《呪(のろ)い》とは何でしょう?
そして、
《呪い》の現代における意義とは?
《呪い》は肯定されるべき行為なのか?
youtubeの
呪いのすすめをこいつが歌うとこうなる【桃箱】
を見て、
ふと浮かんだ疑問です。
教えてください。
よろしくお願いします(ペコリ)。
難しく考えず、
わたし、誰かを呪ったことがあります、
丑の刻参りをしたことがあります、
などなど、
《呪い》に関する回答などもお寄せくださいませ。
「わたくしは、神仏に、仏敵・NemurinekoNyaを呪っております」
はさらに大歓迎いたします。
その理由を書いていただけると、ありがたいです。
けっして、わたくしが、回答者さまを呪い返すようなことはございませんので、
安心してください。
よろしく、お願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
長い前置きから そのまま本論に入るかたちですすめます。
《現代的意義》を考えるにしても 言葉の起源を考えておくことは必要にして有益であるかと考えます。漢語での語源についての回答も寄せられています。
《のろひ・のろふ》は 《のり(法)・のる(宣る・告る)》の反復形だと言います。《ふ(経・経る)∽ひ(日)》が派生語尾として用いられているのではないかと考えられます。
のり(告り)は みことのりと言わないかたちですでに《のり(法)》と成って用いられています。あるいは 《のりと(祝詞)》にも現われます。
大野晋の研究によると:
○ のり[宣り・告り・罵り] ~~~~~~~~~~~~~~~
神や天皇が その神聖犯すべからさる意向を 人民に対して正式に表明するのが原義。
転じて 容易に窺い知ることを許さない みだりに口にすべきでない事柄(占いの結果や自分の名など)を 神や他人に対して明かし言う意。
進んでは 相手に対して悪意を大声で言う意。
(岩波古語辞典 補訂版 1990)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ すでに《のり》に 《相手に対して悪意を大声で言う》という《のろひ》の意味は派生して来ていますね。
ここで分からなかったのが 何で言葉の起源としての《原義》に 《神》はいいとしても《天皇》が出て来るのかでした。
これは どうも割り合いあたらしい外来語であったのかも分かりません。というのも 大野は
○ のり( nöri ):朝鮮語 nil (云う)と同源
と記しているところからです。つまり すでに天皇制が敷かれるときに 昔からの《神のお告げ》といった意味とあたかも一緒になったかたちで用いられるようになったのかと推し測られるからです。
それは いまはともかくとします。
〔それは 朝鮮語で nil は 現代語では辞書に見当たらないようで わたくしでははっきりと把握し得ないでいるからです。
もっとも 《申す》という語は やはり朝鮮語のマルスム(ことば)から まをす といった綴りをへて採り入れられたらしいですし もっと言えば イップ(口)を借用して いふ(言う) という語を派生させたとも言われています。
これは ともかくとします。〕
問題は 《のり》が ふつうに《いふ(言う)・話す》という意味だけではない内容を持つことだと見られます。かしこまった《申す》やまさに《のりたまふ》などと同じように 特殊な意味合いが込められている。
つまりは 一般的に言って その《発言》をするときに《神の意向を 人間が自分の願いによってのように 媒介させる》こと これが特殊であると見られます。
つまりは 《悪意を言う・または何か悪いことが相手に起きることを欲する》のが 神のおぼしめしであるようにと願う。
○ のろひ[呪ひ・詛ひ]: 恨みのある人などに悪いことがおこるようにと 神仏などに祈る。
とあります。これが 基本の意味だと見られます。
つまりは いわゆる自力救済によるのではなく――それは 何故か避けているようですね―― 神のチカラにゆだねつつ 恨み辛みの意識を排泄している姿 でしょうか。
《神のチカラにゆだねつつ》と言うなら それは
復讐するは われにあり〔と主は言う〕。
と同じ趣きかと言えば それは どうでしょう? どうなのでしょう。微妙ですね。
自力救済による復讐を避けることは 同じようなのですが。
なぜかここで 万葉集に飛びます。
万葉集巻一冒頭の一番歌は 次のような相聞のうたです。
▲ (万葉集 一・1) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
籠(こ)もよ み籠持ち 籠毛与 美籠母乳
堀串(ふくし)もよ み堀串持ち 布久思毛与 美夫君志持
この丘に 菜摘ます児 此丘尓 菜採須児
家聞かな 名告(の)らさね 家吉閑 名告紗根
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そらみつ 大和の国は 虚見津 山跡乃国者
おしなべて われこそ居れ 押奈戸手 吾許曾居
しきなべて われこそ座せ 師吉名倍手 吾許曾座
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
われにこそは 告らめ 我許曾歯 告目
家をも名をも 家呼毛名雄母
(オホハツセワカタケルのすめらみこと〔雄略天皇〕 )
◆ (中西進訳・編集しました) ~~~~~~~~~~~~
籠もよい籠を持ち堀串(へら)もよい堀串を持って
この岡に菜をお摘みの娘さん。
あなたはどこの家のひとか。名は何という。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そらみつ大和の国は すべて私が従えて支配しているのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
わたしには おしえてくれるでしょうね。あなたの家をも名をも。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
☆ つまり《のる》が出て来ます。《〔特に女が〕 名を明かして言う》ことは 《神のもとでの出来事である》といった意味合いがあったようです。
というふうに見て来て言えることは 何か?
