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ブリジストンのエコピアEP001Sみたいに、AAA/aのタイヤってどういう技術を用いているのですか?
転がり抵抗とウェットグリップ性能って相反する性質ですよね。
また、ウェット性能とドライ性能ってある程度比例すると思っていたのですが、この商品も含めてウェット性能は高くてもドライ性能は低いタイヤもあるみたいです。
それはやはり、ウェット重視とドライ重視で開発の仕方が違うのでしょうか?

A 回答 (3件)

現在の省燃費タイヤの主流は、溶液重合SBR(スチレンブタジエン共重合体)と呼ばれるゴム高分子にシリカと呼ばれる水晶の細かな粉末を練りこんで、作られています。



この技術は10年以上前にミシュランが開発したもので、昔ミシュランのタイヤを使用された方は、耐久性やウェットグリップ性に驚いた方も多いかと思います。

タイヤの素材をゴムのボールにたとえた場合、壁に投げつけて強く跳ね返ってくるボールは燃費が良くなります。反対に跳ね返りの悪いボールは燃費が悪くなります。
強く跳ね返るボールは、運動エネルギーの損失が少なく、
跳ね返りの弱いボールは、運動エネルギーが熱などの他のエネルギーに変換されているからです。
実際にタイヤの空気圧を上げれば、燃費は良くなりますし、下げれば悪くなります。

自動車のタイヤは走行中に、絶えず振動を繰り返しています。
通常の走行では100Hz(1秒間に100回)以下の比較的ゆっくりした振動が生じます。
路面に対する車の荷重でタイヤがたわんだ状態が繰り返されるわけですが、この時よく弾むボールのような特性があればエネルギー損失が少なく燃費は良くなります。

急ブレーキを踏んだ時や、急カーブを速い速度で曲がるときには、タイヤから悲鳴のような高い音(スキール音)が発生するのを聞いたことがあるかもしれませんが、この時タイヤと路面の間には1000Hz から10000Hzの高い振動が発生しています。この状態で高いグリップ力を得るには、弾まないボールのように運動エネルギーを熱に変換できるゴムが有利です。

省燃費タイヤでは、タイヤの振動周波数によって、特性が変わるように設計されています。
巡航速度のゆっくりした振動では、空気圧の高いタイヤのようにエネルギー損失が少なく、急ブレーキを踏んだ時に発生する高い周波数では、エネルギーを吸収して熱に変換する特性が与えられています。

溶液重合SBRにシリカを分散させたゴムは、振動の周波数によりエネルギーの吸収性が変わる特性があります。なおかつ材料価格もタイヤ生産に見合った値段であり、タイヤ素材としての強度も持ち合わせています。

ウェット性能に大きな影響を与えるのはトレッドパターンです。
レグノのような高性能タイヤでも、溝がなくなると雨天の高速道路ではスピンします。
タイヤに先の方が述べらているように、タイヤの溝がゴムと路面の間の水を排出するポンプの役割をしています。圧縮変形を繰り返して水を吸い出しています。
タイヤパターンはタイヤが発生する騒音の原因ともなりますから、各タイヤメーカーはスパコンでシュミレーションして実際に走行試験を繰り返して実験を繰り返しています。

トラックのタイヤなどは、天然ゴムにカーボン(煙突のススののような炭素の粉末)を入れています。それは強度と耐久性を重視するためですが、ウェットグリップ性はよくありません。
スポーツタイヤやスリックタイヤは 合成ゴム または天然ゴムと合成ゴムを混ぜたものにカーボンを入れたゴムが多いようですが、このタイプではドライグリップは優秀ですが、ウェットには弱い傾向があります。
一概には言えませんが、タイヤの溝が少ないこと以外に、シリカに比べカーボンは水に対する親和性が低いので、水と油のように分離しやすく水の膜をぬぐいきれないからです。

ウェットグリップ性を重視するならば、シリカを配合したゴムが有利になります。

ミシュラン信者は、今でもミシュランのウェット性能を信じて譲りません。
かくゆう私もレグノを履くまで、ミシュラン信者でした。
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この回答へのお礼

詳しくありがとうございます。
タイヤの振動周波数によって、特性が変わるように設計されているものもあるとは知りませんでした。

ちなみに、タイヤには詳しくないのですが、ウェットグリップが強いほうが安心なので、ウェットグレードaのヨコハマブルーアースAに最近交換しました。

お礼日時:2013/10/20 22:16

もう一つ、重要なことを書き漏らしていました。


タイヤの発熱です。
コンパウンドの硬さと関係してくるのですが、タイヤが冷えた状態ではコンパウンドが硬いためグリップ力が低下します。
最新のタイヤは、如何に早く温まって、適温を維持できるかも重要視しています。
ウェットであろうがドライであろうが凍結路であろうが同じことです。
冷たすぎてもだめ、熱くなりすぎてもだめ。
タイヤという物は如何に複雑怪奇で単純に割り切れない物であるかという事です。
レーシングタイヤの様に割り切れればいいのですが、公道用タイヤはバランスの鬩ぎ合いで成り立っている物です。

この回答への補足

私も少し調べてみたのですが、レーシング用には溝のない晴れ専用タイヤもあるのですね。
タイヤってなんとなくパターンがついているわけではなく、研究の成果が詰まっているということに感心しました。
それぞれに相反する性質もあり、トータル性能の向上はそう簡単にはいかないのですね。

補足日時:2013/10/18 23:03
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この回答へのお礼

詳しくありがとうございます。

お礼日時:2013/10/18 21:58

専門家ではないので詳しい事は解りませんが、一般知識のなかで回答させて頂きます。



>転がり抵抗とウェットグリップ性能って相反する性質ですよね。
>また、ウェット性能とドライ性能ってある程度比例すると思っていたのですが、
>この商品も含めてウェット性能は高くてもドライ性能は低いタイヤもあるみたいです。

一概にそうとは言い切れません。
ドライグリップと転がり抵抗は相反しますが、ウェットの場合は少し違います。
又、ドライ性能とウェット性能はどちらかと言うと相反する性能です。

解り安い例が、ドライグリップを極めたスリックタイヤとF1などでよく耳にするウェットタイヤを比較してみると解ります。
スリックタイヤとは、最初から溝が無いレーシングタイヤの事ですが、ウェットタイヤとは、スリックタイヤに排水性を重視するため溝が刻んであるタイヤの事です。
その分、接地面積が少なくなる訳で、ドライ性能は落ちてしまいます。
この溝がないと路面とタイヤの間に水の膜が出来てタイヤが浮いた状態になってしまいグリップが得られないと言う訳です。
もちろん、タイヤのグリップは構造だけではなくコンパウンドと呼ばれるゴムの性質による影響で大きく左右されます。
単純にはコンパウンドが柔らかい程、路面との接する部位の粘りが強くなるのでグリップは高くなります。
但し、早く溶けて削れてしまうので寿命が短くなります。
もう一つ、接地面の関係が有ります。
接地面は少ないほど接地圧が上がります。
接地圧が上がるという事はタイヤを地面に押し付ける力が大きくなるという事でグリップは上がる事になります。
という事は、タイヤが太ければグリップが上がると言う訳でもないという事です。

大きくはこの3つのバランスでタイヤの特性を決める事になります。
細かく見ると、この3つの他に、タイヤの剛性だとか、ラウンドのデザイン、ブロックのデザイン等々
多種多様な要素をチューニングして一つのタイヤが出来上がっている訳で、タイヤの性質を一言で表すのが難しいと言うのが現実です。
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