プロが教えるわが家の防犯対策術!

少し長くなりますが、理解している部分を説明し、その後に疑問を問いかける形式で質問させていただきます。

基本的には「は」は主題を表すのに対して「が」は主語を表します。よって、“ゾウは鼻が長い”などの文では、言い換えれば“ゾウについていえば(主題)、鼻が(主語)長いです”という風になります。もちろん、大抵の場合は文の主題と文の主語は同じなので「は」と「が」の使い分けが難しくなります。

しかし、文の種類によっても「は」と「が」の使い分けは異なりますので、それを参考にするとより使い分けが分かりやすくなるのでここで付け加えておきます。「は」は名詞文や形容詞文の時に用い、「が」は動詞文の主語に用います。よって、以下のような例が挙げられます。

佐藤さんは社長だ。(名詞文)

佐藤さんはやさしい。(形容詞文)

佐藤さんが来る。(動詞文)

これらの文は皆、「は」と「が」を入れ替える事は可能ですが、そうすると意味が異なります。名詞文と形容詞文では「が」を用いると、主語の“佐藤さん”の他を除いた意味が強調されます。よって主語以外を排除した意味の、“社長/やさしいのは他の誰でもない、佐藤さんです。”という意味になるのです。同様に、動詞文での格助詞の置き換えも、ここでは「は」を用いる事により他の人を排除した、“来たのは佐藤さんであって他の誰でもない”という意味の分になります。

しかし、ここで疑問があります。というのも同じ動詞文でも次のような文では「は」を用いる事が通例だということです。

佐藤さんは日本から来ました。

佐藤さんはすしを食べます。

などです。これはどうしてなのでしょう?なぜ理由・場所や目的語が入ると文法のルールが効かなくなるのでしょう?“佐藤さんが日本から来ました”ではどうしても主語が強調された形になってしまい、上記の一般的な文法書での説明とは異なってきます。また、次のような例を見ると余計複雑になります。

(1)ゴジラは海から来ます。

(2)ゴジラが海から来ます。

動詞文なので(2)が正しいはずですよね?でも、動詞文=「が」=通常(強調ではなく)という一般説では、説明がつかない事が分かります。(2)では主語のゴジラが強調されているからです。(これは主語を佐藤さんに置き換えても同じ事です)

もしかすると、「は」と「が」の主な違いには、さらに「は」は反復的動作や習慣を表し、「が」は一つのある時点での動作を表すのではないでしょうか?ただ、そうだとすると、“動詞文=「が」が一般的”説は崩れてきます。

誰か文法的になぜ動詞文では「が」を使うのか、それは「来る」という不規則動詞意外の他の動詞を使った時も有効なのか、またそうなら、なぜ目的語などを文に入れると、「が」が「は」に変わるのか、そしてその変わった文は果たしてまだ「動詞文」といえるのか、という点について教えてもらえると嬉しいです。(あとちなみに形容動詞文はどう区別されるのでしょう?)(あっ、それと、もし形容詞文には「は」が主語を表す格として使われるのなら、なぜ初めの例の“ゾウは鼻が長い”では「が」を使うのでしょう?)

A 回答 (4件)

1.


わたしの理解では、「が」というのは、【特定】の用法を持つ格助詞です。
特定の対象は主語であったり、目的語であったり様々です。いずれにせよ特定することが目的なので、
・佐藤さんが社長だ。
・佐藤さんがやさしい。
の場合、おっしゃるように、“社長/やさしいのは他の誰でもない、佐藤さんです。”という意味になります。

「は」の基本的用法は、【主題の提示】です。
辞書などを見ると色々な意味が書かれていますが、この基本的意味から派生したのものと捉えるのが妥当だとわたしは思います。
・佐藤さんは来る。
の場合、
「佐藤さんに関して述べてみると、彼は来る」という意味です。
ここで強調されているのは、むしろ述部の「来る」です。
“来たのは佐藤さんであって他の誰でもない”と解釈されていますが、これは違うと思います。
主題として取り上げるわけですから「他の人を排除した」という要素はたしかにあるのですが、排除したことが重要なのではなく、「(排除した結果として残った)佐藤さんに関して述べる」というのが「は」の根本的な用法なわけです。

・佐藤さんが日本から来ました。
は、「日本から来た人」を特定(強調)することが目的の文です。
・佐藤さんは日本から来ました。
は、佐藤さんに関して述べることが目的であり、その内容である「日本から来ました」が文の重要な要素になります。


