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ギリシャの債務危機に代表されるEU域内の経済的諸問題に就いて、連日紙面を賑わしておりますが、ギリシャの緊縮財政受け入れ、そしてその反対給付であろう独仏を中心にしたEUの財政支援のみでは解決しない、即ちユーロという共通通貨が有する潜在的な問題点が改善されない限り、未来永劫に付き纏う問題であると常々感じております。

独仏=善・ギリシャ=悪という図式が支配的ですが、一方に於いては経済危機に於ける緊縮政策が、本来取られるべき財政政策ではない事、即ち独仏主導に依る誤った政策の押し付けである点を指摘する向きも少なくない。

依って潜在的な諸問題が未解決のままでは、中国以上の規模と可能性に於いて、EUが世界同時不況の導火線の位置にあり続けると考えます。

今更ながらですが、ユーロという共通通貨を有するEU経済最大の特徴は、加盟各国の経済状況が相違するにも関わらず、金融政策が基本1つしかない点にある訳で、経済危機に至った際の金融政策の自由度が低い為、財政政策もしくは他国の支援でしか対応不可能という、選択肢の少なさが最大の弱点であろうかと。

弾力性の無い共通の金融政策と各国個別の経済事情及びそこに立脚する財政政策という、恐らくは矛盾するであろう2つの事象の整合性をどう取るか、ユーロの将来はこの1点に掛かっているものと個人的には考えます。

以上に関する皆様の卓説を御教示頂きたい、且つ私の認識に誤りがあればその指摘も併わせて御願い致します。

A 回答 (4件)

欧州共通国債などが検討されており、そちらの方向で進んで行くことになるのではないでしょうか。



これまで主流の経済論による緊縮財政を中心とした政策ではEUに先はありません。デフレの泥沼から何らかのタイミングで恐慌入りです。
一方、ギリシャが突如としてデフォルト化すればリーマン・ショック以上の金融危機へ一気に陥ります。
リーマン破綻で米国は恐慌直前のところまで行きギリギリのところで何とか食い止めましたが、現在のEUでは統合が不十分であり米国のような多弾頭保護政策対応も行えないでしょう。

こうなってくると、混乱の中でソフトランディングするしかありません。かつての日本と同様に積極財政推進派 VS 緊縮財政推進派 を今後20年ぐらい続けることになり、その中で欧州共通国債だけが唯一のアメとして機能し、その額だけが膨らんで行くなかで統合されてゆくという流れではないでしょうか。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>これまで主流の経済論による緊縮財政を中心とした政策ではEUに先はありません。デフレの泥沼から何らかのタイミングで恐慌入りです。

全く同感ですが、この点はまさに日本経済の現状に置き換えられるのでしょう。
まだ若干の余力を残している日本と、ほぼ財政政策の選択肢が限られたギリシャを同列に論じる事は出来ませんが、現状野田政権が志向している増税・緊縮財政路線のみでは、デフレの助長と先細り感は否めません。

であるから余計にギリシャ問題を他山の石とせず、有効な景気浮揚対策・社会保障の担保他、考えられる全ての策を講じて、国内需要をドラスティックに喚起する必要があるのですが。
全く民主党政権は何を考えているのやら、私の様な凡人には全く理解出来ません。

>現在のEUでは統合が不十分であり米国のような多弾頭保護政策対応も行えないでしょう。

深刻な不況に於いて通常の国家であれば、金融と財政という2種類の経済政策で対応可能ですが、EUは金融政策での縛りがある為、余計に選択肢が限られてしまう。
或いは将来に於いて、共産主義と並び歴史上の反面教師として語られる日が来るかも知れませんね。

>欧州共通国債だけが唯一のアメとして機能し、その額だけが膨らんで行くなかで統合されてゆくという流れではないでしょうか。

ユーロ共通債の発行に関しては、現状EU域内の経済崩壊を食い止める為に必要不可欠な方策の1つとして論じられておりますが、経済が堅調である国家・恐らくドイツ辺りを筆頭に反対意見が続出し、EU全域での導入には、高い障壁が聳え立つものと思われます。

お礼日時:2012/05/27 07:10

>大変失礼だが、仰られる事に矛盾が存在します。



ご質問者様のご懸念はまさしくその通りです。
返信の内容は時折私もここで回答しているので、あるいはご存じかもしれません。
私はそれを金融爆弾という形で、金融面から指摘しております。

そして本回答はそれよりも長期的視点に立った実経済からみた回答になっています。
緊密が故に脆いというのはアジア通貨危機から発生したロシアのデフォルトの件が念頭にあると思われますが、
しかし、実体経済でのロシアやアルゼンチンの復活は非常に早いものがありました。
前者では質問者様の緊密な関係の危険性が具現化され、後者では私の見通しの正しさを示しています。

ところが現在、仰る通りに世界で牽引役が新興国に移っていて、当面は主たる牽引役を見つけられません。
これをもってしてユーロは長期的に下がり、域外への輸出は恩恵を受けますが、
一方で一般庶民はインフレを甘受するしかない状態に追い込まれるでしょう。

