No.8ベストアンサー
- 回答日時:
NO.7 です。
補足質問にお答えしますその前に、よく天気に関する雑談や問いかけの中で私は、『湿った空気と乾いた空気では、どちらが軽いと思いますか?』と、聞いてみます。多くの人が『乾いた空気が軽いと思う』と答えます。これは不正解。正しくは『湿った空気の方が軽い』です。
「湿度」は、一定体積の大気中に占める水蒸気(ガス体、雲や霧など水滴を形成する時は、既に大気中に浮遊する液体です)の割合を示す概念で、専門的には大気圧中に占める水蒸気の分圧で表されます。大気中に占め得る水蒸気の最大分圧は、大気圧と気温によって物理的に決まっています。これを飽和蒸気圧と言います。大気中で水蒸気圧が飽和蒸気圧を超えると、霧や雲、目に見えない程度の微小水滴が発生します。水面の熱を奪って発生する水蒸気は、大気の潜在エネルギーを高めます。
夏期には北半球の中緯度付近まで、熱帯・亜熱帯にも相当する強い日射を受けますが、その大部分は海域です。水域の比熱は陸地に比べて遙かに大きく、海水温は昼夜を通じてハイレベルになります。陸地の表面温度は、日光の直射を受ける日中は高くなりますが、実質的に日光の直射効果は一日の内の8時間程度、夜間は急速に冷却します。
以上を前提に、太平洋高気圧は小笠原諸島を中心に、インド洋の高気圧はベンガル湾付近を中心に四方にも上空へも膨張します。その範囲が広がると、当然四方八方への風が吹いて当然ですが、東西及び南方向は大気の状態がほぼ等しいため、比熱の小さい陸地があり、しかも夏でも解けない氷河を持つヒマラヤ山地の方向に溢れ出て行きます。特に高緯度でかつ、平均5千メートルのヒマラヤ高地は寒冷な大気中にあり、南方からの湿潤温暖な大気は、容易にその領域を乗り超えるのです。この大気の流れがアジアモンスーンと呼ばれる特有の気流の原動力となり、東南アジアに雨期をもたらします。
低・中緯度地方の洋上は、湿潤・高温な高気圧の発生源であり、大気中へのエネルギーの供給源となります。洋上高気圧の周辺部では時計回りの弱い風が吹きますが、その流れに海水温その他の要因によるアンバランスが生じると、日本付近では熱帯性低気圧から台風へと発達します。インド洋ではサイクロンを、メキシコ湾周辺ではハリケーンを発生しますが、これら三者は気象学的には全く同じ現象です。熱帯性であれ温帯性であれ、低気圧は反時計回りの渦巻きで、吹き込む空気の逃げ場として、中心部に激しい上昇気流を伴います。その最たるものが『台風の目』となります。
前回回答の一部に誤りがありましたので、訂正いたします。
現在の平年値・・・・・の記述中、2011年12月31日以前の・・・・・は、2010年12月31日以前の・・・の誤りでした。この平年値は2020年末日までの期間適用され、2021年1月1日からは前年末までの新たな30年間の平年値が算定・適用されることになります。
No.7
- 回答日時:
「オホーツク海高気圧」は、昔は「ブロッキング高気圧」とも呼ばれていました。
この高気圧は、日本海の梅雨前線上の低気圧の東進を妨げ、梅雨明けを妨げる働きをしている様に見えたことから「ブロッキング」と呼ばれたのです。
オホーツク海高気圧の成因は、大まかに言うと、インド洋海域の湿潤な暖気がヒマラヤ山地を越える時、強制的に上昇気流となってインドシナ半島地域などに雨期をもたらし、同時に中緯度ジェット気流に影響して日本付近に前線帯を停滞させ、梅雨気候をもたらします。日本付近に雨をもたらした後、冷却・乾燥した元々の気団がオホーツク海に下降してくることで、この高気圧が形成されます。
梅雨明けの後は、太平洋高気圧が優勢となって、オホーツク海高気圧は太平洋高気圧に吸収される形で自然消滅します。この仕組みが、北海道に『梅雨がない』地域特性をもたらしています。
梅雨明け後もこの気団が消滅しないと、いわゆる『やませ(山背)』と言う東北地方特有の北東気流を誘発し、冷害の原因にも成ります。
気象庁は過去何度も「梅雨に関する情報」の見直しを試みました。所謂梅雨の「入り・明け情報」の廃止宣言でした。要旨は梅雨に関する季節資料は、『九月下旬に取りまとめて発表する』と言うものでしたが、無能な日本のマスメディア各社が、社会面を埋めるために粘り強く継続実施を迫りました。
その結果「入り・明け情報」に狂いが生じても、『梅雨の中休み』とか『梅雨の戻り』等の便利な用語で逃げ切ってきました。『情報の商業的価値』は、それなりにあるのかも知れませんが?
