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映画プラトーンを見ていて思いました。
戦争になって味方の大部隊から離れてしまったら兵隊は幹部の言うことなんて聞かなくなるんでしょうか?
それともあれはアメリカに限定された話でしょうか?
過去の大戦のとき、日本軍で似たような状況はありましたか?
軍事に詳しい方がいたらよろしくお願いします。

A 回答 (5件)

航空戦闘では航空機、海上・海中戦闘では船舶が戦力のカナメになりますが、


陸上戦闘では兵隊という「人的資源」が戦力のカナメですので、その兵隊を操作する階級が陸軍・海兵隊の戦闘能力に直接関係します。
それがいわゆる「下士官」階級で、曹長・軍曹・伍長の辺りですね。(陸上自衛隊では曹長・1~3等陸曹)

中尉や少尉あたりが30~40人を率いる小隊長になって、その配下に下士官に指揮される10人程度の分隊が数個ある。
兵隊は下士官に指揮され、その下士官は小隊長に指揮されるという系統の中では、兵隊の直接の上司は下士官ですから、兵隊からは「下士官の方が小隊長より偉い」と見えます。
小隊長は兵隊に細かな命令はしないのですね。具体的指示は下士官の責任で行われ、それによって兵隊は死んだり勝ったりします。
生き残りたければ下士官の命令を聞くこと。武勲を建てたかったら下士官と共に行動すること。ですので兵隊から見れば「下士官の方が小隊長より偉い。頼りになる」。

また、小隊長を務める中尉や少尉は未だ経験浅く年齢も低いケースが大半なので、所詮人生経験深い下士官連中にはかなわないのです。
小隊長の役目は上層部の命令を小隊上に実現させることで、複数の下士官に任務を要領よく分担させる。上層部からの命令を自分なりに解釈し、小隊長として「意思決定」するという任務ですね。
軍曹あたりが 「小隊長!命令してください!」 って映画でよく言ってますが、小隊長に命令させて責任を取らせ、自分は部下の兵隊を具体的に操作します。
稀にはダメな小隊長を解任して、自分が指揮を取ったりします。

と、こういうのは昔の戦争映画をじっくり見てるとおのずと体感できますよ。(今の戦争映画ではその辺が曖昧なのがありますね)
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2014/05/31 23:35

これは急がば回れで、昔話から順にたどっていくのが分かりやすいと思う。


昔は一般に身分差別があったわけさ。近代的な国民軍を組織するってなったとき、貴族や紳士階級が庶民階級の部下になるのは嫌ということで、前者は将校(士官)、後者は兵とされた。「みんな二等兵から出発」ではなかった。
その後、戦争は機械仕掛けになり、今やコンピューター仕掛けになった。学校出を士官にするのが合理的だよね。ちなみに、防衛大の教育内容を見ても、「軍事教練付きの工学部」のようなものらしい。
そこで、昔の紳士階級のところに学校出を充てていった。学校出は二等兵から出発するのではなく、すぐに少尉になる。

これって身分差別が学歴差別に代わったようなもので、不合理じゃない? いや、そこに合理的な工夫があったという。
まず、軍人は下から兵、下士官、士官の三つに大別される。兵から叩き上げたベテランは、下士官になる。下士官の中にも階級があって、下級下士官から上級下士官へ昇進するには年数がかかる。
一方、学校出は士官から始めるのだが、少尉・中尉のころは「中二階」のようなものである。一階と二階の間の階段の脇の小部屋のようなもので、大尉からも下士官からも、あまり相手にされなかったりするのだ。大尉に昇進してようやく士官らしくなる。
大尉は中隊長を務める。中隊はざっと200人前後で、下っ端の兵から見れば軍の小宇宙である。ぺーぺーのサラリーマンが課長より偉い人に呼び出されて指示を受けることは、滅多にないよね。課長に呼び出されるだけでも一大事だよね。それに似てる。
そして、大尉は中隊の方針を、下士官の幹部(叩き上げの最ベテラン)と話し合って決めていく。ここで『プラトーン』に話がつながるわけだ。いったい、一等陸曹はどこにいるの? 一等陸曹は一等陸尉(大尉)と一緒にいて、最前線のやや後方で安全を確保しつつ、最前線へ出す命令を練っているのだ。
一方、最前線は中隊からの命令を受けつつ、小隊(プラトーン)単位で戦闘している。少尉(三等陸尉)や中尉(二等陸尉)は一等陸曹より階級は上であるにもかかわらず、最前線に投入されることが少なくない。血みどろの歴戦で運よく生き残れたなら、「学校出のおぼっちゃん」も軍人として認められ、大尉に昇進する。中隊を動かす人になっていくわけだ。
実際、ベトナム戦争で少尉の死亡率は高かったという。これが、前述の「合理的な工夫」であった。残酷な話だけど。

