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生物学、医学、分子生物学に詳しい方、教えて下さい。

p53のような癌抑制遺伝子が老化に深く関与しているといわれてるかと思います。
p53は、細胞周期を停止させ、遺伝子修復の時間を稼ぐかと思います。この細胞周期の停止と老化は、どのように結びつくのでしょうか?

細胞の老化は、テロメアの短縮によるものだと、認識しているのですが、上記の癌抑制作用の機能と結びつかない状態であります。
教えて下さい。よろしくお願い致します。

A 回答 (4件)

Cellular senescenceの定義をWikipediaから引きます。

Wikiはレベルの低いソースですが、引用文献が記載されている分、個人のブログなどに書かれた情報よりは信頼できます。論文を探して提示するのが面倒なのでWikiの内容をペーストします。

Cellular senescence is the phenomenon by which normal diploid cells lose the ability to divide, normally after about 50 cell divisions in vitro. Some cells become senescent after fewer replication cycles as a result of DNA double strand breaks, toxins, etc. This phenomenon is also known as "replicative senescence", the "Hayflick phenomenon", or the Hayflick limit in honour of Dr. Leonard Hayflick, co-author with Paul Moorhead, of the first paper describing it in 1961.[2] In response to DNA damage (including shortened telomeres), cells either age or self-destruct (apoptosis, programmed cell death) if the damage cannot be easily repaired.

つまり細胞老化とはそれ以上分裂できなくなった状態を指します。大事なのは2文目で、複製限界が来る前でも、DNA損傷などがあれば細胞老化は起こると書いてあります。3文目からは複製限界による老化、つまりHayflick限界と老化について書いてあります。

なぜテロメアの短縮が細胞老化を引き起こすのかを知らなければなりません。短くなったテロメアがシグナルを送る、というわけではありません(最新の研究結果は知りませんが、教科書的には違います)。テロメアが短くなったことで、DNAを保護できなくなりDN損傷が起こるのが細胞老化に引き金です。よって細胞老化を引き起こしている本当のトリガーはDNA損傷なわけです。すると前の2文目が納得いきます。DNA損傷を起こす現象なら複製限界に無関係でも細胞老化が起こるわけです。模式的に書けば下記のようになります。

テロメア短縮→DNA損傷→細胞周期停止のシグナル、細胞老化(Replicative senescence)
抗癌剤投与→DNA損傷→細胞周期停止、細胞老化(Premature senescence)
癌遺伝子の活性化→DNA損傷→細胞周期停止、細胞老化(Oncogene-induced senescence)

だからCKIによる細胞周期停止によってテロメアの短縮が起こるなんてことは絶対に起こりません(上記の逆の現象になりますから、そんなめちゃくちゃなことは起きません)

あと、一過的な細胞周期停止は細胞老化と呼べるのか?、ということですが、答えはNOです。細胞老化は少なくとも数ヶ月の細胞周期停止が観察されることが知られており、多くは不可逆で半永久的なものだからです。
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この回答へのお礼

ご回答、並びに詳しいご説明をしてくださって、ありがとうございます。

ご回答してくださった内容に関して、恐縮ですが、もう少し教えて下さい。

結局、細胞老化の本質としては、テロメアの短縮というよりも、それに伴う、DNAの防御体制が脆弱化し、それによって、細胞老化が引き起こされるということですよね?

それであれば、癌抑制遺伝子は、細胞周期こそ、停止させますが、DNAを修復し、DNAを保護するという点で、老化に近づくものではなく、老化とは逆の方向に向かう作用を有しているように思えます。

癌抑制遺伝子は、修復のために、一過的に細胞周期を停止させるかと思いますが、そうであれば、どうして、癌抑制遺伝子の働きが老化と相関するのかがよくわかりません。

すいませんが、教えて下さい。よろしくお願い致します。

お礼日時:2012/09/03 23:06

アドバイスをしておきます。


言葉は正しく使いなさい。”ご回答いただいた内容は概ね存じ上げてお
りました。”ってそんなわけないだろう。これが本当なら今までのあなたの重ね重ねの質問は不要だったはずだ。私との質問と回答のやりとりの中であなたが追加で学んでいっただけのことだ。こちらはプロなので、用語の使い方や質問の内容を見れば質問者がどの程度の知識レベルの人間かよくわかる。あなたは、よく勉強している方だが、科学用語の使い方も慣れていないのでプロの研究者ではない(あるいは駆け出しの研究者)。だからこっちは丁寧に教えただけだ。

概ね知っているならもう質問する必要はないだろう。
これでやりとりはおしまい。

最後に、
”つまり、p21の細胞周期停止を行う機能に絞って言えば、修復が容易で、一時的な細胞周期の停止を行うP21の機能は、老化ではない。そして、修復困難で、細胞周期を永遠にストップさせる行為に伴う結果が老化であるということでよろしいんでしょうか?”
この文は正しい。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。
Wakefield Blan様
先ほどの軽率かつ不適切な発現を申し上げてしまいまして、誠に申し訳有りませんでした。
おっしゃる通りでございます。本質を何も理解していいないにも関わらず、こうした軽卒なもの申しをしてしまって申し訳ありませんでした。
聞いたことはあったという感じだったのですが、貴重なお時間を割いて、誠意を持って何度も詳しく教えていただいているにも関わらず、そもそもこうしたことを発現したこと自体不適切であり、大変失礼だったと反省しております。
毎回、大変ありがたいご回答、ご教授をいただいているにも関わらず、こうした失礼極まりないもの申しをしてしまい、本当にすみませんでした。今後、このようなことがないように、努めて参ります。また、こうした、ご指摘ありがとうございました。
勉学に対しても、人間性に対しても、まだまだでありますが、精進し、改めて参りたいと思います。失礼な発現をした後で、厚かましく、大変恐縮なのですが、今後とも、ご回答、ご教授いただければ、幸いです。

