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直接型ビリルビンと間接型ビリルビンの違いはどのようなものでしょうか?教えてください。病気との関連の仕方は違うのでしょうか??生成される場所や、胆汁や尿での存在の仕方もちがうのですか??

A 回答 (4件)

blackleonさんの回答を少し、噛み砕いて書いてみることにします。


赤血球は、120日ほどの寿命を終えると、その大部分は脾臓の中の「網内系細胞」により壊されます。その際に赤血球中のヘモグロビンがでてきますが、このヘモグロビンはさらに「ヘム」という色素と「鉄」および「グロビン」という蛋白質に分解されます。このうちの「ヘム」がビリルビンの素です。
ヘムが酵素の作用でまず緑色の「ビリベルジン」になり、これが還元されてオレンジ色の「(遊離型)ビリルビン」となり、血中にでてきます。これがいわゆる「間接型ビリルビン」で、これは血液中ではアルブミンと結合して存在するので、通常は尿中には排泄されません。(アルブミンは腎臓の糸球体というところで、ふるいに掛けられ、排泄されません)
間接ビリルビンが血流にのって肝臓に運ばれると、肝細胞の細胞膜に取り込まれて、その時にくっついていたアルブミンは離れます。間接ビリルビンは酵素の働きによって、グルクロン酸と結合(抱合)し、水溶性の抱合型ビリルビン(直接型ビリルビン)になります。直接ビリルビンは胆嚢の胆細管に排泄されます。「胆汁色素」の主成分はこの直接ビリルビンです。
ですが、一部の直接ビリルビンは血液中にも逆流しますが、間接ビリルビンと異なり、別の蛋白などとは結合しません。このような状態で血液中に存在するため、腎臓へ運ばれ、尿中にも排泄されますが、微量であるため、簡単な検査では検出されることはありません。
胆汁として腸管に送られた直接ビリルビンは、腸内細菌によって還元されて、無色のウロビリノーゲンになります。ウロビリノーゲンの大部分は糞便中に排泄され、排泄後に酸素に触れることにより、酸化されて橙黄色のウロビリンになります。
ですが、ウロビリノーゲンの一部は腸管で再吸収されて、「門脈」腸管から吸収した栄養分を肝臓に運ぶ静脈から肝臓に運ばれて再びビリルビンになります。(これを腸肝循環といいます)
この際、一部のウロビリノーゲンは血中に残り、そのまま腎臓に運ばれて尿中に排泄されます。(0.5~2.0mg/day)ウロビリノーゲンの排泄量には、日差、季節差があり、一日のうちでは午後2時から4時頃、季節では夏期に多いといわれます。

<間接ビリルビンが増加する原因>
間接ビリルビンは、前述したように、赤血球が壊されてから、肝細胞に取り込まれてグルクロン酸抱合を受けるまでのステップで、何か障害があった場合に増加します。要因としては、肝細胞中のグルクロン酸抱合を行う酵素が欠乏している疾患や、間接ビリルビンの肝細胞への取り込みの障害等があります。
この他、ビリルビンの産生が過剰になる様な、溶血性貧血等で、顕著に増加します。ですが、水に不溶性の間接ビリルビンは、血液中ではアルブミンと結合しているため、血液中には増加しても、尿中には検出されません。

<直接ビリルビンが増加する場合>
直接ビリルビンは、グルクロン酸抱合後から腸管への排泄までのステップに何か障害があった場合に、増加します。
肝硬変等の肝細胞障害があれば、もちろん血液中の直接ビリルビンは増加しますし、そうなれば尿中の直接ビリルビンも増加します。
また、胆道閉塞等で、物理的に腸管への排泄が停滞するような際にも、血中・尿中直接ビリルビンが増加してきます。
また、ビリルビン産生過剰の状態の溶血性貧血でも、血中直接ビリルビンが増加します。

「ビリルビン」だけに言及すると、こんな感じです。blackleonさんとかなり重複してしまいますが、この流れを把握していれば、ビリルビンでどういったことが起こるかというのがつながりやすいと思います。
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この回答へのお礼

有り難うございました。すごくまとまった説明でわかりやすかったです。

お礼日時:2001/06/04 22:50

古くなった赤血球が破壊されると間接型ビリルビンが作られます。

これは、通常は肝臓で代謝されて直接型ビリルビンとなり、大部分は腸へ排泄されて便の元となり、一部は腎臓へいき尿ビリルビンとして排泄されます。腸へ排泄された直接型ビリルビンは、腸の中で細菌により分解されてウロビリノゲンとなり、そのうち一部は腸で再吸収されて腎臓へいき、尿ビリルビノゲンとなって排泄されます。
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ビリルビンは、そのほとんどが古い赤血球のヘモグロビンに由来し、脾臓や骨髄などで間接ビリルビンとなり、血液中に放出されます。

間接ビリルビンは、血液中ではアルブミンと結合して存在していますが、尿からは排泄されず、アルブミンと結合しないものは神経毒性を有します。肝に運ばれた後、肝細胞に取り込まれ、グルクロン酸により抱合をうけて水溶性となり(直接ビリルビン)、腎臓からの排出が可能となります。胆汁として腸管に排出されたビリルビンは、腸内細菌により還元され、ウロビリノーゲンとなり、便から排泄されますが、一部吸収されたものは、尿から排出されます。

間接ビリルビンが上昇する代表的疾患は、溶血性貧血(過剰産生による)です。そのほかに肝細胞性のものとして、ビリルビンの代謝異常(移送障害や抱合障害)をきたす体質性黄疸があります。
直接ビリルビンが上昇する疾患(尿のビリルビンが陽性になるもの)として、肝炎(ウイルス性、薬剤性、免疫異常など)、肝硬変、肝内胆汁うっ滞(薬剤性、肝内胆道閉塞など)、肝外胆汁うっ滞(閉塞性黄疸)、肝細胞からの排出障害による体質性黄疸などがあります。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。参考になりました

お礼日時:2001/06/04 22:51

 たしか、血液のなかでも全身に酸素を運ぶ「赤血球」が老化したりすると、それが壊れて、中に含まれる色素が出てきます。

これが間接型ビリルビンだったと思います。
 通常血液中では間接型ビリルビンはタンパク質の一種「アルブミン」と結合して存在しています。赤ちゃんなんかでは、アルブミンが少ないので、間接型ビリルビンがそのまま血液中をぐるぐると回って、いろいろな組織に沈着しやすいのだそうで、特に脳の一部に沈着すると、後遺症を残しかねないような問題を起こしかねないです。赤ちゃんに黄疸(血液中にビリルビンが多い状態)が出ると、光線療法をするのはそのためです。
 肝臓で「間接型ビリルビン」が化学変化(グルクロン酸抱合)を受けて、直接型ビリルビンになります。これが肝臓から胆汁と一緒に腸の中に出ると、いわゆるウンチの色の素になります。一部は腸管からまた吸収されて肝臓に戻ったりします。
 肝臓の機能が悪かったりすると、肝臓でビリルビンが化学変化を受けられなくて「間接型ビリルビン」が増えたりしますし、何かの理由で赤血球がどんどん壊れたりすると肝臓での化学変化が追いつかなくて、やはり間接型ビリルビンが増えたりします。
 肝臓から排泄するのが障害されると、直接型ビリルビンが増えたりします。

……とまあ、昔の生物学の知識を思い出すと、こんな感じだったと思うのですが……。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2001/06/04 22:52

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