設内部にファンで空気を送り込んで冷やします。
これを「強制通風による冷却」といい、この段階が中間保存(中間保管、中間貯蔵)になります。
その程度まで冷えれば地中に埋めて、吸気口と排気口を通しておきます。
こうすると、あったかい空気の上昇力によって内部が大気圧より低くなるために自然に吸気口から冷たい空気が入り、冷却が行われます。
これを「自然通風による冷却」といい、この段階を最終処分と言います。
熱が出るのは、No2さんが仰る通りに放射性物質が(熱と放射線を出して)他の元素に変化するから。
半減期の短い物ほど、この変化(崩壊)が激しく起こりますので、熱も多く出る。
極端に言うと、半減期が思い切り長いプルトニウムなどは、時間当たりの熱と放射線の放出量は少ないってことになります。
固化体の中には、コバルト60(半減期約5年)やセシウム137(半減期30年)、ストロンチウム90(半減期29年)が多く含まれるので、これらが十分に分解する(熱が出来る)まで保存することになる、それが大体30~50年となるんです。
キャニスターの真横に行くと。
冒頭の資料では「20秒で即死」とありますけど、実際の中間貯蔵施設ではキャニスターの本数も多いので殆どの生物が数秒で死んでしまいます。(中にはクモもゴキブリも居ません。)
No.2
- 回答日時:
熱がガラス固形物の外に逃げて行く速度よりも、熱が生じる速度の方が速ければ、温度は上昇して行きますが、逆に、熱が生じるよりも、速度熱が外に逃げて行く速度方が速ければ、温度は低下して行きます。
放射性物質の原子核は、高いエネルギーを持っているために、不安定な原子核となっています。
そのため、放射性物質の原子核は、放射線を出す事によってエネルギーを放出し、安定な原子核に変わろうとします。
つまり、放射性物質の原子核は、放射線を出しますと、別の物質の原子核に変化します。
放射性物質の種類によって、放射線を出さない物質に変わるものもあれば、別の放射性物質となる場合もありますが、何万年、何億年という長い年月の後には、最終的にはエネルギーを全て放出し切る事で、殆ど全てが放射線を出さない物質に代って行きます。
放射線を出す事によって、放射性物質の一部が放射線を出さない物質に変化して行くのですから、放射線の強さは時間とともに少しずつ減って行きます。
ガラス固化物の温度は、放射線が強い間は、冷却せずに放っておけば、最初の内は上昇し続けて、下手をしますとガラスが融ける程の高温となる恐れもありますが、高温にならない様に水で冷やすなどして、きちんと温度管理しながら保管される筈です。(放射性廃棄物をガラスに溶かし込む際には、ガラスを高温で融かす必要がありますから、出来立てのガラス固化物は、放射線とは関係なしに高温になっていますが)
そして、放射線の強さが充分に弱くなれば、わざわざ冷却しなくとも、温度があまり髙くはならなくなり、ある程度安全に保管出来るようになります。
この回答へのお礼
お礼日時:2012/01/02 06:26
ありがとうございます。
やはり熱が出るものなんですね。
熱が出るものを、50年も冷やし続けないといけないのは、
ずいぶん手間やエネルギーが必要なことですね。
No.1
- 回答日時:
> エネルギーはすべて、最終的に熱になることを考えると、
> このガラス固形物もだんだん熱くなるのですか?
・はい。
もちろん。
その発熱量は、ガラス固形体(直径43cm、高さ134cm、重さ500kg)で1Lの水を2~3分で湧かす熱量です。
この熱量は約2300Wです。
ガラス固形体1本に付きカセットボンベコンロを最大出力で燃焼させる熱量になります。
因みに、原発の使用済み核燃料は原発の燃料プールで4年ほど冷却されてからガラス固形体に封入されます。
その後、約50年間ほど発熱し続けます。
冷却が必要なくなるには50年以上必要になります。
最終処分場は、このガラス固形体を大集合させる設備です。
従って、最終処分場は冷凍マグロ倉庫のような強力な冷却設備で、24時間冷却する必要があります。
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