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フロイトの本能ではなく、エソロジーにおける本能行動について質問です。

ある概説書には、本能行動は生得的行動の下位概念として説明されていました。
しかし、心理学辞典には、生得的行動と本能行動を明確に区別して説明されていないように感じます。

本能行動について説明する際には、生得的行動と同義の言葉として扱って良いでしょうか?
例えば、「生得的行動は、遺伝情報に強く支配され、外部環境からの影響をほとんど受けることなく発現する行動である。」とありますが、定義の段階では、「本能行動は、遺伝情報に強く支配(以下略)」と書いても間違いではないでしょうか?

A 回答 (1件)

こんにちは。


生得的行動とは「遺伝的性質に基づき、習得的な影響を受けない行動」ということであり、本能行動とほぼ同義で扱われます。反意語は「習得的行動」であり、英語では全てInnnate behaviorで、本能行動という単語は特にありません。
本能行動に対してはしばしば「学習行動」という概念が用いられ、生理学的には前者が「無条件反射」、後者が「条件反射」という位置付けになります。

本能行動が下位概念というのは恐らくですが、生得的行動の中には他に「反射」や「走性」といったものが含まれ、ここでは本能行動をそれらと分けて扱っているからだと思います。
行動といいますのは「複数の反応が組み合わされた運動」と定義されますので、生物学では単独の反射は通常、行動とは呼びません。ですが、これが運動に結び付く反射であるならば、ちょっと微妙ですが、結果的にはそれも生得的行動ということになってしまいます。従いましてこの場合は、本能行動とは「遺伝的に定められた反応によって構成される生得的行動」ということになると思います。

遺伝的に定められた反応といいますのは基本的には全人類に共通であり、生後環境が個人差に反映されるのは学習行動の方です。ですから、その辺りが区別できるならば心理学では生得的と本能的は別に同義でも構わないのではないでしょうか。
では、果たして最も重要なのは、生得的というのは環境の影響を受けないことではなく、後天的な要素を含まないということであり、この点においては本能行動も全く同じです。動物行動学では鳥類などのインプリンティングを「プログラム学習」として扱っています。プログラムそのものは生得的なのですが、これによって獲得されるのが条件反射であるため、インプリンティングは後天的な習得行動として分類されます。
二つは同義でも構わないと思いますが、用語として正しく解釈するならば、一応このようなことは指摘されるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。
反射や走性も遺伝的なものなのでしょうか?
そうであるならば、本能行動について説明するときは、念のため反射や走性と区別していることを明記して説明することにします。


ところでインプリンティングですが、これが獲得的行動であることがしっくりきません。
プログラムそのものが生得的なのは分かりました。
しかし、インプリンティングによって獲得されるのが「条件反射」・・・?
接近・追従する対象が様々だからですか?

仮にインプリンティングが「動くもの」ではなく「母親だけ」に限定されるものだったならば、インプリンティングは本能行動として扱われたのでしょうか?

お礼日時:2012/03/30 03:06

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