呪いも 神の心づもりを欲していると思われること。特に神を意識しなくても 《このわが悪意は 悪意であっても 神意でもありますように》と願っているのかも知れません。
これが 現代人にとっては どんな意味合いを持つか。どのように扱われるのか。
神とは関係なく ただ主観的な《おのれのいやな思いなどなどについての意識の排泄》に過ぎないのかどうか。
◆ 虚空でつながろうとしている
☆ と もしするのならば 端的に言って 神のもとで その敵である相手と一緒にいることを願っているのかどうなのか? (太虚?)
そして
復讐するは われにあり〔と主は言う〕。
この命題には もしいわゆる和解――世間との和解 あるいは われみづからとの和解――が見出されるとするのならば こちらの思想へと 現代を生きる人びとはみちびかれて行ってしかるべきなのでしょうね。(なんちゃって)。
こんにちは。
述(の)る→述(の)ぶ→述(の)べる
と変化したようですね。
ほいで、
《述る》、《のろふ》は、「呪力のある言葉を神や魔に告げる」の意になるとか。
にしても、
「祝詞」と「詔(みことのり)」などと、「呪う」は同根の言葉だったのですね。
はじめて知りました。
《呪ふ》と同じ意味の言葉に《誓(うけ)ふ》という言葉があるらしいです。
天照とスサノヲの例の《うけひ》。
罪もなき 人をうけへば
忘れ草 おのが上にぞ 生(お)ふというなり (伊勢物語)
伊勢物語にはさらに
「かのおとこは、天(あま)の逆手(さかて)をうちてなむ呪ひ居るなる。」
とあり、
《逆手》を打って、人を呪ったようです。
逆手
まじないを行うときにする手の打ち方。手を背後にまわして打つこと。一説に、手の甲を合わせて打つともいう。 (角川 古語辞典)
《うけひ》は、《受け霊》のことらしいです。
で、
《ちかふ》は、《血交(ちか)ふ》・・・。
☆ 呪いも 神の心づもりを欲していると思われること。特に神を意識しなくても 《このわが悪意は 悪意であっても 神意でもありますように》と願っているのかも知れません。
◇神さまに「〔私の考える〕《正義》を示してください」というのが、《呪い》かもしれませんね。
「あいつ、わたしにこんな非道いことをしたんです。
これは、神罰に値しませんか?」
と、自問自答する行為が《呪い》なのかもしれませんね。
回答、ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
>《呪(のろ)い》とは何でしょう?
まず、藁で作った人形を用意します。午前1時頃から神社の神木にこの藁人形を五寸釘で打ち込んで下さい。白い着物で頭にはロウソクを立てると見た目もそれらしく見えますよ。詳細は、神社の神主に尋ねるといいかもしれません。
>《呪い》の現代における意義とは?
藁はコンビニやスーパーでは売っていませんね。通信販売を利用されるといいです。
五寸釘はホームセンターにあります。意義深い溝口涼子さんの作品を読むといいです。
>《呪い》は肯定されるべき行為なのか?
この業界に参入を検討されるといいです。セット品も販売されてますし、藁人形の他にも色々とありますよ。
《呪いセット》をネットで検索してみました。
通販されているんですね~。
ということは、
商売が成り立つほど、需要があるということ・・・。
驚いています。
回答、ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
私は呪いと聞くと、戦国時代を思い出します。
恐らく様々な所で場面で、それこそ日常的に行われていたのではないでしょうか?(残っている記録以上に)
しかし呪いに効果があったのならば、戦闘を行うよりも効率がいいのに、現実には戦闘で決着が付いていますし、戦闘をせずに呪詛だけで勢力を拡大した大名はいません。
効果があったかどうか判らない、その程度のモノでしょう。
私は思春期の頃、『今、俺を笑ったやつは後で怪我をする』等と槇原敬之の歌詞ばりに「痛い」事を考えたりしてはいましたがw
こんにちは。
☆しかし呪いに効果があったのならば、戦闘を行うよりも効率がいいのに、現実には戦闘で決着が付いていますし、戦闘をせずに呪詛だけで勢力を拡大した大名はいません。
◇先の大戦で、日本国中の神社仏閣は、
ルーズベルトとチャーチルの呪詛を行っていたように聞いています。
その霊験があったのでしょうか、
ルーズベルトは終戦前に死に、
チャーチルは、大戦中に、肺炎にかかったそうです。
回答、ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
呪うは、言祝ぐ(ことほぐ・寿ぐ)ともに社会人類学的とも民俗学的ともいえる概念ですね。
祝のほうの字形は、祭壇+背を折った人、コトバを神に向けていますが、
呪のほうはというと、山や中空にあいた穴+背を折った人、コトバを暗い虚空に向けることを表しています。それもまた神様のひとつの形なんでしょう。
ご覧になったこともあるかと思いますが、山の洞穴というのは、真っ黒な暗闇が口をあけているものですね。怖いですね。
あるいは人の群れ集いのなか、心理的穴隙とでもいったらよいのか、重なり合う心の綾とか襞とかのあいだに、闇が生じることもあるのでしょうかね。
祭壇に唱える言葉は清々しく、穴に唱える言葉は禍々しい、という腑分けはありますが、
ネットに言葉の氾濫するこの時代、
わたしたちは宙に消えていく言葉を、社会の真ん中にも隅々にも抱えて、さぞ呪いにまみれていることでしょう。
感情としてでなく、行為の形態としてですが、つまり虚空で繋がろうとしている。
こんにちは。
《呪い》は闇とリンクしているのですね。
日の光が燦々と降り注ぐ中、
呪いの藁人形に、
五寸釘を
「この野郎、この野郎!!」
と怨念もろとも打ち込んでも効果が期待できそうにないですし・・・。
おそらく、
その行為とその行為を行う自分がバカらしく思えてくるに違いない。
回答、ありがとうございました。
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