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以下の問題について、その下の解答のどこが間違っているのでしょうか?

問題
なめらかな水平面上に長さLの一様な棒を鉛直に立て、手を離すと棒は倒れる。この途中、棒が鉛直線となす角がθのとき、棒の回転速度(θ・)を求めよ。

解答
棒の質量をM、棒の重心の周りの慣性モーメントをI、棒の端(床にくっついているほう)の周りの慣性モーメントをI'とする。

dI=(xの二乗)ρdx、ρ=M/Lより
I=∫(-ρ/2からρ/2まで)(xの二乗)M/Ldx=M(Lの二乗)/12
I'=∫(からρまで)(xの二乗)M/Ldx=M(Lの二乗)/3

棒が床から受ける垂直抗力をN、棒の重心の周りの角速度をωとすると棒の棒と床との接点の周りの角速度もωになる。

重心の周りの力のモーメントの方程式
I(ω・)=-N(L/2)cosθ

棒と床との接点の周りの力のモーメントの方程式
I'(ω・)=-Mg(L/2)cosθ

これらから不要な文字を消去して
(θ・・)=-(3g/2L)cosθ
(θ・・)(θ・)=-(3g/2L)(θ・)cosθ
時間で積分して
(θ・)の二乗/2=-(3g/2L)sinθ+C
θ=π/2のとき(θ・)=0だからC=3g/2Lなので
(θ・)=√{(3g/L)(1-sinθ)}

A 回答 (5件)

重心以外を基準点に取った時には、運動の分離が出来ません。


回転だけではなく並進も分離できないのですが、ここでは回転だけにします。

剛体を質点系とみなし、棒の下端の位置ベクトルをR、
棒の下端からみた剛体内の質点の位置ベクトルをri(内部座標)とすると、
空間のどこかに固定された原点から見た質点の位置ベクトルはR+ri。

内力をfij, 外力をFi,'を時間微分として

質点の角運動量は li = mi (R+ri)×(R'+ri') = mi R×R' + (mi ri) ×R' + R×(mi ri') + ri×(mi ri')
トルクは Ni = (R+ri)×(Σfij + Fi) = R×(Σfij)+ri×(Σfij)+R×Fi + ri×Fi
回転の運動方程式は dli/dt = Ni

総和をとると

Σli = (Σmi) R×R' + + (Σ mi ri) ×R' + R×(Σ mi ri') + Σ ri×(mi ri)

ここでΣmiは剛体の質量M、(Σ mi ri) は重心の定義から、棒の下端から見た重心の位置ベクトルをrgとしてM rg。最後の項は棒の下端から見た剛体の角運動量でIω。これを代入して

Σli = R×(MR') + M rg×R' + M R×rg' + Iω

基準点を重心に選んでおけばrgはいつもゼロベクトルで第二項、第三項が消えてくれましたが、重心以外が基準点では消えません。

トルクのほうは総和を取ることでふつうに内力は消えてくれるので、

ΣNi = (R+ri)×(Σfij + Fi) = R×(ΣFi) + Σ(ri×Fi)

したがって運動方程式d(Σli)/dt = ΣNiは

d/dt[ R×(MR') + M rg×R' + M R×rg' + Iω ] = R×(ΣFi) + Σ(ri×Fi) (*)

重心を基準に選んでおけば

d/dt[ Rg×(MRg') + Iω ] = Rg×(ΣFi) + Σ(ri×Fi)

からRgのみに依存する項と内部座標のみに依存する項を分離して

d/dt[ Rg×(MRg')] = Rg×(ΣFi)、 d/dt[ I'ω ] = I' dω/dt = Σ(ri×Fi)

となり、重心の運動と重心まわりの回転運動を別々に扱えますが、基準点が重心でない場合にはM rg×R' と M R×rg'という基準点の座標と内部座標がからんだ項が残っていますので、分離が出来ません。
(*)の式のまま解くしかないということです。

基準点が固定点ならば、基準点を原点に選ぶ事でR=0になりますから、(*)式のR×(MR')、M rg×R'、M R×rg'、R×(ΣFi) が全部消えて、

d/dt[ Iω ] = I dω/dt = Σ(ri×Fi)

として解くことができます。
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この回答へのお礼

とても詳しく書いていただきありがとうございます。

2番さんが書かれている意味がよく理解出来ました。相対運動を安易に考えていたのが失敗でした。

お礼日時:2013/12/12 01:44

あと瑣末なところですが、



>I(ω・)=-N(L/2)cosθ

はsinθの間違いでは?

