プロが教えるわが家の防犯対策術!

先日文化庁から発表された「国語に関する世論調査」で “うがった見方をする” の誤用が市民権を得ているとのニュースがありました。

○物事のごとの本質を捉えたみかたをする 26.4%
×疑ってかかるような見方をする       48.2%

辞書には 「事の裏面の事情を詮索する。人情の機微などをとらえる。」 と説明がされています。これは 「深く本質を理解する」 という意味でとらえれば確かに前者なのですが、 「出された情報素直に受け取らず、なにかあるんじゃないかと裏を探る」 というようなニュアンスであれば後者もあながち間違いではないと思うのですが・・・。

どなたか詳しい方いらっしゃいましたら、出来るだけ簡単に合点がいくようにご説明ください。よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

大正期の辞書では次のように、むしろ昨今誤用とされている意味の方に近い用法となっています。



「うがつ 穿つ [ニ]飽くまで穿鑿す。隠微なる点を探り発(あば)く。理を窮む。ほじくる。」
「言泉 : 日本大辞典. 第1巻」348頁(大正10-11年)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/969159

この穿鑿(せんさく)には「むやみに憶測すること。こじつけ」「やかましく理屈をいう」という意味もあり、「隠微なる点」も「あえて隠された」いわば「裏」を探り曝露する意味に通じます。なにしろ「こじつけ」「ほじくる」態度ですから。

「広辞苑 第二版」(昭和44年)でも次の通りです。
「うが・つ 【穿つ】 (2)せんさくする。普通には知られていない所をあばく。微妙な点を言い表す。」

したがって「うがった見方」を、もし立派な意味だけと考えているようなら、そのような文化庁側の調査スタンスそのものに甚だ訝しいものを覚えます。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

なるほど。
しっかりした証拠も提示してくださって非常に説得力がありました。
ご紹介のサイトも非常に参考になりました。

ご回答どうもありがとうございました。

お礼日時:2012/09/22 22:03

岩波国語辞典第二版 (個人的な考えですが、広辞苑は岩波の収益商品で看板辞典ではないように感じています。

国語辞典は程度問題ですが、版の新しいものよりもほどほどに古いものの方が信がおける、 チェックしても買い替えたいとは思わない、 つまり岩波の規範とできる辞典は岩波国語辞典で、この第二版がよいと、個人的に思っています)
によりますと、 「うがったみかた」 はありませんが 「うがつ」 の項に
【 物事や人情の隠れた真の姿に、 たくみにふれる。 「-った事を言う」 】 とあります。
あなたの辞書には 「裏面の事情」 とあるわけですが、その表現だと 「真の姿」 とはニュアンスが違いますから、 その観点に立てばあなたのおっしゃる通り 「疑ってかかる見方」 でも正しいでしょう。
辞書は、「しんかいさん」 だけでなく、どんな辞書も個性的です。 私は岩波国語辞典第二版を常用していますが、疑問を持つと、新明解、現代語古語新潮国語辞典、等々を比較します。 中型・大型辞典に当たるよりも小型辞典の読み比べの方が面白い。
それで、 多数決がいいのかどうかは先のと矛盾しますが、数種の辞典を見ると、 文化庁の見解は妥当と思います。
    • good
    • 3
この回答へのお礼

みなさんの意見を総合してみると、どちらの意味としてとってもおかしくはない言葉なのだと思いました。このような言葉を調査の対象に選んだり、前者を正しい意味とする文化庁のやり方にはなにか作為的なものを感じてなりません。

意味はどちらでも間違いではないとなると、日常会話ではやはり世間一般で認知されている意味で使用したほうがよさそうですね。

ご回答どうもありがとうございました。

お礼日時:2012/09/29 21:03

誤用が市民権を得ている、ということではありません。



文化庁、国立国語研究所の調査は、 ただ単純に 「こういうパーセンテージとなっている」 と言っているだけで、
こっちが正しくなった、 と言っているわけではありません。
世の中、 少数意見が正しいことなんかいくらでもあります。

退官した国立国語研究所の元所長が、 職務で身についたものの言い方で、 「こう言う人が多い」 というのも、それが正しいというのではなく、 単に割合を言っているだけです。
国立国語研究所の元所長がこう言った、 ということをなにか権威づけのように思う人もいますが、 とにかくこれは誤用が市民権を得たということではないのです。
このマスコミ発表をそういうふうに受け取る人がいるのは、まあしょうがないなあと、それが普通の人の受け取り方だと思いますが、いやなものだとは思います。

この回答への補足

質問の主旨は、うがった見方の意味がなぜ文化庁が正しいとする「物事の本質を捉えたみかたをする」なのかその説明を求めているわけで、「どうして間違った方が正しい意味になったのか(市民権を得たのか)?」と聞いているわけではありません。私が問題にしているのはデータの見方でも、裏話でもありません。あくまでも言葉の意味の真偽です。

もしありましたら、質問の主旨に沿ったご回答をお願いいたします。なければこのまま締切にさせていただきます。よろしくお願いします。

補足日時:2012/09/28 23:52
    • good
    • 0
この回答へのお礼

>誤用が市民権を得ている、ということではありません。

市民権とは私の言葉ではなく、ソースをそのまま引用したものです。


>ただ単純に 「こういうパーセンテージとなっている」 と言っているだけで、
>こっちが正しくなった、 と言っているわけではありません。

この結果は文化庁として出しているようですよ。
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchous …


>このマスコミ発表をそういうふうに受け取る人がいるのは、まあしょうがないなあと、それが普通の人の受け取り方だと思いますが、いやなものだとは思います。

私もこれはちょっとおかしくない?と思い質問させていただいた次第です。一応誤解がないように。


ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2012/09/22 22:11

穿つは元々孔をあける。

穴をほるのいみですが転じて、
せんさくする。普通にはあまり知られていない所を暴く
などの意味に使われています。
疑ってかかるような見方をする~48%は誤用とは言えないと思います。
結果として物事の本質をとらえるかもしれませんが。
それはこじつけです。
物事の本質をとらえたみかた=うがった見方は、成り立たないと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

文化庁のほうがちょっとな・・・かんじですね。

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2012/09/22 22:01

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!