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未収還付法人税等や未納法人税等、未納住民税等は別表5(1)に直接記入されるのですか?

もし直接記入されるのでしたら、なぜそうなるのでしょうか?
別表5(1)には別表4で留保項目とされたものが記載されると学んだのですが。

A 回答 (1件)

別表5(1)は、別表4からの転記のみを目的としている、というとらえ方では理解が進みません。


別表5(1)は、要するに期末時点の利益積立金額(31のマル4)を計算(及びその内訳を表示)するのが目的です。
B/Sの「利益剰余金」と、別表5(1)の「利益積立金」とは似ているようで何が違うのかという観点で見ることとします。
話を簡単にするため、定常的に黒字決算を続けている中小企業を想定して説明します。
別表5(1)については、以下の記述ではすべて最右端のマル4の列の金額を指しているものとしてお読みください。

まず、別表5(1)の1欄、2欄、26欄の合計は、すなわち「B/S利益剰余金」と同額です。

よって、「5(1)利益積立金」と「B/S利益剰余金」の差異の原因は、別表5(1)の3~25欄、および27~30欄に潜んでいることになります。
で、実は、「5(1)利益積立金」は「B/S利益剰余金」に対し、一般的には次の3項目を加減した値なのです。順に、別表5(1)の上で検証していきましょう。

(1)別表4での所謂「加算・減算」項目で「留保」のものを加算・減算
(2)事業税の確定額を加算
(3)「納税充当金」の"贅肉"を加算

(1)は、減価償却費の超過分とか、各種引当金で会計上の費用として計上したが税務上の損金とはならないもの、等々で、あえてこれ以上の説明は省略させていただきます。これらは別表5(1)の3~25欄のどこかに記載されていることと思います。税効果会計で出てくる「繰延税金資産」などもここに記載されます(勿論別表4にも)。この(1)に係る記録こそ、別表5(1)の最大の役目かと思います。

(2)は(3)とも関連するのですが、そもそも「5(1)利益積立金」は「B/S利益剰余金」と同じく、基本的に税引後の金額です。
ところが、法人税、住民税、事業税のうち、事業税だけは別表5(1)上では"現金主義的"な扱いを受けることとされており、つまり翌期に初めて「5(1)利益積立金」が減るわけで、従って期末時点では、事業税の確定額(翌期に支払う分)に相当する金額だけ「5(1)利益積立金」の方が「B/S利益剰余金」より多いのです。
このことは、別表5(1)の27欄と28~30欄とを見比べると理解できます。
いずれも最右端の列ですが、27欄の納税充当金は、法人税、住民税、事業税の各確定額の合計(又はそれより少し多めかも。(3)で説明します)であるはずのものです(値はプラス表記されています)。
一方、この納税充当金の"カウンターパート"たる28~30欄には、法人税と住民税だけの確定額がマイナス符号で記載されており、事業税の欄がありません。
ということは、27~30欄トータルで考えると(代数和をとると)、事業税の確定額に相当する金額の分だけ加算していると解釈できます。

(3)は「クッション」とも称されるものです。
前項「納税充当金」のところで、「又はそれより少し多めかも」と申しましたが、期末に「納税充当金」を計上する際、諸事情により実際には少し多めに計上することが一般的に行われています。
「納税充当金」とはいうまでもなくB/S上の「未払法人税等」のことですが、B/Sの構造から明らかなように、「未払法人税等」を水増しすれば「資本の部」つまり「B/S利益剰余金」はその分減少します。水増しにより会計上の利益は減りますが、「税務上はその水増し分も("隠れた")利益としてカウントしますよ」というのが標題の「"贅肉"を加算」というわけです。
もし水増しがあると、
27~30欄の代数和=(事業税確定額+水増し額)
となり、確かに水増し額も別表5(1)に加算されることが分かります。
別表5(1)が本来税引後のものを計算するための表であるのに何故税金の欄(27~30欄)があるのか一見不思議なようですが、まさにこの"贅肉"を捕獲するためなのです。
会計仕訳による納税額と、本当の納税額の差額を計算しているのが一つの側面です。会計仕訳による納税額は別表4から引っ張ってきます。一方、本当の納税額は直接入力するしかありませんね(会計帳簿にその数値はありませんからね)。

このように、(2)と(3)の事柄が27~30欄に仕組まれているのです((1)だけならば構造は単純なのですが・・・)。

未収還付法人税は、「マイナスの未納法人税」と考えれば、話は同じことですね。
また、中間納付についても同様のことがいえますね(別表4からの転記と手入力とがあります)。
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この回答へのお礼

ご解答ありがとうございました。
また、ご返答が遅くなりまして申し訳ございませんでした。

あれから色々な書物を読み勉強いたしました。
gihunさんがおっしゃるとおり、別表5(1)は、別表4からの転記のみを目的としている、というとらえ方では駄目でしたね。

別表5(1)は、期末の利益積立金額を求めるのが目的ですから、その為にはどのようにしていくかを考えるようになりました。

理解のヒントを頂いて本当にありがとうございました。
また何かありましたら、よろしくお願いいたします。

お礼日時:2013/08/17 17:38

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