
衆議院選挙の比例区はドント方式が採られていますが、
なぜ、この方法が選ばれているのでしょうか。
仮に、7議席を争う選挙区で、以下のような結果となった場合、
政党 A 政党 B 政党 C 政党 D 政党 E
得票数 340,000 280,000 160,000 60,000 15,000
得票率 39.7% 32.7% 18.7% 7.0% 1.7%
ドント方式では、A*3議席、B*3議席、C*1議席となるようですが(wikipedia「ドント方式」より)、
7(議席数)に得票率を掛けた値(Aから順に2.78、2.30、1.31、0.49、0.12)を利用し、
整数部を議席数に、残りの議席は小数部の大きい政党から順に分配という方法
(A*3議席、B*2議席、C*1議席、D*1議席となる)
でもいいような気がします。
ドント方式はどういった点が優れているのでしょうか?
私が例示した方法はどの点が劣っているのでしょうか?
また、もっと良いと思う配分方法があれば教えて下さい。
(私の例はあくまでも一例なので、私の例の欠陥を指摘いただくよりも、
他の方法ではなく、なぜドント式がさいようされているのかをメインに、解説頂けるとありがたいです)
.
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
この問題については以前個人的に興味を持って考察してみました。
その時の私なりの結論は、比例代表の利点を生かす際に最大のネックとなるのは、議席配分方式の違いよりも、定数(の少なさ)によるということです。具体的に言えば、比例代表制度の長所として指摘されている以下の2点が、定数が少ないとどちらも困難になります。
1。有権者の多様な民意を正確に反映させ得る(得票率の割合にできるだけ比例した議席数にできる)こと
2。死票を少なくできること
ご質問の事例の場合、ご提示の方式(最大剰余方式)は2については有利で死票はE党の得票の1.7%だけですが、1についてはドント方式より劣ります。同じ1議席が配分されているD党が7%の得票率なのに対し、C党は18.7%と2倍以上の開きがあります。これは「比例」代表選挙の根幹にかかわる問題であり、「小政党が優遇されすぎる」という批判を受けるでしょう。ドント式の場合、死票はD党とE党の得票の合計の8.7%と多くなりますが、1議席あたりの得票率の最大と最小はC党の18.7%とB党の10.9%で最大剰余方式よりは割合が小さくなっています。ドント式はひと言で言えば「大きな間違いはない」実用的な方式だといえると思います。
ご質問の事例でも仮に定数が2倍の14であれば、ドント式によればA~E党の議席数は、6、5、2、1、0、また最大剰余方式では5、5、3、1、0となります。ドント式の方が大政党にやや有利、最大剰余方式が小政党にやや有利な結果となりますが、D党が1議席を得ることには違いがなく、1議席あたりの得票率の格差も大きな違いはありません。
その点から言えば、比例代表の利点を生かすには定数をある程度多くする必要があり、あまり細かなブロック単位にして定数を小さくするのは考えものだと思います。
No.1
- 回答日時:
ドント式は「支持投票数を使って議席を競り落とす」システムです。
お書きになった例で考えてみます。まず議席が一つなら、Aがその議席をとります。
議席が二つの時、Aが二議席を狙うなら、340,000を二つの議席に振り分けて170,000票で競り落としにかかります。しかし、Bが280,000票で競りかけて、二番目の議席はBが競り落とすことになります。
議席が三つなら、Bが二議席奪うには140,000票に分けるしかありませんから、Aの170,000票×2には勝てません。また、Aのこの票数はまだCを上回ります。よって、Aが二つ、Bが一つ競り落とします。
このようにして分配していくのがドント式です。したがって、ドント式は必然的に
一議席を支持する投票数が均等化される
ことになります。どの政党の議員も似たような数の投票者の支持を得て議席を得たわけですから、平等なシステムであるわけです。ただし、この票の割り振り方からわかるように、小政党ほど議席を得る機会があと回しにされますから、小政党に不利になりがちです。
最大剰余法は一見自然に見えますが、ドント式と違い一議席を支持する投票数がバラバラになります。つまり、同じ一議席でも小数の支持によるものと多数の支持によるものがあるわけで、有権者の一票の重みが公平に反映されません。また、全政党が同じ得票数で総議席数が増えた時に、逆に議席数が減る政党が出てくるという「アラバマのパラドクス」という不自然な現象が起こる場合があります。ドント式では明らかに有り得ないことなので、これもドント式の利点になります。
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