しかも、いっそう残酷なことに最前線の戦いで少尉・中尉は、二等・三等軍曹に牛耳(ぎゅうじ)られていた。学校で机上の軍事教育を受けたばかりのおぼっちゃんは、実戦の場数を踏んでる下士官に太刀打ちできないのだ。戦場は、二等兵(主人公のクリス・テイラー)にとっても、下士官(バーンズとエイリアスが対立する)にとっても、中尉(ウォルフ)にとっても地獄だった。
なお、旧日本軍でも、前線で下級将校は下士官団の集団的意志に屈していたそうだ。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2014/05/31 23:35

 プラトーンは見ていませんが、「コンバット」や名前が思い出せんませんがアメリカの陸軍大尉(中隊長)が主人公の戦争物は大好きで良く見ていました。

コンバットはDVD持ってますし。

 コンバットでは、サンダース軍曹(分隊長:ホワイトロックもしくはホワイトルーク)が戦闘の天才で、大学の親友であったヘンリー少尉(チェックメイトキング2)が優秀な小隊長です。

 単純な話だと思いますよ。

 その「味方の大部隊から離れてしまった」状態の時、2等陸曹と2等陸尉がいて、2等陸曹は「右へ行く」と言い、2等陸尉は「左へ行く」と決断した場合、兵はどっちの命令を聴くべきか、という話なら、どこの国の兵でも2等陸尉の命令を聴きますよ。

 命令系統は1本です、どこの国でも。そのための階級です。兵が陸曹の命令に従って陸尉を無視すれば、懲罰ものです。但し、陸尉の判断が正当だったかどうかも軍事法廷で問題になりますが、それは別問題。

 ただ、おおむね陸曹はたたき上げで、陸尉は大卒(防衛大学など。昔なら陸軍大学あたり)です。「士官候補生」「○○候補生殿」とか呼ばれながら、大学で陸曹あたりが先生役になって鍛えられます。

 初任官が「3等陸尉」とか「少尉」です。その上が2等陸尉か中尉ですので、まだ経験値が陸曹クラスよりも低い場合が多いのです。

 それで、実戦となって道に迷ったような場合とか、戦うか逃げるか迷った時、陸尉たちが自発的にかつての先生であった陸曹クラスに意見を求め、それに従うケースが多い、というダケの話でしょ。

 あくまでも最終判断は2等陸尉が行い、責任も陸尉が取ります。

 2等陸曹しか命令者がいない状況なら、2等陸尉が残した命令に違反することは(戦況の変化によってはしかたないので)ありそうですが、

 サンダース軍曹は、ヘンリー少尉の残した命令(自分を助けに来るな!)に違反せざるをえない状況になったとき、通信機を使って中隊長(大尉)に連絡し、命令違反を許可するよう要請しています。中隊長(チェックメイトキング)は、「そちらの状況がわからない以上、ヘンリーの命令に反することは許可できない」と言ってサンダースの要請を拒否してました。

