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等価原理によれば、重力場は局所的には加速度運動している慣性系と同等です。重力場の中で電荷が静止している時、重力を打ち消すような系で見ると、電荷は加速度運動をしていますから電荷は電磁波を放射するのでしょうか。下記URLによれば、Unruh効果がその説明になると言うのですが、どうしてでしょう。Unruh効果は加速度または重力で決まる温度の熱輻射になりますが、加速度一定の電荷が放出する輻射がPlank分布したりするのですか?重力と電磁気学を組み合わせると他にもおかしなことがいろいろありそうです。重力場中を落下する電荷は加速度運動しますから電磁波を放出してエネルギーを失うでしょう。この時なくなるエネルギーとしては重力のポテンシャルエネルギーしか考えられません。すると電荷を持っている粒子は電荷を持っていない粒子よりも早く落下するのでしょうか。
http://homepage3.nifty.com/iromono/diary/200205B …

A 回答 (3件)

ファインマン講義「重力の理論」第9章にこの疑問に対する


Feynmanの「回答」がありました。

重力場が弱く、電荷の速度も遅い場合を考えます。このとき、
grothendieckさんの疑問は基本的には次のように言い換えられるかと思います。

一様重力場中を自由落下する電荷を考えると、
それは加速度運動しているのだから輻射を出すはず。
一方、電荷の静止系で見ると、電荷は無重力中に静止しているのだから、輻射は出ない。
等価原理によれば、前者と後者は等価なはずなのに、
前者では電磁波が観測され、後者では観測されない。
これはおかしいのでは?

この問題は、次のように考えると良いようです。

そもそも、「加速度運動する電荷が輻射を出す」という根拠は、
ラーマーの公式
dW/dt=(2 e^2 a^2)/(3 c^3)
なのだと思いますが、
これは、一定の時間間隔の平均として意味があると考えるべきもので、
加速度運動する電荷の、<ある瞬間の>エネルギー損失を議論する場合は、
このラーマーの公式を用いるのではなく、
輻射の反作用Fを求め、それに抗してする仕事率
dW/dt=-Fv
により計算するべきであり、
輻射の反作用Fは、
F=(2 e^2 (da/dt))/(3 c^3)
で与えられるので、
等加速度運動(da/dt=0)では輻射によるエネルギー損失はそもそもないと結論されます。

ポイントは、自分の出した輻射との相互作用(則ち輻射の反作用)も含めてきちんと
議論するべきだということだと思います。
(例えば、砂川重信「理論電磁気学」第9章§5(2)参照。)

弱い重力場で荷電粒子の速度が遅い場合は、
以上の議論でなるほどなと私は思いましたが、いかがでしょう?
でも、輻射の反作用の導出で、質量の"繰り込み"のようなことをしたりするので、
きちんと扱うには量子論が必要になるのでしょうかね。
Unruh効果で説明できるのか否かはちょと分りません。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。電磁波の放射をちゃんと勉強してないのに質問をしてしまいましたが、丁寧に答えて頂き感謝致します。ランダウ-リフシッツ「場の古典論」の放射減衰の項によると、放射減衰だけが働いている電荷の運動方程式は
 ma = (2 e^2 (da/dt))/(3 c^3)
となり、電荷が自己加速され続けるというおかしなことになることが指摘されています。このことから古典電気力学が適用できる限界として、
 λ ≫ e^2/mc^2
および
 H ≪ m^2c^4/e^3
でなければならないと述べられています。通常、古典電気力学は完成された理論と言われていますが、このような矛盾があるので必ずしもそうは言えないのではないかと私は思っています。
 

お礼日時:2004/02/22 09:50

 モノが重力場の中で静止しているためには、なにかにぶら下がってるとか、そういう状況でしょう。

で、重力場を打ち消す座標系ってのは、自由落下している座標系である。
 ここに等価原理を入れてみると、すなわち「慣性座標系から見て一定の加速度で直線運動しているモノがどれだけの放射を出すか」という問題でしょうね。
 ところで、モノが電荷を持っているかどうかで放射が出たり出なかったりというのは?水素原子は中性だから加速しても放射が出ない?で、電子と陽子をまとめて加速したら、それぞれ電荷があるから放射を出すわけでしょう?
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。電荷の総和が0である電荷の系が加速度を持つ時、双極放射、四重極放射などを出すと思います。水素原子の多重極モーメントを求めるには量子力学が必要でしょう。双極モーメントは原子では0です(例えばランダウ-リフシッツ「量子力学1 P.292」)。また基底状態では電子と核のスピンを合成するとJ=0とJ=1の状態がありますが、J=1の状態は四重極放射を重力場の中の加速度で放出するのではないかと思います。なお、質問で私が重力場の中で電荷は早く落下する?と書きましたが、電磁波放射によるエネルギー損失が一種のエネルギーの様に働いて速度が遅くなるように思えてきました。

お礼日時:2004/02/13 18:35

ご質問の文章の冒頭で、あれ? と思いました。



>等価原理によれば、重力場は局所的には加速度運動している慣性系と同等です。重力場の中で電荷が静止している時、重力を打ち消すような系で見ると、電荷は加速度運動をしていますから電荷は電磁波を放射するのでしょうか。

私は何でも単純に考えるたちなので、こう考えちゃいますけど。

「重力場は加速度と同等です。重力場の中で電荷が静止している時、重力を打ち消すような系で見ても、電荷は加速度を受けているだけで加速度運動はしていません。だから、電磁波も放射しません。」

なんか、こうじゃないと、世の中色々おかしくなっちゃうような気がするんですが。
この辺のレベルの話で、電磁気-重力の統一理論が必要になる気もしませんし。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。「加速度を受けている」というのと「加速度運動をしている」というのはどこが違うのか解りませんが、加速度を持っている電荷は当然電磁波を放出しなければならないはずです。

お礼日時:2004/02/10 01:22

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