>棒が鉛直線となす角がθのとき、

ですよね。
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この回答へのお礼

はい、その通りです。恥ずかしいです。

お礼日時:2013/12/12 01:44

つりあっていない状態なのに、棒と床の接点の周りの力のモーメントの方程式といって、安易に-Mg なんか出しているのもおかしい。



私だったら、 重心の落下速度 v( と重心周りの角速度 ωが v = ωL sinθ/2、 エネルギー保存の法則から 重心の位置エネルギー + 重心の併進運動エネルギー + 重心周りの回転運動エネルギー = 一定 を使って解くという方策にしますが。
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この回答へのお礼

はい、その問題が載っている本の解説には力学的エネルギー保存を使った方法が載っていました。自分の変なやり方で間違えてみて改めて見なおした結果、エネルギー保存を使うのがすっきりいくのが納得いきました。

ありがとうございました。

お礼日時:2013/12/12 01:42

#1のものです。



>滑らかという条件があるので床と棒との接点は固定せずに常に移動すると解釈しています。

となると、
> 棒と床との接点の周りの力のモーメントの方程式
> I'(ω・)=-Mg(L/2)cosθ
が間違いかな。
棒と床の接点自体が加速度運動をしているため力のモーメントに慣性力の寄与を盛り込む必要がある。

もし、とまっている床の系からみてとある瞬間の接点での式を立てるのであれば左辺がI'(ω・)であることがそもそも間違い。
左辺はd(I'ω)/dtなのです。床のある点からみるとI'自体が時間変化するため単純にI'を微分の外に出すことはできないのです。
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この回答へのお礼

接点の周りだと接点が動いているからうまくいかないのですね。4番さんの解説を読んで理解出来ました。どうやら相対運動がよく理解できていなかったようです。

どこがおかしいのかはっきりして助かりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2013/12/12 01:38

不要な文字を消す、とありますが、質問者さんの式からNを消すことはできません。

MとNの関係式がないので消せないのです。

棒と床の接点が動かない、というのであれば摩擦力の存在を考えに入れる必要があります。
もし摩擦力がないとすると棒と床の接点は横滑りします。なぜなら、棒に水平方向の力が働かないため棒の重心は鉛直方向にしか動かないためです。

これらのことを考えるためには重心の運動方程式を立てる必要があります。
もし、棒と床の接点が動かないと仮定すれば、床と棒がなす角がθの時の重心の加速度aの水平成分axと鉛直成分ayは
Max=F
May=Mg-N
の運動方程式を満たすことになります。さらにax,ayは
ax=|a|sinθ=(L/2)(θ・・)sinθ
ay=|a|cosθ=(L/2)(θ・・)cosθ
となります。

さらに、質問者の出した式のうち、重心周りの力のモーメントの方程式にFによる項を加える必要があります。
これらを連立すれば答えが出てくるでしょう。

もし摩擦がない場合は重心がまっすぐに下に落ちると考えて式を立てればよいでしょう。

この回答への補足

滑らかという条件があるので床と棒との接点は固定せずに常に移動すると解釈しています。

途中の計算を書きませんでした失礼しました。
I'=4Iなので
-4N(L/2)cosθ=4I(ω・)=I'(ω・)=-MG(L/2)cosθ
となってN=Mg/4
となると考えたのですがどこがおかしいのでしょうか?

補足日時:2013/12/11 20:43
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