「梅雨」と言う季節現象は、基本的には夏の初めに属します。だから、この様なことがあっても『異常気象』ではありません。因みに『異常気象』とは、「過去30年以内に一度程度の特徴的な変化」で、「平年値」とは「過去30年間の平均の値」で、10年ごとに更新されることが、WMOで取り決められており、現在の平年値は西暦2011年12月31日以前の30年間の諸データの平均値です。
回答にご疑問があれば、補足をどうぞ!
この回答への補足
ありがとうございます。私にとっては、目からウロコの知識ばかりで、勉強になります。当初の質問からは脱線しますが、補足質問をさせて下さい。
オホーツク海高気圧が生成されるメカニズムは理解できました。「インド洋海域の湿潤な暖気がヒマラヤ山地を越える」のがメカニズムの第1段階とのことですが、それでは、インド洋海域の湿潤な暖気がなぜ、南風となってヒマラヤ山地の方へ吹くのでしょうか。北風となって南方へ吹いても良いはずですが。また、東風となって西方へ吹いても良いはずですが。
もし私がアホな質問をしているのであれば、アホな質問には答えられん……と書いて下さって結構です。
No.6
- 回答日時:
多くの回答者さんが指摘されているように「7月にオホーツク海高気圧が関東地方まで張り出して東京は随分と涼しい」というのは、珍しいことではないです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9B% …
http://www.dpac.dpri.kyoto-u.ac.jp/mukou/meeting …
十数年には一度はありそうなことは、今年は暑いです、涼しいです、多雨ですのように言うことはあっても、異常と思うヒトはいないでしょう。
正確な記憶でははっきりしなくても、「天気や気象は変化する、毎年同じではない」と知っているので、少々の変動があっても、「そういうときもあるさ」と判断するのが普通です。
「これは異常だ」と思うには、「いくら変動幅があったにしたって、これほどのことはない」という感覚がポイントになると思います。 気象庁の異常気象レポートでは、「過去に経験した現象から大きく外れた現象で、人が一生の間にまれにしか経験しない(過去数十年に1回程度の頻度で発生した)現象」とも言うそうです。
ヒトが一生の間に経験し、思い出すことが出来る範囲なら、異常と言うのはおかしな気がします。 いわゆる天災地変でも、自分が経験してなくても、ニュースや教科書などでそうしたことがどこかで起きたことがあるのを知っているというような場合、あるいは研究論文で調査報告を読んだことがあるのようなことで、この地域、この季節、この程度のことが起きても不思議ではないと判断されるならば、過去その地域で2000年間にはなかったということでも、合理的には推測可能な範囲の出来事ならば「異常」とは言わないという立場もありそうです。 「異常」と「正常・通常・ありうる」との使い分けには幅がありそうです。
最近では、異常気象という言葉の概念や定義が変わり、異常気象の概念は"severe weather","bad weather"(激しい気象、荒天、悪天候)の概念に近づいているのだそうです。そうなると、同じ天気、気象状況でも、好ましいと思うヒト、困ると思うヒトもいるので、あるときの気象を異常と判断するのかどうか、やっかいです。
No.5
- 回答日時:
梅雨とは、梅雨前線の接近し停滞することです。
オホーツク海高気圧(より低温)と太平洋高気圧(より高温)のせめぎ合いが春から夏の入り鼻に始まり、この接線が停滞した上昇気流を生み、梅雨前線となります。
従って、梅雨が続いている間も、梅雨が全て明けたあとも、オホーツク海高気圧が残っていることが普通です。
そのうち、盛夏に向けて太平洋高気圧が勢力を増し、一般的には、オホーツク海高気圧は消滅しますが、時々復活して日本を覆い、その地域は冷夏に見舞われます。
ですので、オホーツク海高気圧がいつまでも残ると、仰るような冷害などの異常気象の原因のひとつになります。
少し話が逸れますが、東太平洋の赤道に沿った地域の海水温情上昇を「エルニーニョ現象」といいますが、これが起こると回りまわって、太平洋高気圧の勢力を弱めるため、オホーツク高気圧が幅を利かせてきて、冷夏になる傾向があります。
逆に、西太平洋の赤道に沿った地域の海水温情上昇を「ラニーニャ現象」といい、日本は一般的に「猛暑」となる傾向があります。
地球の反対側の海水温がこんなにも影響を及ぼすというのも、驚きです。
ちなみに、今年は、エルニーニョ現象の状態だとニュースで言っておりました。果たして冷夏になるんでしょうか?。
これがどれだけ続くのかは、まだはっきりとした理論はないんだそうですが、ラニーニャの方が長く続く傾向が強いのだとか。
まさに気象現象とは気まぐれそのもの、「天気」とはよく言ったものです。
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