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筑波大学名誉教授の村上和雄氏が、脳は生涯に渡り発達し続けると言っていたのですが、これは本当ですか?

氏によると、脳に関する従来の定説は誤りで、実は人間の脳は生涯に渡り発達し続け、神経細胞が損傷しても修復したり再配線したりすると言うのです。これは本当ですか?

A 回答 (6件)

 村上和雄氏がどういう説明をしたか知らないので、それが間違っているか、あるいはどの程度合っているかは、分かりません。

すみません。

 しかし、従来、といってもかなり古いといっていいのですが、例えば脳細胞が再生しないというのは定説でしたが、その後にそうではないことが分かっています。ただし、従来の説は8割以上の正しさはあるのです。普通は脳細胞は再生しないというのは、よく見られる事例でした。

 そこへ、例えば「適度の有酸素運動で海馬の細胞が増える(実際の検証はまだマウスまで)」、「噛んで食べないと海馬などの脳細胞の減少が著しくなり、噛んで食べるようにすると元に戻るらしい」といったことが分かってきました。何らかの条件下では、脳細胞が再生することもある、ということですね。

 それとは別に、精神作業の発達について見直した研究もあり、脳を健康に保てれば70代で判断力が最高度になる、という結果を得たりもしています(まだ個別の研究例で、追試などが充分ではない)。歴史年表や英単語の暗記などは、年齢とともにできなくなってきますが、これを判断力の向上による不可避の結果と見る人もいます(無駄・無意味なことは覚えない、といったもの)。

 さらに脳損傷から回復では、ずっと以前はある機能(身体操作だけでなく、言語なども含む)は脳のある場所で行われており、そこが損傷を受けると機能もずっと失われると思われていました。しかし、少数の例外が発見され、そこから脳にはある場所が損傷しても、別の場所で同じ機能を代替するということも分かってきました。

 それを応用しているものの一つが、ニューロ・リハビリテーションなどと呼ばれている脳レベルで考えた機能回復です。上述した脳細胞が回復する可能性に期待はせず、損傷を受けていない部分が機能を代替できると考えて、そのためにはどういう刺激が必要かなどを研究し、まだ充分とはいえませんが、ある程度の成果を収めていますし、進歩しつつあります。

 例えばのレベルですが、以上のようなことがありますので、従来の「脳はある年齢で固定し、以降は減退するのみで、損なわれたものは取り戻せない」という考え方から、「脳は生涯に渡って変化し続け、老年期まで発達し続ける能力もあり、方法次第では損なわれた機能も回復できる」と変わって来ています。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました。ご意見は大変参考になりました。

お礼日時:2014/10/04 20:07

言葉の解釈が問題なのかも知れませんので、補足回答します。


脳は、「生涯に渡り発達し続ける」を、人の年代が上がるごとに脳機能は向上するのだと捉えられては、いけません。このシステムでは、脳の機能損傷を回復出来ないからです。
現実として、損傷自体が回復されたり損傷箇所を別回線が補うという現象は多数認められています。脳機能の全ての損傷が回復の可能性を持つ訳ではない事はご留意下さい。
何故このような現象が起こるかという説明が、脳は「生涯に渡り発達し続ける」からだという事なんですが、それは先の回答で述べたとおり、その年代によった脳機能の成熟があり、その年代が過ぎる毎に新たに脳機能が次の段階へ発達してゆくという意味なのです。つまり脳機能の再編成です。その再編成の組み込み次第が、損傷を受けた脳機能の回復の可能性をもたらすのです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。この捕捉回答も大変参考になりました。

お礼日時:2014/10/05 07:46

神経細胞レベルの生理学的な知見として


・生涯にわたって神経細胞が損傷しても修復したり再配線したり
というのは正しいです。
したがって、「脳が発達する」という言葉が「脳を構成する(低レベル素子である)神経細胞が修復したり最配線したりすること」と定義するのであれば、村上氏の言及は正しいです。

しかしながら、現時点では、個々の神経細胞レベルではいろいろな生理学的な知見が知られていますが、
残念ながら、記憶や思考といった脳の高次機能がどのような仕組みで行われているかは、まったくと断言してよいほど何も分かっていません。(「脳のこの部位がこの高次機能に関係しているらしい」ぐらいがせいぜい。)
神経細胞の再結線が、脳の高次機能の向上につながるのかどうか、全く分かっていません。

したがって、「脳が発達する」というのが、日常会話の意味での「頭がよくなる」(記憶力や思考力などが高まる)という意味だとすれば、
「人間の脳は生涯に渡り発達し続けるかどうか」は現時点の脳科学では何もいえません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。なるほど、回答者様の言わんとすることは良く分かりました。

お礼日時:2014/10/05 07:42

Q、「脳は生涯に渡り発達し続ける」は本当か?


A、No!

年をとれば物忘れは多くなるし、ボケも進む。
脳とて、老化とは無縁ではありません。

まあ、「真理も極端に展開すれば背理」ですからね。
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これまでは、一定の規格が脳機能の健全さだと解釈されて来ましたが、研究の発展により、脳はその人の生活や年代によった成熟の在り方があるという考え方に移行しつつあります。


例えば赤ん坊の脳は、大人と比較して未成熟な脳であり、大人の脳機能に近づく事が脳機能の成熟なのだという考え方が否定され、赤ん坊として成熟した脳機能が健全であるという見方です。ですので、中年期老年期も、その年代によった発達を遂げ脳機能が成熟するのです。そのシステムがあるからこそ、発達過程で損傷を補う事が出来るのです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。ご意見は参考になりました。

お礼日時:2014/10/04 20:03

 従来の定説というのは、脳神経細胞はいったん増えた後は細胞分裂を伴わないので減る一方なので加齢現象(老化現象)が進む・・・と説明されていましたが、適切では無かった。



 実際は脳内神経回路網が重要なので、必ずしも脳神経細胞の総数は重要では無いということのようです。

>記憶が特定の脳神経細胞のネットワークに存在することを証明
―自然科学で心を研究、心は物質の変化に基づいている―
http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120323/

 昨夜のNHKでは「物忘れを防ぐ方法」の番組がありました。(録画をしただけなので内容はまだ未確認)。番組欄によると円周率10万桁の暗記に挑戦していたようです。


>神経細胞が損傷しても修復したり再配線したりすると言うのです。これは本当ですか?
 本当です。
 その逆に世間を騒がせている危険ドラッグを摂取するとこの”配線”を破壊してしまいます。


 世の中にはこんな学会があるのか・・・。

>日本神経回路学会とは?
http://www.jnns.org/

参考URL:http://www.jnns.org/
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。ご意見は参考になりました。

お礼日時:2014/10/04 20:01

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