物理用語の使用法についてのご意見をお聞かせください。
絶対屈折率が小さい物質Aから、大きい物質Bに光が当たって反射する時に、反射波の位相は入射波の位相に対してπ[ラジアン]だけずれます。このことを、東京書籍と実教出版の高校物理の教科書では「位相が反転する」と表現しています。
「反転する」というのは、山と谷が入れ替わるという意味だと、私は考えます。山や谷は、厳密に言えば、波の変位であり、波の位相ではありません。位相は波の式を、 y=Asin{2π(t/T-x/λ)} と表した時の {2π(t/T-x/λ)} の部分を指すわけですから、この量は反射時にπラジアンだけ不連続的に変化するだけであると、私は考えます。山や谷が入れ替わるのは、この式のyであり、それは変位です。
ですから、「位相が反転する」という言い方は、位相と変位とをごちゃまぜにした、間違った言い方である、と私は思うのですが、言葉の使い方は習慣により、皆が間違った使い方をしていれば、その言い方が世間に通用するようになることもあるので、みなさんのご意見をお聞かせください。
なお、数研や啓林館や第一学習社の教科書は、「位相がπラジアンずれる」という表現をしており、「位相が反転する」という言い方はしていません。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
「位相が反転する」というのは、「位相がπラジアンずれる」という意味です。
つまり、「位相が反転する」という用語は、「位相がπラジアンずれる」という言葉の略記として「定義」されています。(このように、きちんと「定義」がされている言葉を「専門用語」といいます)
言葉の「定義」に「間違っている」と文句を言っても、どうしようもありません。
まあ、なぜこんな言葉ができたかと言われれば、おそらく、円を思い描いて、反対側の点というイメージからでしょうけど。
この回答への補足
「お礼のコメント」を書いた後で、更に考えると、やはり「位相の反転」には不満が残ります。岩波の理化学辞典には「位相」「反転」のそれぞれについての説明(定義)が出ています。その説明を組み合わせて「位相の反転」の意味を作ろうとしても、すぐには作れません。「お礼のコメント」書いたような「位相の反転」の意味の取り方が正しいのだろうと思いますが、そこで反転しているのは動径であって、位相ではありません。あなたの記述でも、反転しているのは円周上の点であって、位相ではありません。
結論として、高校物理教科書に「位相の反転」なる専門用語を説明もなしに出すのは、不適切である、と私は思います。
議論にご参加していただき、ありがとうございました。
コメントいただき、ありがとうございます。
反転とはひっくりかえすことと、私は考えていて、位相をひっくり返すことなどできない、ひっくり返せるのは変位だ、と思っていました。
しかし、あなたのご説明が正しいものだろうと、私も考えるようになりました。
私は先程、岩波の理化学辞典で「反転」を調べました。そこには、「ベクトルの成分の符号を逆にする変換」のことだとあります。位相を回転角と考えて、平面上で原点の回りに回転する動径でその位相を表した時、その動径を反転することは、動径の回転角をπラジアンずらすことと同じ結果になります。位相の反転はそのことに基づく言葉でしょうね。
ご指摘いただきありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
>結論として、高校物理教科書に「位相の反転」なる専門用語を説明もなしに出すのは、
>不適切である、と私は思います。
よくわからないんですが、話が教科書の書き方の話にシフトしたんでしょうか?
教科書にどう書いてあったかは知りませんが、
特別な位相を表現する用語としては適切な用語だと思いますよ。
要は、位相を表現するのに。角度だけでは表現が貧しくなってしまうということです。
そのために様々なわかりやすい表現が考え出されたということです。
逆相や位相反転を位相差πラジアンに統一しようなんて提案したら
反対されるどころか、戯言として無視されるでしょうね。
No.1
- 回答日時:
位相の反転とは、波の変位を上下に反転させたことに相当する位相になること。
同相、順相、逆相なんて言葉もあります。これも変位で位相を表現してます。
コメントいただき、ありがとうございます。
「位相の反転」は高校物理教科書に出ているくらいだから、物理研究者の間では当たり前のように使われている用語なのでしょうか。専門家の間では現象を短く表現する言葉として、便利なのかもしれません。普通の人は「位相の反転」という言葉を聞くと、位相が反転するという意味にまず受け止めるでしょう。変位が反転するように位相がずれることという意味を、その言葉から読み取るには、慣れが必要です。高校教科書にその用語の意味の説明もなしに使うのはどうかと私は思います。
2つの波源が「逆位相で振動する」の意味も、考えてみれば、「逆」なのは同時刻における位相ではなく、同時刻における変位ですから、「反射時での位相の反転」と同じ使い方ですね。
ご意見をいただき、ありがとうございました。
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