プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

お世話になっております。
当社において経理財務部で、ある程度ヒトモノカネにおけるカネの部分を修得させた
後に、海外や国内の事業所や子会社、もしくは経営企画、マーケティング等あらゆる部署
で、その知識を生かして活躍してもらうといった計画が進んでおります。
当社の規模は1000億程度であり、経理財務のスペシャリストはもちろん、その他の部門で
将来を担ってもらう人材にも、ジョブローテーションの一環として経理財務部でコスト感覚
を身につけたいと考えております。
その際に、年数ベースでの人材育成計画といったものを作成すべきであると考えている
のですが、そういった部分に焦点をあてた書物やインターネットサイト等をお教えいただき
たいのですが。
3年程度である程度のスキル(メーカーですので、管理会計よりのスキル)を身につけさせ
る事ができればと考えております。
また、一般的な会社ではそういったものは存在するのでしょうか?
私どもの会社は非上場という事もあり、職種により数段階のグレード等は分かれているのですが、
年数ベースで、そういったものが一切ありません。
そのせいか、ジョブローテーションにも大変消極的です。
何卒、アドバイスの程よろしく尾根がいたします。

A 回答 (1件)

歯科医師です。

医師や歯科医師の臨床研修制度がこれに似ているように思います。
一般の企業については、行っているところもあるし、行っていないところもあります。私が個人的に知っている範囲の中小企業(100社程度)では、明確に研修という意図を持って研修を行っているところが数社ありますが、きちんとしたカリキュラムを作っているところはないようです。
これについて解説した本があるかどうかは知りません。

数年前に歯科医師の臨床研修が必須となりました。これに伴って、臨床研修を指導する臨床研修指導歯科医師となるための研修も行われるようになり、私も受講しました。

臨床研修では、1年間の研修カリキュラムを作成し、これに従って研修を行います。そこで、臨床研修指導歯科医師は、効率良く研修生が診療技術を身に付けることができるようなカリキュラムの作成能力が必要となります。そこで、臨床研修指導歯科医師研修では、臨床研修のカリキュラムの作り方を学びます。


カリキュラムの作成方法の概略だけご説明します。

「カリキュラム」とは教育活動の計画書であり、目標、方略(方法)、評価の三つの要素から構成されます。

1)目標

目標には、期待される成果である「一般目標」とその目標に到達した学習者が行う、「観察可能な具体的な行動」としての「行動目標」の2つがあります。

たとえば、
一般目標:(学習者は)収益性分析を理解する。
行動目標1:(学習者は)与えられたBS、PLから費用構造についての指標を計算し、どの指標に問題があるか指摘する。
行動目標2:(学習者は)BS、PLから資本効率に関する指標を計算し、問題のある指標を指摘する。
行動目標3:問題のある指標が事業のどのような問題が反映されたものであるかを指摘する。
行動目標4:問題のある指標をいくつにすればよいかを提案する。
行動目標5:問題のある指標を上記にするための方法を提案する。

のように目標を定めます。
ここで、目標を表す文章は学習者を主語として、その研修を終わったときに期待される成果として、研修によってできるようになったことを「・・・する。」というように表記します。ですから、
「収益性分析を理解する」というのは、「学習者は収益性分析が理解できるようになっている。」といういみです。また「理解した」ということは、「5つの行動目標が実行できるようになっている」という意味であることを示しています。

実際には、まずその人材育成計画の期間が終わったときに、その人材がどのようになっているかという
一般目標を作成します。そして、その一般目標をさらに、たとえば簿記、財務分析、原価管理、設備投資の採算性などのようにいくつかに分けた「科目」を作り、その科目ごとの一般目標と行動目標を作ります。もし必要なら、それぞれの科目をさらに細分化した補助科目に分けて一般目標と行動目標を作る場合もあります。

なお、上記の一般目標と行動目標はわかりやすい例としてとりあえず挙げてみただけです。実際にこれが目標として適切であるかどうかはわかりません。最終的に御社はどのような人材を求めているのか、その人材は財務の分野ではどのような能力を必要とされているのか、などから目標を定めるべきです。


2)方略
どのように学習するか(Leaning Strategies LS )学習方略、またはどのように教授するか(Teaching Strategies TS )教授方略について、方法(講義、演習問題、討議など)と順序について述べたものが方略です。これには、どこで(会議室で等)どのような資源(液晶プロジェクター、ホワイトボード等)を使って誰が教えて予算(ホワイトボードマーカー代、講師謝礼、問題集作成コピー代等)はいくらかかるか、を含みます。


3)評価
「教育」とは学習者に価値ある行動の変化をもたらすことです。この行動の変化を1)測定し、2)測定の結果を価値判断し、この結果どうするかについての3)意思決定をすることが評価です。

評価の結果によっては、方略を変更したり、目標を変更したりします。



カリキュラム研修は、おおよそこんな内容の研修でした。実際にはKJ法などを使って目標を設定するための研修がいろいろとあり、まる2日間かかる研修でしたから、もっといろいろなことがあったのですが、書き始めるときりがないので、概略に留めます。
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