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表題どおりなのですが、下降気流などでも重心を移動させることによって、沈下を防ぐばかりか上昇すら可能にできるような条件や方法はあるのでしょうか。

A 回答 (2件)

>重心を移動させることによって、沈下を防ぐばかりか上昇すら可能にできるような


>条件や方法はあるのでしょうか。
どういう想定で考えられたご質問か解りかねますが、一時的に滑空状態から上昇に
転じることは出来ても、それを繰り返して当初の高度を維持したりそれ以上に上がること
は出来ません。位置エネルギーを速度エネルギーに変換しているのですから、原理的に
始めの位置エネルギーを越えるということ自体有り得ないのです。例えば半球型の
容器の端から鉄球でも静止から落下させて転がしてみた際、底に向かって転がって速度が
ついても、これが反対側から速度を持って飛び出すということはありません。

滑空自体、「最長滑空距離」を得る場合は揚抗比最大となる主翼迎え角=滑空姿勢
で飛行しますが、このときグライダーには推力が無いので抗力に釣り合う重力による
加速度を得ています。重量W、抗力D、滑空角θ間で D=Wsinθ という関係
です。抗力による減速側加速度を重力成分で加速していることになるので、水平以上
の上昇姿勢をとれば減速していくだけです。実際のグライダーではサーマルと呼ばれる
熱上昇気流や斜面上昇風を使って上昇し高度を稼ぎますが、これは外部から位置エネ
ルギーを上げたのであってグライダー自体の持っていたものではありません。

「重心移動で」と言われていますが、重心移動と操舵による姿勢変更は同じものです。
一般的な飛行機の「縦の釣り合い」は重心位置にかかる下方への重力、これより後方
の主翼の風圧中心にかかる揚力、これらだけだと機首下げになるので機首上げ方向に
かかる水平尾翼の下向きに発生する力の均衡で成り立っています。昇降舵(=エレベー
ター)を操作するというのは、故意にこのバランスを崩しているということです。
縦の釣り合いを変える方法は「重心位置」だけの移動で行うことも出来ます。要は
この三者の関係を変えることに変わりがないからです。

例えば飛行中に重心移動があった場合、旅客機等でも燃料消費に伴い移動しますが、
水平尾翼全体の角度の角度変更またはエレベーター保持位置変更でこの釣り合いを
保つ、即ち「トリムを取る」ことで姿勢維持しています。これをMD-11等では
燃料をバラストとして移動させ水平尾翼角度を出来るだけ変えないで抗力軽減を
計っています。逆に重心位置移動に伴いなにもしないと常にエレベーター操舵を
しているのと同じになるのです。重心位置はこのためその機体の水平尾翼の釣り合わせ
る能力に応じ前方及び後方限界が決まっており、通常MAC(空力平均翼弦)上
で何%から何%までという指定になり、「何%の時水平尾翼トリム角は何度」まで
決まっています。
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この回答へのお礼

丁寧にご説明いただきありがとうございました。勉強させていただきます。

お礼日時:2012/07/27 01:53

>下降気流などでも・・・


の、「などでも」が少々引っ掛かるのですが・・・。

上昇気流の中の下降気流であれば、上昇が可能な場合がありますよ。
一般的に動力のない航空機が「下降気流」と呼ばれる空気の動きの中にある場合、上昇は不可です。

ただ、動力の無い航空機(グライダ)の対空速度と姿勢、及び下降気流の速度の状態によっては、下降気流に対して相対的に上昇の可能性はあるとしても、地面に対しての上昇の可能性は低いです。(0ではない。)
加えてその状態の時、「重心」移動は限度を超えると「失速」の危険性が高まります。
つまり、重心をどう変えようが上昇に繋がる要因はないと考えた方が無難です。
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この回答へのお礼

そういうものなのですね。ジェットコースーターでも下降によって加速しても結局元の高さには戻れないことと同じことなのでしょうか。ご教示ありがとうございました。

お礼日時:2012/07/27 01:48

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