2.
「上記の一般的な文法書での説明」がどの部分を指すのかはっきりしませんが、少なくとも
『「は」は名詞文や形容詞文の時に用い、「が」は動詞文の主語に用います。』
ということはありません。
「は」と「が」の用法に関して、動詞文か形容詞文か名詞文かは関係ないはずです。
“動詞文=「が」が一般的”というのは全く意味がないと思います。
(1)ゴジラは海から来ます。
は、「ゴジラに関して述べてみますが、(ゴジラは)海から来ます」
という意味。
「は」は、「これからゴジラに関して述べます」という[主題宣言]が目的の用法と言うこともできます。
(2)ゴジラが海から来ます。
は、「海から来るのは何かと言えば(何かと特定すればそれは)ゴジラです」という意味。

3.
このように、
「は」は主題提示(または主題宣言)
「が」は特定(による強調)
とシンプルに理解しています。
“ゾウは鼻が長い”
は、
「ゾウに関して述べてみますが、長い部分を特定するとすれば、それは鼻です」
という意味になるでしょう。
腑に落ちなければ、どうぞ補足なさってみてください。
   
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この回答へのお礼

返信、そして納得のいく説明をありがとうございます!「一般的な文法書」はあえて曖昧な表現を使いましたが、動詞の「来る」に関していえば、日本語を外国人に教えるための文法書、また小学校で使われる国語の教科書やその他いろいろなインターネット記事では、“単純”(目的語や補語なしで)に「来る」が動詞として使われる場合、例外なくすべての例文において、「が」が主格格助詞として用いられていること、を総括して「一般的な文法書」とさせていただきました。例えば、「春が来ます」や「彼が来る」などの文です。ただ、「が」と「は」の使い分けについての説明の文で、「動詞文=が」の説明にはやや疑問が残りました。まず最大の欠点は、この記事では「来る」意外の動詞文を例に出していないことでした。というのも、明らかに「私が起きる」や「彼女が走る」のような、「来る」意外の動詞で、“動詞文は「が」をとる”といわれても“一般的な使い方”(国語の教科書、また日本語を教えるための代表的な参考書である「げんき」、「みんなの日本語」、そして「なかま」のどれもが例外なく「は」を使っていること、そしてなにより日常会話)とは異なっているように思えて、文法的な説明を探していたいうわけです。

3点にわけての丁寧な説明、非常に感謝しています。生徒への説明の参考にさせていただきます。どうもありがとうございました。

お礼日時:2013/07/23 23:27

動詞文は基本的に「が」、形容詞文や名詞文は基本的に「は」、というのが間違っているのだと思います。



ものごとを比較するときはなるべく同じ条件で比較しなければなりません。例としてゾウについて解説した文章の中の表現という設定で比べてみましょう。
「ゾウはらっぱ音のような声で鳴きます。」「ゾウは陸上の生物の中でいちばん大きい。」「ゾウは四本脚の動物です。」というように、すべて「は」を用いることになるでしょう。
つまりゾウがどのような生きものかを説明するならすべて「は」でいいのです。
これは目的語などがついているかどうかとは関係ありません。「ゾウは鳴く」「ゾウは大きい」「ゾウは動物だ」となりますね。
佐藤さんにしても、佐藤さんがどんな人かを説明するなら「佐藤さんはよくしゃべる」「佐藤さんはしつこい」「佐藤さんは部長だ」というようにすべて「は」でいいわけです。
ただ、形容詞文や名詞文と異なり、動詞文はある瞬間、というか、極めて短い時間の間に起こることを説明するのに使われることがしばしばありますよね。その場合は「が」を使うこともあります。質問にある例文でいうと「佐藤さんは社長だ」「佐藤さんはやさしい」は佐藤さんの状態や性質を表すのですからある程度の期間持続するものですが、「佐藤さんが来る」は「あ、佐藤さんが来るよ。挨拶しなくちゃ」とか、「5時に佐藤さんが来るからそれまでにはこの書類を仕上げよう」というように、ある特定の時間における行動を表す表現でしょう。特に、今この瞬間のことを表す場合には「が」のようですね。上記の例でいうと「あ、佐藤さんが来るよ。挨拶しなくちゃ」は今この瞬間のことで、これは「は」には換えられません。
結論としては、「佐藤さんは社長だ」「佐藤さんはやさしい」と「佐藤さんが来る」は同じ条件になっていないので、これらを比較して「名詞文は形容詞文は『は』を使い、動詞文は『が』を使う」と考えること自体が間違っているのだと思います。

