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発煙硝酸についてお伺いしたいのですが、あるテキストには、「硝酸の濃度を98~99%にしたもの(希釈したもの)」とあり、また、別のテキストには「濃硝酸に二酸化窒素、四酸化二窒素を溶かしたもの」とありました。どちらが正しいのでしょうか?

A 回答 (3件)

市販の濃硝酸の濃度は約70%です。


辞典には69.08%と載っています。比重は1.42、沸点123℃の共沸混合物です。
濃硝酸は純硝酸を薄めて作っているのではありません。水にNO2を溶かして作ります。濃度は共沸混合物の濃度から決まっているものです。これ以上の濃度のものが必要であれば加圧して吹き込むよりほかに仕方がありません。栓を開ければ吹き込んだNO2が出てきます。発煙硝酸です。これは「硝酸の製法」で調べて貰えば直ぐに分かることです。高校の化学の教科書でも出てくる内容です。NO→NO2→HNO3という道筋で作られるのです。濃硝酸は無色の液体ですが発煙硝酸は赤褐色の透明な液体だそうです。純硝酸の含まれている割合は86%以上であると書かれています。でも98%まで持って行くのはは難しいのではないでしょうか。これはNO2を水に溶かして作るということからくる制約でしょう。(3NO2+H2O→2HNO3+NO)
「純硝酸は濃硝酸に濃硫酸を加えて減圧蒸留をすることによって得られる」と書かれています。製法を変えて特別に作らなければ手に入らないものにわざわざ水を加えるなんてことはやらないだろうというのは直ぐに分かることではないでしょうか。(水酸化ナトリウムと塩酸が反応すると食塩が取れるというのを食塩の製法だと考えている高校生がいますがそのレベルのもののような感じがします。水酸化ナトリウムも塩酸も食塩から苦労して作ったものだということが分かっていないのです。)

質問の内容からは少し外れますが同じような事情ですので硫酸についても書かせてもらいます。
市販の濃硫酸の濃度は約96~98%です。純硫酸を薄めて作っているのではありません。SO2→SO3→H2SO4という道筋をたどって作られます。SO3を水に溶かします。濃度は共沸混合物の濃度が98.6%であるということから決まっているものです。純硫酸を加熱するとSO3を出して分解し、共沸混合物の濃度に近づいくそうです。その時、沸点も338℃まで上昇するそうです。

発煙硫酸は濃硫酸にSO3を過剰に溶かすことで得ることができます。SO3の蒸気が空気中の水分と合わさって白い煙に見えるということから「発煙」という名目が付いています。
もう水は残っておらずH2SO4もH2S2O7に変わってしまっていると書かれています。SO3の含量が多くなる(60%程度)と常温で固体になるということですから発煙硝酸とはかなり事情が異なります。
※水のない状態になってしまっているということからでしょうが「純硫酸にSO3を溶かしたもの」と書かれているものもあります。
※H2O-SO3系にはH2S2O7,H2SO4,H2SO4-H2O,H2SO4-2H2O,H2SO4-4H2Oなどがあるようです。ややこしいです。 
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この回答へのお礼

そうですね。「製法を変えて特別に作らなければ手に入らないものにわざわざ水を加えるなんてことはやらないだろう」というのは、ごもっともです。これで、確実にわかりました。実に詳細な御説明のほか、硫酸まで解説いただき、まことにありがとうございました。大変、参考になりました。

お礼日時:2012/01/12 15:22

どちらも間違っているとか正しいとは断言し難いのですが、違和感を感じます。



純硝酸、発煙硝酸、濃硝酸が有りますが、
純硝酸は製造保管が難しく、入手困難で流通もしていません。

「その(超高価な)純硝酸に純水(という汚染物?)を1~2%加え希釈した」これはNGです。
試薬瓶の蓋を開けると出てくるあの毒々しい煙。これが希釈かよ?!と言いたくなります。

発煙硝酸はその製造過程からは「濃硝酸に二酸化窒素、四酸化二窒素を溶かしたもの」では
有りますが、より現実的には「濃硝酸に加圧下で二酸化窒素を飽和状態まで溶かしたもの」が
より適切な表現だと思います。
四酸化二窒素と二酸化窒素の間には解離平衡が成立しているからです。
http://kikenbutsu.main.jp/o64.html

発煙硝酸の製造とその性状を考えると、後者の表現がベターとは思います。

ただ何となく水にNO2泡をぼこぼこと吹き込むチープな感じで、試薬瓶からの煙(NO2)だけで
たちどころに火傷した経験が有る身としてはとても違和感の有る記述です。
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この回答へのお礼

そうなんですか。ずいぶん、複雑な過程を経ているんですね。これで、「硝酸の濃度を98~99%にしたもの」が誤っているというのがわかりました。ありがとうございました。

お礼日時:2012/01/12 15:17

wikiにあるように、↓


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%9D%E9%85%B8
市販の濃硝酸の濃度は60%(d = 1.360 g cm^-3, 13.0 mol dm^-3)ないし70%(d = 1.406 g cm^-3, 15.6 mol dm^-3)の水溶液です。

ですから、
>硝酸の濃度を98~99%にしたもの(希釈したもの)

の「希釈したもの」という表現は誤解を招くものだといえます。

もちろん「純硝酸」は1.5129 g cm^-3ですから、濃硝酸はかなり希釈してあると言えるでしょう。

しかし実際のところ「純硝酸」は入手できません。なぜなら気体と水との混合物と硝酸の間に平衡があるからです。
ですので、純硝酸の代わりに発煙硝酸を用いることになります。
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この回答へのお礼

やはり、「希釈したもの」だけでは不適切なのですね。ありがとうございました。参考になりました。

お礼日時:2012/01/12 15:11

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