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子どものピアノの先生が変わり、その先生の自宅にあるピアノの音が素晴らしくて感動したのですが、
子どもが「きれいな音を出す楽器って作る人も演奏できるのかな?」と不思議に思ったようです。ピアノだけでなく、いい音色の楽器ってどんな人がどんな風に作っているのか気になります。ご自身でも演奏したりされるのでしょうか。携わっている方、ご存じの方がいらしたら、教えてください。

gooドクター

A 回答 (3件)

 元・弦楽器の設計者ですけど・・・・製作側に必要なのは、純粋な演奏技術ではなく『演奏者が望むモノ(=好まれる音とか演奏し易い形状とか)が判る能力』『演奏者の主張と楽器の構造を結びつけられる工学的知識』です。



※『演奏者が望んでいるトーン(=よい音)が出せるか?』『演奏し易いか?』、等々が正確に把握出来なければ、よい楽器は作れません。
 その楽器の良し悪しを調べる為には実際に演奏するしかなく、その為の演奏技術は必要ですが、違いが判りさえすればよいので第一線級の高度な演奏技術は必ずしも必要ではありません。

※更に。
 演奏者が自分の楽器に対して何か意見を言ってきた時、『なるほど。それならあそこをこうすれば、彼の好みに近付けられるな』と、演奏者の注文と楽器の構造を結びつけて考えられれば、極論すると演奏技術は全く不要となります。
 例として。
 ソリッド・ギター(ボディに空洞がない、いわゆる『エレキギター』)の歴史の中で特に優れた設計者の一人として、クラレンス・レオ・フェンダーというギター設計者がいました。彼が設計したギターの多くは、今日では『未来永劫、その魅力が衰えることはない』とされているほどの名器ばかりですが、本職は楽器職人でも木工職人でも、勿論ギター奏者でもなく、ラジオの修理屋でありギターをはじめ楽器類は一切演奏出来なかったと言われています。
 彼の楽器開発スタイルは・・・・まず試作機を何本か製作し、それをその時代の著名な演奏者に配布し、彼らの意見を吸い上げ改良を加えて販売モデルにまとめ上げるというもので、ギターは演奏出来なくても振動工学とギターの機械的構造(ギターに限らず楽器は、振動工学や構造力学に基く『機械』です)に長けていたことが窺い知れます。
 ギター以外で斯様な開発スタイルを取った楽器製作者は聞いたことがありませんが、理論的にはこのスタイルでもあらゆる楽器の名器が設計出来るはずであり、実際そうやって楽器を作っていた職人もいたと考えられます。(たまたま開発過程の記録が残っていないので、今日では歴史に埋もれてしまっているだけ、ということです。)

・・・・っというワケですが、ワタシの場合はどうだったか?というと。
 ワタシ自身はギターやバイオリン等の弦楽器を演奏します。正直なところバイオリン属はよく判らないところが多々あり、設計では『迷走』している点が常にありましたが、ギターに関しては個人的な好みがハッキリしており、故に常に万人向けでないモノばかり作っていました(だからまぁ、あまりもうからなかったワケですが。)
 万人向け、というと特に高尚なクラシック系楽器ではあまりよい評価ではない様な気がしますが、しかし万人に認められなければ名器足り得ません。
 なまじ製作者が演奏技術を持っているより、フェンダー氏の様に『自分自身はニュートラル』な姿勢の方がよい楽器が作れるのではないかと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。設計者の方のお話は初めて伺いました。
ギター設計者の名人の話は興味深いですね。読んで思ったのは、当たり前の事ですがああ最後に音(音楽)を作るのは演奏者なんだ、ということです。制作者はそのツールを作るプロなんですよね。
そうするとうちの子が出した音に自分で感動した、ということになってしまうのですが(汗)
ただもっとあのピアノ弾きたい、弾きこなしたいと思わせるような楽器を作れるってすごいなあと思ってこのような質問になりました。知らない事ばかりでした。ご丁寧なコメントに感謝します。