そして最後にはG20なりで通貨改革が行われ、EUや日本の債務問題は霧散するやもと思っています。
金融の世界は人間が作りだした虚像とも言えるので、乱暴に言えば実は何とでもなるのです。

>私としては、是非後段の御意見を披露して頂きたいと思いますが。

実は質問者様が返信の中で一部主張していらっしゃいます。
ですが、これを書いて過去に脅かされたことがあります。
ここの回答者でも信用ならないと激しく糾弾している方もいらっしゃいます。

私もこういう公の掲示板では相応しくない内容なのかと考えており、今回は見送らせて下さい。
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この回答へのお礼

再度の回答ありがとうございます。

>実体経済でのロシアやアルゼンチンの復活は非常に早いものがありました。
>前者では質問者様の緊密な関係の危険性が具現化され、後者では私の見通しの正しさを示しています。

そこなんですよね、1998年・2002年共にデフォルトを宣言したロシア・アルゼンチン両国の経済は、当然の事ながら一時落ち込みはしたが、その後V字回復と形容するに相応しい経済成長を遂げ、且つ外国からの投資もそこそこ堅調、「デフォルト⇒恐怖」というテーゼを再考させられるに足るのが現状です。

尚これは全くの推測なのですが、ギリシャは既述両例を参考に、消費体力と意欲を温存したままEUへの決別とデフォルトを宣言、国家間債務の免責・民間債務を含めた繰り延べ返済(リスケ)、その辺りを志向しているのではないでしょうか?

>これをもってしてユーロは長期的に下がり、域外への輸出は恩恵を受けますが、一方で一般庶民はインフレを甘受するしかない状態に追い込まれるでしょう。

仮にギリシャがEUを離脱し、且つその後の経済回復がそれなりに堅調であれば、多大な債務に苦しむEU加盟国の中から、追随する国家が幾つか出てくるものと考えます。

ユーロ安・低いECB(欧州中央銀行)の政策金利が齎した最大の受益国はドイツであり、現状EU域内はドイツの一人勝ちと申し上げても過言ではない、一方でさしたる輸出産業を持たない多くの小国は、EUに依る財政支援以外にユーロという共通通貨の恩恵に何等与っていない訳で、EUへは留まるが通貨は共有しないという、イギリス型の加盟形態を志向する国家をも含め、多様な方向性を模索するのではないでしょうか。

>そして最後にはG20なりで通貨改革が行われ、EUや日本の債務問題は霧散するやもと思っています。
>金融の世界は人間が作りだした虚像とも言えるので、乱暴に言えば実は何とでもなるのです。

この点はどうでしょう、EUはともかく我が国はその殆んどが国内債務と申し上げても宜しいかと、依って国際金融面でのマジックはさほど影響しないものと思われますが。

>私もこういう公の掲示板では相応しくない内容なのかと考えており、今回は見送らせて下さい。

或る程度の推測は出来ますが、敢えて触れないでおきましょう。

お礼日時:2012/05/28 19:19

質問者さんが勘違いしておられるのは、いつまでも欧米が世界の中心地だという認識です。


危機は確かに世界経済を麻痺し続けますが、その中で人の営みは続いていくのです。

これだけ世界経済が緊密に結ばれ、自国に足りない物資は1週間もすれば調達される時代です。
別に欧州が危機のまま100年過ぎようが、他の経済圏はしっかりと成長できます。
一度は全世界が大きなリセッションを迎えるかもしれませんが、その可能性は他地域次第でしょう。
今のところ欧州だけが沈没するか、世界の火薬庫になるかは五分五分です。

私が言いたいのはインターネットの発達などによって世界経済が密接に連携されている点です。
通信網の発達が大きいのですが、世界的な危機に対してはかなり強固になっています。
弾力性の無い金融政策と書かれていますが、欧州はそうでしょう。
しかし、私は上記の理由ゆえに世界経済は弾力性が強いとみるのです。

質問者様には言う必要がないかもしれませんが、これは歴史の中の1ページです。
ルネサンス(13世紀)以降、世界史の主役は常に欧米でした。
しかし、それ以前はアジアだった筈です。いや18世紀まではGDPでもアジアが上でした。
そのアジア回帰の流れが始まっているのだと思います。勿論、南米も成長するでしょう。
欧州が停滞している間に全世界の生活レベルが向上してくるという認識でいいのではないでしょうか。

この先がありますが、これを書くと何故か絡んで来る人がいるので、ここまでにします。
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この回答へのお礼

興味深い回答を頂きまして、感謝致します。

>質問者さんが勘違いしておられるのは、いつまでも欧米が世界の中心地だという認識です。

世界経済に於いて、購買力平価ベースでのGDP占有率60%前後を有する欧米が、世界の中心という現状は否定出来ない事実であると考えます、但し回答者様が仰る通り、その先の事は分かりませんが。

>これだけ世界経済が緊密に結ばれ、自国に足りない物資は1週間もすれば調達される時代です。
>別に欧州が危機のまま100年過ぎようが、他の経済圏はしっかりと成長できます。