 まあ、ふつうは陸尉たちが残す命令は、命令を守って全滅しろということではありません。「戦況が大きく変化しないかぎり」という条件が付くはずなので、サンダースのように厳格にやる必要はないのではないかと思いますが、許可をもらえなかったサンダース軍曹は親友であり上官でもあるヘンリーを救出に行けなくて苦悶します。

 そういうものです。

 ただ、命令系統が違う場合はありますね。

 これはスタートレックなどでも出てくるシーンですが、機関大佐と、軍医少佐、通信兵少尉、一般兵しか艦や部隊にいない場合、誰が部隊の指揮をとるかというと、ふつうは通信兵少尉です。機関大差も軍医少佐も少尉の命令に従います。

 軍医少佐は基本的に命令を出しませんが、降伏など人命に関する場合、命令が有効になる場合もあるようです。「軍医が反乱禁止の命令を出しましたので、捕虜達の反乱は心配しなくていいでしょう」というセリフを聞いた覚えがあります。花登こばこの「ドテライ男」だったかな。

 艦が工廠に入っている時は、艦長(大佐)クラスでも、工廠長(例えば中尉)にへいこらします。工廠長の機嫌を損ねると整備がいい加減になりかねないからです。当然ですが、工廠で働く兵たちは、艦長ではなく工廠長の命令に従います。工廠長を叱りつけた艦長に対し、工廠の兵達が猛烈抗議するなんてシーンも、小説などではよく出てきます。
 
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2014/05/31 23:36

「先任下士官」については、近現代の軍では制度化されて組み込まれています。


大勢を統率する教育を受けた士官とは別に、専門家としてベテランのサポートを
つけるわけです。


なんでこうなったの?というと歴史的な経緯がありまして
ナポレオンみたいな"戦争芸術家"あるいは"軍事的天才"に対抗するために、
プロイセンドイツの軍事理論(クラウセヴィッツの『戦争論』)を参考にして
多くの国は複数が協力して対抗する「組織」(いわゆる『参謀本部』)を
組み上げていったんですが、複数人が同じ目的を持っていたとしても、
情報伝達がきちんとしていなかったり、個人が勝手に行動してしまっては、
そもそも大きな目的の達成、作戦の実行ができないわけです。


そこで、現場に臨機応変な判断をさせつつ、最小単位の集団を管理統率する
という矛盾を解消するために、管理者+ベテランのサポートという形が
一般化していきました。

指示や情報が伝わらない時、緊急の時にはベテランの知識で切り抜け、
平常時や暴走しそうなときには士官が歯止めをかけるわけです。
ですから、どちらが一方だけ、というのでは少なくとも現代戦では
あまり機能しなくなってしまいます。




ちなみに自衛隊の場合はアメリカの軍制を参考にして
幕僚監部では最先任下士官、陸上自衛隊では上級曹長、海上自衛隊では先任伍長、
航空自衛隊では准曹士先任と呼んでいます。

どちらが偉いかといったらそれは階級が上の方が偉いのですが、
偉い人だけでは世の中は回らんのです。
そして同様に、統率を失ってはベテランだけでも回らないのです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2014/05/31 23:36

こんにちは。



旧日本陸軍に詳しい訳ではありませんが、友人に陸上自衛隊を満期除隊した者がいるなど階級制度にはある程度の知識は持ってます。

旧日本陸軍では、二等陸曹に相当する階級は軍曹で、二等陸尉に相当する階級は中尉でしょうか。

中尉のような士官は、二等兵から叩き上げの兵では殆んどなることができず、軍曹の上になる階級である曹長が事実上の下士官の最高位だったようです。
(陸上自衛隊では一曹が曹長に相当)

しかし、旧陸軍士官学校(自衛隊は防衛大学)を卒業した若者は準尉から直ぐに少尉の階級になり、中尉ぐらいの階級では年齢も若く実践経験も乏しいはずです。

ですから、旧日本陸軍も二等兵から叩き上げて様々な実践経験を積み上げて昇進した年長の軍曹あたりのほうが、最前線の戦いでは若い兵隊からは頼りにされて命令にも素直に従ったと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2014/05/31 23:36

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