お礼日時:2012/08/23 23:48

一般的には、楽器製作者を志す人はもともと楽器演奏者だった人が大半でしょうし、製作技術を教える学校の多くは演奏に関する課程が必修になっています。

その意味では、楽器職人は演奏のプロではないにせよ、一定レベルの演奏技術を持っている、といって良いでしょう。

しかし、その程度は楽器によって様々です。

たとえば、原始的な楽器(たとえば民俗楽器)の場合は、演奏者すなわち製作者というケースが多いでしょう。「自分の使う楽器を自分で作る」ところから始まっていて、「たくさん作って売る」ことは想定されていないからです。貨幣経済が浸透してそういった楽器も商品化してきましたが、生産工程を見れば最初から最後まで1人で作るケースが多いでしょう。そうなると、当然、仕上がりも自分で確かめることになるので、楽器職人は演奏技術を持っていなければなりません。

また、弦楽器にしろ管楽器にしろ、1人で作ろうと思えば作れる楽器の場合も、こだわりのある製作者が1人で工房を開いていることが少なくありません。この場合も、自分で仕上がりを確かめるのですから、職人には演奏技術もあるでしょう。

これに対して、工業製品としての楽器は、職人といっても「ある工程の技術に特化している」という意味での職人が多くなります。パーツを設計図通りに正確に作る技術は重要ですが、最終調整は別の職人が行うので、必ずしも演奏技術が求められる訳ではありません。

この辺りの話は、電子楽器でも変わりません。その電子楽器専用のICとか、回路構成とか、操作パネルの設計とかいった部分は、「どうすれば面白い音が出るか、どうすれば操作しやすいか」に直結します。じっさい、電子楽器の設計者(や企画担当者・営業でさえ)の人たちは、かなりのマニア・変態(褒め言葉)で、ソロやバンドで演奏活動をしている人も少なくありません。

もちろん、実際の生産工程ではほとんどが機械化されているので、そもそも「職人」がいない場合も少なくありませんが。

つまりは、工業化・分業化・システム化の度合いによるでしょう。それが進むほど、最終的な産品(楽器)に対する知識・技術がなくても工程に携われる機会は増えます(だからこそ、楽器を演奏できないロボットがパーツを生産できる訳で)。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。親子で楽器を作る人=音を作る人、というイメージを持っていましたが
確かに今では量産体制が主ですよね。製作技術を教える学校の多くは演奏に関する課程が必修、というのは知りませんでした。他にいただいた回答も含めて、子供にうまく伝えられればいいなあ、と思っています。(苦笑)
ご丁寧にありがとうございました。

お礼日時:2012/08/23 23:20

味覚に障害があるコックさんに無理があるのと同様、楽器を演奏できない楽器職人には無理があります。



ただ演奏と言っても製品の質(音色)を確認する為の最低限必要な演奏技術があればよく、演奏家である必要は無いでしょう。

とはいえ楽器によって製造工程は様々ですので、工程に関わる全ての人が上記のような最低限の演奏技術を持っているかは分かりませんね。

例えばバイオリンのニスを塗る専門の職人がいます。
一見音色に関係なさそうですが、実はバイオリンにおいてニスは音色を決定する上で非常に重要な要素であり、当然ニス職人さんはそれが分かる「耳」を持っていなければなりません。
「職人」であれば当然、自分で弾いて自分の耳で確認しますね。

ではバイオリンの弦を巻き取るペグを作る職人はどうでしょうか。
ペグの形状は見栄えを左右しますが、音色にはそれほど影響しませんので、ペグ職人にはバイオンリンの演奏技術は無くても良いかもしれません。
しかし、ペグの形状は当然使い易さも兼ね備えていなければなりませんので(装飾的過ぎて手に馴染まないなど)、ペグ職人がバイオンリンを演奏できる人であれば、それに越したことはありません。

このように考えると、楽器の製造工程に携わる職人さんは必要最低限の演奏技術は持っている、と考えるのが妥当でしょう。

(エレクトーンやエレキギターなど、電気を使う楽器は当然この限りではありません。電子部品の製造者には、演奏技術は関係ありませんから。)

ちなみに私はジャンベというアフリカの太鼓を演奏しますが、演奏できない太鼓職人はいません。


蛇足ながら、
>子どものピアノの先生が変わり、その先生の自宅にあるピアノの音が素晴らしくて感動した
とのことですが、ピアノの場合は調律も重要ですね。
ピアノの調律師に演奏技術と「耳」が必要なのは言うまでもありません。
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この回答へのお礼

早々のご回答、ありがとうございました。
ピアノや他の楽器でも確かに演奏技術というよりは音感が必要なのですね。
製作過程でも様々な人が関わるのですよね。好奇心からの質問に丁寧にお答えいただき、感謝します。

お礼日時:2012/08/23 23:06

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