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簿記二級を独学しているものですが、工業簿記の範囲で、製造間接費の予定配賦が腑に落ちません。

(1)予定で見ている製造間接費の消費額を貸方に立てて、借方には仕掛品を立てる。

(2)実際の製造間接費の発生額に合わせて、あらかじめ貸方に立ててあった製造間接費を調節する(製造間接費/製造間接費配賦差異 or 製造間接費配賦差異/製造間接費の仕分けを行う)。

という理解です。このとき、(2)で製造間接費の反対勘定を仕掛品にすればわかりやすいものを、製造間接費配賦差異という勘定を使うため、実際発生額に合うように調整された製造間接費と、計上されている仕掛品の額がずれてしまいます。

製造原価報告書では、そのずれを解消させるために、製造間接費の実際発生額から製造間接費配賦差異を足し引きして、予定配賦の額に調節した上で、それを元に当期製品製造原価を算出しています。

なおかつ、損益計算書では、売上原価に製造間接費配賦差異を足し引きして、製造間接費の実際発生額に基づいた売上原価を算出しています。

こうした処理が参考書に出ているのですが、二点疑問がございます。

(1)製造間接費の、実際発生額ではなく予定配賦額にあわせて製造原価報告書を作る意味がよくわかりません。予定配賦額が実際発生額より大幅に少なかった場合、製造間接費報告書に記載される「当期製品製造原価」が不当に少額になってしまうのではないでしょうか?

(2)その製造間接費配賦差異を、売上原価の部分で調節する処理も腑に落ちません。売上原価は、製品の売上と同時に計上されるものと理解しています。製造間接費の予定配賦額と実際発生額のズレがなかった商品Aと、予定配賦額を小さく見積もってしまったBがあったとします。期末にBが未完成で、Aが完成・引渡済となっていた場合、Aの売上原価に、未完成であるBの製造間接費予定配賦差異を加算することになりますよね?その処理をしてしまったら、予定配賦を行わず、全て 仕掛品/製造間接費(実際発生額)の仕分けを行った場合に比べて、売上原価が多く出てしまいませんか?


独学者ゆえ、あまりに初歩的な質問でしたらすいません。
わかりやすく教えていただけるとありがたいです。よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

(1)製造間接費の、実際発生額ではなく予定配賦額にあわせて製造原価報告書を作る意味がよくわかりません。

予定配賦額が実際発生額より大幅に少なかった場合、製造間接費報告書に記載される「当期製品製造原価」が不当に少額になってしまうのではないでしょうか?

実務では予定原価と実際原価の際がある一定以内であればそれは売上原価にしてもかまわない。
一定額以上のときはそれを売上原価と期末棚卸高に配賦することになっています。問題の例はそれが小さい場合ということでしょう。
小額の差額が毎期出ても前期と当期を通算すれば売上原価への影響は中立に近くなりますから、これでも大差はありません。

(2)その製造間接費配賦差異を、売上原価の部分で調節する処理も腑に落ちません。売上原価は、製品の売上と同時に計上されるものと理解しています。製造間接費の予定配賦額と実際発生額のズレがなかった商品Aと、予定配賦額を小さく見積もってしまったBがあったとします。期末にBが未完成で、Aが完成・引渡済となっていた場合、Aの売上原価に、未完成であるBの製造間接費予定配賦差異を加算することになりますよね?その処理をしてしまったら、予定配賦を行わず、全て 仕掛品/製造間接費(実際発生額)の仕分けを行った場合に比べて、売上原価が多く出てしまいませんか?


これも(1)の答えと趣旨は同じですが、小額の場合は棚卸高には配賦しないということは全部当期製品製造原価に配賦されるのとおなじことになります。

売上原価=前期製品棚卸高+当期製品製造原価-期末製品棚卸高

ですから、当期製品製造原価に配賦されることは結果として売上原価になるのと同じことです。

ここでも原価差異が大きい場合は棚卸高と製造原価に適当な比率で配賦をします。


原価差異が大きい場合と小さい場合で処理は異なることを解ってください。小さい場合は重要性の原則でその差異は無視するということです。
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