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リカードの中立説は、政府が財政政策を行うための財源を国債発行に求める場合、その利子支払いや償還は結局は将来の租税収入によるのであるから、財源を最初から租税に求める場合と経済的効果は等しいとする考えです。

しかし、現在の日銀のように国債を大量に買い、保有し続け、償還に対しても借り換えを行い、また利払いも国庫に納付するとした場合、将来の租税収入によるものではなくなります。ですからリカードの中立説は成り立たないと思ってよいでしょうか。

A 回答 (2件)

まず最初に断っておくのは、リカードの中立命題自体が成り立つかどうかについて、私はかなり懐疑的です。

ただし、この回答では一般的な状況において成り立つとして回答します。そうでなければ話が先に進まないからです。


リカードの中立命題は、政府が国債を発行した場合、国民は将来の増税を予測して消費等を減らして貯蓄し、この貯蓄+利息と将来の国債の償還額+利子はマクロの意味では一致するため、租税による場合と経済効果が変わらない、ということを主張しています。

> 現在の日銀のように国債を大量に買い、保有し続け、償還に対しても借り換えを行い、また利払いも国庫に納付するとした場合

半永久的に償還しない、ということでしょうか?
それであれば、償還のために必要な租税自体が存在しないと合理的に予測できることになり、リカードの中立命題は最初から成り立たないように見えます。

ただし、この場合に何が起こるかといえば、一般にはインフレがおこります。
経済的にはインフレはインフレ税という税をとっているに等しく、少なくとも実質ベースでは税収入で国債を償還していることになります。インフレの場合には投資が増えることが予測されますが、これは貯蓄を増やすことでもあります。
したがって、将来のインフレ税に対応するだけの投資(≒貯蓄)を行うということになり、リカードの中立命題は成り立つかもしれません。

この回答への補足

明快なご回答有り難うございました。

政府が国債を発行し財政を拡大すると同時に、中央銀行が国債を買い、保有し続け、償還に対しても借り換えを行い、また利払いも国庫に納付するとした場合を考えます。この場合インフレになります。

それは需要が供給を上回るためで、現在の日本で言えば、国債発行額が適切であれば、デフレ脱却を可能とし、ゆるやかなインフレを実現し、しかも景気が回復するということを意味します。消費増税などしなくてもインフレ税の課税を行うのであり、財政健全化に向かいますし、インフレにより事実上の国債の償還を行っていることになります。

インフレにより当然名目GDPも上昇し、それにより国の債務の名目GDP比も下がってきます。国債の利払いも中央銀行を通じて国庫に戻ってくることを考慮すれば、ドーマーの定理も変わってきます。

消費増税を止めて、逆に財政を拡大しインフレ税を上げる政策の方が日本国民にとって好ましいと結論してよいでしょうか。

補足日時:2014/02/19 21:35
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> 消費増税を止めて、逆に財政を拡大しインフレ税を上げる政策の方が日本国民にとって好ましいと結論してよいでしょうか。



日本という国の形として、どういう形が望ましいかは、私が判断することではありません。
私有財産を全て否定して共産主義国家になることが望ましいと考えることも、夜警国家こそが望ましいと考えることも、北欧型の修正資本主義国家を望ましいと考えることも、帝国主義・拡大主義の軍国主義国家を望ましいと考えることもできます。封建主義国家が望ましいと考える人もいるかもしれません。


ただし、国債の問題という観点から見ると、話は変わります。
現在の国債が積み上がった原因は、明らかに社会保障費が多すぎるためであり、インフレになっても解消しないどころか悪化する可能性すらあります(社会保障費は物価が上がれば増える)。そのため、1~2%程度のインフレになっても問題はほとんど解決しません。
また、国債残高の問題は少しばかり先延ばしされるかもしれませんが、利子率の上昇は借換債を通じて国債のクーポン利子支払いに影響を与えるため、むしろ悪化する可能性が高いです。ごく短期的なハイパーインフレなら話は別ですけれどもね。


結局のところ、少なくともプライマリーバランスの均衡化・黒字化を目指す必要があり、そのためには歳出カットか税収増かが求められます。
個人的に言えば、社会保障費の抑制をすべきだと思っていますが、それは社会的に受け入れられないというのが選挙結果が示した国民の意思なので、税収増、つまりは増税とすることになります。その税目としては様々あるとは思いますが、消費税は一つの選択肢としておかしくないと思います。


※ 話がそれるので、この質問では、全般的な増税は兎も角、消費税増税にはこれ以上深入りしません。

この回答への補足

>結局のところ、少なくともプライマリーバランスの均衡化・黒字化を目指す必要があり、そのためには歳出カットか税収増かが求められます。

この事には私は反対です。今年の1月20日に内閣府から発表された試算をご覧下さい。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h26chuucho …
2023年までプライマリーバランスはずっと赤字ですが、債務のGDP比は減り続けています。ということはGDPが増えれば借金がいくら増えてもGDP比は減っていく。しかもインフレ率は2~3%程度でしょう。であれば国の債務の増加など気にしなくて良い。GDP比で減れば、実質的に減っていることなのですから。

社会保障費の問題を書き出すと長くなりますが、私の考えは機械化、ロボット化、規制緩和等を通じてサービスを向上させながら社会保障費を抑制していくことです。

補足日時:2014/03/05 09:24
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