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寒い中、水の中でカモなどは浮いておりますが、
鳥類は恒温動物なので体温保持が必要ですよね?
なぜ体温の奪われやすい水につかっているのでしょうか?
天敵から身を守ると考えて、木などにとまっている方がエネルギー的には良いのではないでしょうか?
そもそもなぜ、もっと温かい方へと渡っていかないのでしょうか?

A 回答 (4件)

 No.2のJagar39です。

ちょっと補足を。

 カモの足の「熱交換器」の話が出ましたが、このようなものは寒冷地適応をしている動物にはかなり広く見られます。(ヒトにもあります)
 要するに、冷えやすい末端の手前で動脈と静脈を隣接させることによって、「末端で冷えた静脈血を心臓から出てきたばかりの暖かい動脈血で温める」システムです。
 これを対向流熱交換系などと言ったりします。併走する動脈と静脈が対向する(血液が流れる方向が逆になる)のがミソです。対向流の方が熱交換効率が良いのです。

 でも、それは「足(末端)の凍傷を防止する」ためではありません。
 末端の凍傷を防止するためであれば、これから末端に向かう暖かい血液をわざわざ冷やすのは意味がありませんよね。

 これは「体温低下を防止するため」です。
 足に限らず、低温中に露出する「末端」は非常に熱を奪われやすい部位です。
 ここに暖かい血液を送り込んでも奪われる熱の量が大きくなるだけなので、動脈血の熱を冷やされた静脈血に移しておく方が、「奪われる熱量」は少なくて済む、というわけです。

 なのでこれは足という末端を温度低下から守るためのシステムではなく、「足が冷やされることによって体全体が冷やされることを防止するシステム」なのです。

 足の凍傷防止のためのシステムはこれとは別にあり、なるべく表面積を少なくする構造とか、凍傷になりにくい組織で足を作る、筋肉ではなしに腱主体で足を動かすシステムにする、等です。鳥類は全般的にそうなってますけど。

 あと、エネルギー効率の話ですが、木に留まるより水に浮かぶ方がエネルギーのロスは少ないのでは?
 木に留まるには、その位置まで飛ばなければなりませんし、木を掴んで立位を保持するのにも相応のエネルギーが必要です。ですが水に浮かぶだけならエネルギーはほとんど必要ありませんよね。実際は水中でかなり激しく足をバタバタさせている場合が多いので、相応のエネルギーは消費してはいますが。
 断熱システムや保温システムさえしっかりしていれば、木に留まるより水に浮かぶ方がエネルギーの消費は少ないと思いますよ。

 水鳥の羽毛は保温のための装備だけでなく、極めて強力な防水装備でもあります。
 先の回答にも書きましたが、消毒薬に漬け込んだカモを解剖するため、メスで切っていっても、体表からほんの数mm内側は濡れるどころか湿ってすらいませんでした。その羽毛層が胸の付近では数cmもあるので、断熱性能もさることながら防水性能もほとんど完全防水と言って良いくらいです。

 余談ですが、その羽毛層でメスの刃が通らないので、直接メスで切るのは諦めてまず羽毛をむしることにしたのですが、むしった直後はほんの一掴みほどの分量だった羽毛が、解剖を始めてふと気づくと一抱えほどにも膨らんでいました。
 衣類の保温材では、単位重量当たりの保温性能でダウンを超えるモノはありませんからね・・・
 一瞬、解剖を忘れてダウンの処理方法を調べようかと思いました。カモの解剖が数羽入ればダウンジャケットが作れる、と思ってしまったので。
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 素人なのですが、動物系雑学はそれなりに



> なぜ体温の奪われやすい水につかっているのでしょうか?