それから、細胞老化に関する内容に関して、御陰様で、理解できました。どうもありがとうございました。
本当に、毎回、どうもありがとうございます。

お礼日時:2012/09/04 22:30

癌抑制遺伝子にはたくさんの種類のものがあり働きも全然違うので、ここでは該当するp53についてのみ述べます。



p53はDNA損傷を見つけると3つの遺伝子群の転写を促進させます。DNA修復の遺伝子群、細胞周期停止の遺伝子群(細胞老化とは半永久的な細胞周期停止と同義と考えると老化に関する遺伝子群はこれに属します)、そしてアポトーシス(細胞死)の遺伝子群です。DNA損傷が軽ければ、この細胞周期停止とDNA修復の遺伝子群の転写のみでDNA損傷は解決しますが、損傷が大きく修復不能な程度であれば細胞周期停止が半永久的に維持される(老化が起きる)かあるいはアポトーシスの遺伝子群の転写が活発になり細胞は死ぬわけです。

テロメアの短縮によるDNA損傷は永久に修復できません。なぜならテロメアがないとDNAが保護されず常にDNA損傷が起きっ放し状態になるからです。ですので、細胞ではDNA修復ではなく永遠の細胞周期停止が選択され老化に至ります。

癌でも同様です。癌遺伝子の活性化は永久に持続するので、癌遺伝子の活性化がもとで分裂が亢進しDNA損傷が増えて、それを発見したp53が活性化します。癌遺伝子がもとで起きたDNA損傷は永久に続くので、DNA修復のメカニズムではDNA損傷を解決できず、細胞の老化(半永久的な細胞周期停止)またはアポトーシスが癌の前駆細胞で選択されることになります。

p53が3つの遺伝子群のどれを使ってDNA損傷という細胞の危機的状態を解決するかは、DNA損傷の程度によるということです。非常に軽いDNA損傷が起きただけなら細胞周期停止とDNA修復の遺伝子群によって解決されて細胞はもとの細胞周期に戻るでしょう。重大なDNA損傷ならp53は細胞の老化か死を選ぶ。p53の目的は”異常な細胞を始末すること”です。修復により始末できるか(正常に戻すということ)、あるいは細胞を死においやって始末するかは異常の程度(DNA損傷の大きさ)によるので、癌の前駆細胞の場合はDNA修復ではなく老化または死で解決するわけです。

50%以上の癌でp53が変異して本来の働きを失っていることが分っています。癌の前駆細胞はp53が変異することで老化や死を逃れて本当の癌になるということです。

p53で勉強してみてください。これらのことがらは書いてあります。
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この回答へのお礼

ご回答いただき、ありがとうございます。ご回答いただいた内容は概ね存じ上げておりました。
ただ、自身が誤解していた内容がありまして、DNA損傷が大きい場合は、永遠に細胞周期を停止し、これが維持される。これが老化であるという内容です。

つまり、p21の細胞周期停止を行う機能に絞って言えば、修復が容易で、一時的な細胞周期の停止を行うP21の機能は、老化ではない。そして、修復困難で、細胞周期を永遠にストップさせる行為に伴う結果が老化であるということでよろしいんでしょうか?

お礼日時:2012/09/04 16:46

細胞老化と、個体の老化をごっちゃにしていませんよね?


細胞老化=細胞周期停止で、一般の”老化”とは意味が違いますよ?癌は増殖する細胞だから細胞周期停止による細胞老化が、癌の増殖を止める癌抑制作用の一つなのは何ら疑問のないところだと思います。

ちなみに、個体の老化をaging(ageing)というふうにscienceのなかでは用いるようにして、細胞老化に使うsenescenceとは区別することが多いです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
細胞の老化と、個体の老化は相関するものの、別であることはわかってます。
細胞の老化は、細胞が、一定以上の分裂を繰り返すと、分裂が停止してしまう現象(Heyfrick 限界)かと、思うのですが、細胞の修復にあたって、例えばP21の細胞周期をG1期で停止させ、その間に遺伝子修復の時間を稼ぐというような際の、一過的行為も細胞老化と言えるものなのでしょうか?

これは、テロメアの短縮という点からの細胞の老化とは少し意味合いが変わってくるかと思うのですが、細胞の老化という意味が広義に及ぶのか、もしくはこうしたCKIによる細胞周期の停止によって、テロメアの短縮につながるようなことがあるということなのでしょうか?

すいませんが、ご存知でしたら、是非とも教えて下さい。よろしくお願い致します。
毎回、ご回答いただき、教えて下さってありがとうございます。

お礼日時:2012/09/02 14:06

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