大変失礼だが、仰られる事に矛盾が存在します。
「世界経済が緊密に結ばれ」というのはその通り、依ってEUの経済危機が長引く事は看過出来ない事象であり、その影響は先ず中国に飛び火、且つその余波は北米その他の地域に波及し、日本もその埒外にいる事は不可能でしょう。

即ちギリシャの破綻はバルカン半島の一小国に留まらず、世界同時不況の引き金となる可能性を包含する、依って独仏を中心としたEUがギリシャを、そしてその他地域の主要先進国がEUに対する物理的・心情的支援を惜しまないという、果てしない連鎖が生まれるものであると考えます。

>質問者様には言う必要がないかもしれませんが、これは歴史の中の1ページです。

この点は非常に興味深い、長らく続いた白人主導構造崩壊の端緒と成り得る事象かも知れない。
少なくとも将来に於いて、EUが共産主義と並び、人類が残した壮大な歴史的失敗例として語られる可能性は否定出来ません。

一方英国は、近い将来に於けるEUの瓦解を想定して、既に行動を開始していると言われております。

>そのアジア回帰の流れが始まっているのだと思います。勿論、南米も成長するでしょう。
>欧州が停滞している間に全世界の生活レベルが向上してくるという認識でいいのではないでしょうか。

個人的には、その方向性を期待します。

>この先がありますが、これを書くと何故か絡んで来る人がいるので、ここまでにします。

私としては、是非後段の御意見を披露して頂きたいと思いますが。

お礼日時:2012/05/27 09:03

おっしゃられる通りの議論がよく聞かれます:


(1) 各国が自国通貨を持てば為替変動を通しての国と国の間の調整が可能だが、共通のユーロではその機能がない。
(2) 緊縮政策は国民の生活を破壊するだけで現在の問題の解決にはならない。
私にもその理屈はわかります。

しかし物事には常に良い面と悪い面があって、完全な解などなく、走りながら考えるしかないわけです。ユーロ離脱を説いた人もいましたが、今離脱すればなおいっそうの混乱が起きると言われます。

ユーロ内のギリシャの現状は日本で言えば沈没しかけた炭鉱の町夕張をどう救うかというのとやや似ています。夕張は箱もの行政(石炭の歴史村の建設)で借金を重ねて破綻に至りました。ギリシャは贅沢な市民生活を維持しようと借金を重ねて破綻に至りました。今出来る対策は 緊縮財政+県や国あるいはユーロ諸国からの支援でしょう。

夕張市民、ギリシャ国民の気持ちからすれば、緊縮財政はやめて、県や国、ユーロ諸国からの支援を倍増せよ!でしょうが、物事そうはいきません。助ける側の立場もあるわけです。緊縮財政に伴ういろいろの痛みはあっても、そこを乗り越えない限り明日はありません。悪いたとえかも知れませんが、サラ金の借金は安易に肩代わりしてあげてはいけないと言われます。

一時は「国破れて山河あり」みたいな状態になるでしょうが、石炭の歴史村はなくなるとしてもギリシャの遺跡がなくなることはないでしょう。しばらく見守るしかありません。
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この回答へのお礼

後回答賜りまして、誠にありがとうございます。

回答者様が仰る事はある意味正論であり、我々日本人のメンタリティでは大いに理解出来るのですが、日本人とギリシャ人の感覚の相違という点、そして返済能力を無視した主として独仏の貸し手責任論にも言及する必要があろうかと思われます。

>ユーロ離脱を説いた人もいましたが、今離脱すればなおいっそうの混乱が起きると言われます。

当然の事ながら、今後ギリシャが取るであろう選択肢は、EUが提示する緊縮財政を受け入れた上で財政支援を仰ぐか、或いはデフォルトを視野に入れてEU側の提案を拒否・自律再建の道を歩むかの何れかでしょう。
どちらも棘の道ではあるが、ギリシャの世論は後者に傾いているのではないか?、私としてはそう考える次第です。

2002年のデフォルト宣言後もそれなりの経済成長を遂げ、且つ外国からの投資もそこそこ堅調である事から、「債務不履行とはいったい何ぞや?」というテーマを再考させるに至る、アルゼンチンという恰好のサンプルも卑近に存在します。

国家経済・自国通貨の信用に拘泥しなければ、消費意欲・体力を温存したままでデフォルトを宣言しユーロ離脱、債務の免責(飽く迄も国家間の公的債務ですが)・一時凍結・繰り延べ返済という道筋も、或いは有りなのかも知れません。
まあ国民性に依るところが大なのでしょうが。

>ユーロ内のギリシャの現状は日本で言えば沈没しかけた炭鉱の町夕張をどう救うかというのとやや似ています。

一国或いは経済共同体の経済政策と、一地方公共団体のそれを同列に論じる事が、果たして妥当であるのでしょうか?

>一時は「国破れて山河あり」みたいな状態になるでしょうが、石炭の歴史村はなくなるとしてもギリシャの遺跡がなくなることはないでしょう。

超緊縮財政をギリシャ国民が容易に受け入れるとはとても思えません、何しろエピクロス派(快楽主義)が創生されたお国柄ですから。

お礼日時:2012/05/27 06:34

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