
図書館と著作権法についてです。
一般的には、図書館は著作権法に違反しないと言われますが、その明確な根拠は何でしょうか?
確かに、法38条では
「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。 」
となっています。
なので、本やCDの貸し出しも、DVDを見せるのも、絵本や紙芝居の読み聞かせも、合法だと聞きます。
しかし、図書館に対してこの条文を適用することは、本当に出来るのでしょうか?
例えば、図書館のサービスが充実しているという理由で、その自治体に移り住む人がいれば、自治体の税収が増えます。
なので、「営利を目的」としていると見做す余地はありませんか?
また、絵本の読み聞かせでは、司書に給与を払って朗読会を開催しているので、「当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合」に当てはまらないでしょうか?
同様に、本の貸し出し業務をする職員に対しても、給与を支払っていますし。
もしかしたら、私が法38条の解釈を間違えているかも知れませんが・・
分かりやすい説明をお願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
1.>図書館は著作権法に違反しないと言われますが、その明確な根拠は何でしょうか?
ご質問の「図書館は著作権法に違反しない」は必ずしもそうは言えません。問題があることも確かです。また、図書館が「著作権法」だけに従って運用されているわけではありません。また、図書館に関するご質問で多いのは、貸出しのことよりもむしろ図書館における複製ですが、これは著作権法第31条に依ります。
2.>本やCDの貸し出しも、DVDを見せるのも、絵本や紙芝居の読み聞かせも、合法だと聞きます。
本やCD: 貸与権
図書館の貸出しは著作権法第38条第4項「公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。」に依ります。
DVDを見せる: 上演権、上映権
お示しの著作権法第38条第1項「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」に依ります。
絵本や紙芝居の読み聞かせ:上演権(口述権)
上に同じ。
以上は、営利を目的とせず、かつ、料金を受けない条件で、(著作権者の許諾を受けずとも)公に提供できる、ということで、これには図書館の活動も含めて認められています。(合法で無侵害)
著作権法で「図書館」が明示的に規定されているのは「複製権」ですが、貸与権等については「図書館」のみを特別に扱う必然性が無いからです。
3.>(図書館が)「営利を目的」としていると見做す余地はありませんか?
余地は無いとされています。
ご参考までに、図書館には図書館法で定められた種類のものがあり、ご質問はおそらく自治体などが設立する公立図書館の場合と考えられます。
企業や個人が設立している私立図書館などは、むしろ営利が目的です。
図書館法第28条「私立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対する対価を徴収することができる。」
4.>図書館のサービスが充実しているという理由で、その自治体に移り住む人がいれば、自治体の税収が増えます。
そういう理由で移り住む人がいるかは疑問です。たとえば、利用者の希望で、他の(他の自治体の)図書館から図書を取り寄せるサービスは、すでに一般化しています。
たしかに、転入する人が増えれば地方税歳入は増えるでしょうが、他の経費の方が圧倒的に多いでしょう。住民全体のうちで、図書館を利用する人は圧倒的に少数ですから、限られた利用者は他の住民による経費負担のお世話になっているとも言えます。
5.>報酬が支払われる場合」に当てはまらないでしょうか?
当てはまりません。
この場合の報酬(料金、対価)とは、そのサービス(朗読、貸出し業務)に対してのもので、職員の給与ではありません。通常は、職員は地方公務員です。
6.コメント
たとえば図書館が、希望者が多いからといってベストセラー本を多数備えて貸与するということがあれば、著作権者の利益を不当に害するとして、法改正に結びつくかも知れません。限度があるとみなすかどうかです。
詳しい解説、ありがとうございました。
「図書館は著作権法に違反しない」は必ずしもそうは言えません。との指摘は予想外でした。
私の指摘そのものは違っているみたいですが、図書館の制度に問題ありなのは確かですね。
No.4
- 回答日時:
図書館の貸し出しに関してはその第1項ではなく、第4項
4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
ちゃんと条文を読みましょう。「公に上演し、演奏し、上映し、又は口述」か「貸与により公衆に提供」によって適用は変わります。貸与には報酬条件はありません。
憲法を持ち出す人は違憲判決によりこれらの条文が無効化されるという意味ですかね。
主に図書館を想定して作られた条項ですから、立法趣旨から問題ないでしょうが、解釈としては給与は図書館の業務全般に関してであって実演や口述の報酬を特別に支払われていないからでは?オーケストラ団体であれば給与は実演を想定したものでしょうが、図書館員の給与は実演等を前提としていません。
税収を営利は無理がありすぎます。
回答、ありがとうございました。
ご指摘の通り、貸与について対象となる条文が違っていましたね。
私の解釈が正しくないと言うことでしたか・・
No.2
- 回答日時:
著作権法第31条の運用のガイドラインに書かれています。
また図書館の運用に関しては「国立国会図書館法」を見ないと意味が無いです。
また憲法の知る事の自由に関して、図書館が無ければ、書店しか無く、図書が人気のある物に偏っていて、著作者に取っても公平性を損なう可能性がありまあすが、図書館であれば、可能な限り全てのジャンルを集め情報を得る(知る権利の行使)が公的施設という事ですから、憲法より、一般の法律が上位に判断される事は無居でしょうから、違法と言う解釈は成り立ちません、もしも、書店が利益を度外視して全ジャンルを公平に扱うなら、図書館が貴方の言う物でしょうが、現実は売れる物しか置かないのが書店です。
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