「佐藤さんは寿司を食べます」だって、「佐藤さんは毎週1回は寿司を食べます」というようにある程度の時間持続する状態や性質を説明するなら「は」ですが、そうでなければ「が」だって使えます。「ほら、見てごらん。佐藤さんが寿司を食べるよ。あんなに生魚はきらいだって言ってたのに」というように。

「ゴジラは海から来ます」と「ゴジラが海から来ます」にしても、別にどちらが間違っているということはありません。ただ上記の説明と同じで、ある程度の期間続く状態や性質を説明するなら「は」です。ゴジラという怪獣は海から来るものなんですよ、そういう性質を持った生き物なんですよ、ということを言いたいなら「ゴジラは海から来ます」でしょう。そうでない場合はどちらもありそうですね。「ゴジラは海から来ます。だから海岸線に防衛ラインを作ってやっつけましょう」も「ゴジラが海から来ます! みなさん、一刻も早く山に避難して下さい」もありですよね。ただ、今この瞬間にゴジラがやってきているなら「が」ですよね。

それから、形容詞と形容動詞はともに様子や性質を表すので、同じように扱われることが多いみたいですよ。もちろん形容動詞文だって「は」も「が」もありです。「佐藤さんはいつも冷静だ。ああいう人に私もなりたいなあ」も「いつもはせっかちな佐藤さんが今日はやけに冷静だ。なにかあったのかな」も正しい表現ですよね。
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ん~, なんなんだろうなぁ.... その「一般的な文法書」が, なんかおかしな感じだ....



「は」は副助詞 (あるいは係助詞) であり, それが付く字句を強調することにより他の同種のものと切り離して考えることになります. 例えば
佐藤さんは社長だ
佐藤さんは優しい
佐藤さんは来る
のいずれも「佐藤さんは」で着目している人についてのみ述べており, 他人については全く言及していません. 逆に言うと, ほかに社長である人がいてもいいしほかにやさしい人がいてもいいし, ほかに来る人がいてもいい (もちろんいなくてもいい) んです.

あと, 動詞文で「は」を使うと未来を感じさせることはあるかも. 例えば
ゴジラは海から来ます
ゴジラが海から来ます
を対比すると, 前者が「将来の時点」あるいは「一般性」を感じるのに対し後者は「今まさに」という感じがします.

しかし, 「動詞文」とか「名詞文」とか「形容詞文」とか見ると, ふと「エジプト語かよ」って突っ込みたくなる.... なんでだろ.
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>“佐藤さんが日本から来ました”ではどうしても主語が強調された形になってしまい


>(2)では主語のゴジラが強調されているからです

 このとらえ方に疑問があります。強調されていますか? 「が」が主語を特定し、他のことに言及していないだけで、とりたてて言っているように感じられるだけではないでしょうか。

 強調する働きはむしろ「は」にあります。
(1)ゴジラは海から来ます。 …他の怪獣は知らないが、とにかくゴジラについて言えば(海から来る。)
(2)ゴジラが海から来ます。 …海からやってきたものの正体はゴジラである。
これだけの違いですよね。

>佐藤さんは社長だ。(名詞文)
>佐藤さんはやさしい。(形容詞文)
 これらの例文でも、「が」を使うことは可能です。
・この中のどなたが社長ですか? 佐藤さんが社長です。
・今日、会社でどうだった? うん、佐藤さんがね、とっても優しかったの。

「象は鼻は長い。しかししっぽは短いよ。」
このように、形容詞文であっても、「は」を使うことは可能です。


 そんなわけで、私にはどこが疑問点なのかわかりません。「強調」ということのとらえ方が違うのかも。

 「は」は「が」や「を」など、いろんな助詞の代わりができるように見えます。しかしその場合、「は」が「が」に取って代わったのではなく、上に被さっただけで、元の「が」は「は」の下で生きている、ととらえれば、考えを進めるヒントになるのではないでしょうか。他の方の回答を楽しみにしています。

この回答への補足

返信ありがとうござます。付け加えましたが、この質問をする理由は今現在、外国人に日本語を教えているからです。よって、「は」と「が」の微妙な使い分けについて文法的な説明が付けにくく、いろいろな人の見解を参考にしたいな、と思い投稿しました。

そうですね、確かに「強調」の捉え方に違いがあるようにも思えます。どちらの言い方も文脈や背景によっては強調に捉えられるように感じます。「象は鼻は長い。しかししっぽは短いよ」の文ではやや、「は」の文法的な使い方が異なるような気がします。この場合、「は」は、主格を表す格助詞としてではなく、逆接を表す助詞として使われているのではないでしょうか?

もっといろいろな方の回答も聞いてみたいと思います。

補足日時:2013/07/23 15:49
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