 水鳥と言われる鳥は、足の、人間で言えば太ももあたりに強制熱交換機がついているそうです。

 心臓から出ていった温かい血はその部分で温度を下げて(足から上がってきた冷たい血を暖めて)足へ流れていきます。

 足に酸素や栄養を与え終わった血(冷たい)は、その交換機で温まって、心臓へ戻っていきます。

 故に、「水鳥の足は凍傷にならない」という説明ですね。

 測ったことはないですが、たぶん、白鳥の足は冷たいはずです。


> 天敵から身を守ると考えて、木などにとまっている方が

 比較した本を読んだことはありませんが、エネルギー的にはおっしゃる通りだと思います。

 ただ、天敵から自分を守るには水面に留まるのが一番だと思います。

 木の上だと、そこには獣はいますし、蛇もいます。オオタカのように、樹間を自由に飛び回る鳥もいます。

 水面にいれば獣は来ませんし、万一泳いで来ても、水音で気がつきます。静かに泳いで襲ってくる蛇も冬場は冬眠します。

 猛禽類は、オオタカは例外ですが、水面に激突するのを恐れて襲いません。

 もちろん、魚を捕る猛禽類はいますが、捕るのは魚です。小さな鳥は捕るかもしれませんが、ほとんどの水鳥を捕ることはありません。

 オオタカは、上空からカモなどかなり大きい水鳥を襲って、水に沈めて溺死させ、陸まで持って行って(オオタカはバタフライ方式で泳ぐ)悠々と食べますが、それでも大型のものは襲いません。

 (最近、オオタカはカラスを水場の上まで誘い出して襲い、溺死させて、食べているようです → NHKダーウィンが来た)


> そもそもなぜ、もっと温かい方へと渡っていかないのでしょうか

 羽根の断熱性能がよすぎて、温かい地方の気温が、温かい所へ行かない水鳥にとっては「暑すぎる」からでしょうね。

 あるいは、ご先祖様は行ってみたものの、好きな食べ物がなかったのかな。

 なんで、1度も行ったことがない場所が暑いとか、食べ物がないと判るのか、というと、渡り鳥は基本的に誰かに着いていきます。

 誰かがどこかに迷い込んでそこへ行き、たいへんよい環境であると認識すると、ツギの季節には確信をもってそこを目指しますので、自信がない鳥はくっついて行きます。

 そんなふうにして、飛来地は限定されてくるように見えますね。

 川内の鶴なんて、すさまじい。
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 何年か前、カモの解剖をしたことがあります。

(私は獣医師です)

 カモの全身を消毒薬が入ったバケツに沈めて解剖を始めたのですが、分厚い羽毛層に阻まれて、体表(皮膚面)はまったく濡れていませんでした。全身ほぼ完全防水状態ですよ。

 その羽毛を作るためにはエネルギーは必要ですが、他の鳥類と比較して特に体温調節のためにエネルギーを必要とするわけではなさそうです。水温は0℃以下にはなりませんから、体温調節に要するエネルギー的には木に留まっている鳥よりむしろ有利かもしれません。
 捕食動物も、水上には「獣」はいませんし猛禽類も水上の鳥は非常に襲いにくいですから、水上生活というのはかなり「有望な生活場所」なのでしょう。
 これはツルや白鳥などの大型の水鳥も同じなので、「水上で生活し、水中の魚を捕って食べる」生き方をする鳥類は非常に種の数も個体数も多いです。

 水鳥が寒冷地に多く温暖地に少ないのは、水鳥として生きるための「防水装備(羽毛層)」は、温暖地では逆に暑すぎるからではないでしょうか。羽毛層を薄くしたりして暑さに対応すると防水性能が落ちてしまいますから。

 暖かい地域で木に留まって生活する鳥はたくさんいますから、水鳥がそこに進出しようとすると激しい生存競争に巻き込まれてしまいます。そこで生き残れるか、自分が生きる場所を見つけることができるかどうか判りません。というよりその見込みは非常に小さいです。「温暖地で木に留まって木の葉や木に付く虫などを食べて生きている」鳥はたくさんいて、彼らは既にそのために有利な装備を持っていますから。
 水鳥がそこに割り込もうとしても、最初は中途半端な装備しか持てないので、どうしたって割り込める可能性は低いです。

 同じことは逆でも言えて、温暖地の鳥が寒冷地の水辺に進出したくても、中途半端な装備では太刀打ちできずに絶滅してしまうでしょう。
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鶴やフラミンゴなどの大型水鳥を除く,という事で考えれば


食料が水中にあるのでいつでも食べる事が出来る。
体毛は水をはじくように出来ていて,それほど熱を奪われない。
飛ぶのがそれほど速くないので,猛禽類に襲われたら逃げ切れない。
陸上の方が危険度は増す。水上なら,潜って逃げる事が出来る。
というか,木にとまれる足の形をしていない。
エネルギーを節約しても命が無くなれば意味が無い。

日本でも十分に暖かいと感じている。
あまり暖かいと,天敵や同じ食料を食べる競争相手が増えてしまう。
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