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お世話になります。
イギリスの法律貴族についての質問です。

イギリスの上院には、世襲貴族、一代貴族、聖職者がおり、ブレア首相の上院改革後は、その定数が600名ほどに縮減され、同時にまた、新設された最高裁判所の裁判官は、一代貴族である法律貴族が務めると聞きました。

そこで伺いたいのは、法律貴族の性質についてです。

1)法律貴族とは、法律に通じていることで与えられる一代貴族としての称号なのでしょうか。

2)もしそうであれば、ブレアの上院改革で、法律貴族は最高裁判所の裁判官へと職をスライドする形では議員としての資格を失ったのでしょうか。

また、さまざまなサイトを比較すると、「法律貴族は、世襲貴族の次男など本来は貴族になることができないはずの者が、貴族になることのできる限られた道である」とか、「法律貴族の家系に生まれたら、自分のやりたいことも我慢して子供のころから法律貴族としての職責を果たすために、厳しい法律の勉強を強いられる」などと、矛盾をはらむような内容を見かけました。

3)この点、法律貴族とはつまりどのような人たちのことを指すのかお教えください。

お手数おかけいたしますが、このあたりに通じた方がいらっしゃれば、何卒よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

 フランスの法服貴族とイギリスの常任上訴貴族をゴッチャにしていませんか?


 (通常、法服貴族[法律貴族]といえばフランスの物を指すと思いますが…。)

>1)法律貴族とは、法律に通じていることで与えられる一代貴族としての称号なのでしょうか。

 違います。

 イギリスでは、全貴族院の中で最も法律に通じている12名(世襲であるかを問わず)で、イギリスでの終審裁判所(最高裁)を構成していた事に由来した称号です。

>2)もしそうであれば、ブレアの上院改革で、法律貴族は最高裁判所の裁判官へと職をスライドする形では議員としての資格を失ったのでしょうか。

 貴族院議員の職はそのまま保持しています。
 (定年が75歳ですから、2011年から2023年までにかけて全員が退官する予定)

 ブレア氏の改革は、将来最高裁の裁判官に欠員が出た際に、貴族でない者にも最高裁での裁判官に成る可能性を開いたといえます。
 (ただ、最高裁裁判官に成れる程の見識を有していれば、当然一代貴族になれる資格が発生するのがイギリスという国ですが…。)


 なお、フランスでは弁護士資格を持った者が国王に金銭を納めることで、高等法院(フランスにおける最高裁であると共に、勅令や法令の登記や国王に建言を許された組織)の官職を得る事ができ、中世以来の帯剣貴族(noblesse d'épée)に対して法服貴族(noblesse de robe)と呼ばれる地位に着く事が出来ました。
 (フランスにおける平民[ただし実質的にはブルジョワ階級]が軍人と並んで貴族になれる数少ない道。)

 また、この地位は国王にポーレット税を支払い続ける事で、子息に弁護士資格が有りさえすれば、実質的には地位を世襲する事が可能でも有りました。

 これら、法服貴族は王家の遠縁や大貴族が強い力を持っていた時代から、中央集権に到る過程で大きな力となりますが、力が大きくなった法服貴族達は、フロンドの乱(三銃士で有名なダルタニャン物語の舞台の一つ)を起こし、さらに後のフランス革命を起こす切っ掛けの一つ(ルイ16世の改革に真っ向から抵抗する勢力)に成ります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

ということは、つまり、イギリスの場合、法律貴族とは言わないのでしょうか??

確かに、法律貴族と検索するとフランスのトピックが多く見つかるのですが、
高校の参考書などでは、イギリス上院の「法律貴族」との表記があったのでそういう理解をしていました。

私が調べたいのはイギリスのケースなのですが、
もし、文献などご存知でしたらお教え頂けないでしょうか。

よろしくお願いします。

お礼日時:2012/07/29 18:55

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