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次の4つの仮定を前提にアキレスと亀のパラドックスを推論しました。
1 アキレスの速度を亀の速度のm倍とする。
2 ピタゴラスの提案した最小の空間(点)のX方向、すなわち、アキレスと亀の走る方向の長さをdxとする。
3 亀が最小空間のX方向にdx走るのに要する時間をdtとする。
4 亀が最初に最小空間に到達したときのアキレスとの距離をLとする。

 亀が、アキレスに迫られ、もはや前進できる時間がdtになった時を想像します。この時、亀の進める距離はdxです。dx以下の距離は存在しないので、亀はどうしても次の空間に移動するためにはdt時間を要することになります。以後、亀は、この繰り返しでdt時間に距離dx前進するだけになります。一方、アキレスは亀のm倍の速度を有するため、dt時間内に亀との差を(m―1)dx 縮めることができます。したがって、L/(m―1)dx時間後にアキレスは亀に追いつくことができます。この考え方に立てば、通常の感覚でアキレスが亀に追いつき追い越すことが納得できました。つまり、最小空間という概念を持ちだして、dx(またはdt)が無限に小さくなるという、無限の地獄から脱出できたように思えたのですが、どこかで論理が破綻しているのでしょうか。
 論理が破綻していないのであれば現実の空間も微細に分割されているのでしょうか。極微の世界ではエネルギー値がとびとびの値しか取れないように。

A 回答 (5件)

次の①書籍と②webページが参考になると思います。



①数学は楽しい part 2(別冊日経サイエンス172)
・ゼノンのパラドックスを解く W. I. マクローリン

http://homepage2.nifty.com/ktimeh/essay/essay15. …より引用(ほとんど引用ですみません)

「ゼノンのパラドックスが解けた!?
 1994年アメリカの雑誌 Scentific American 11月号にResolving Zeno's Paradoxes(ゼノンのパラドックスを解く)という論文が発表された(『日経サイエンス』1995年1月号に翻訳が出ている)。これは超準解析の手法でゼノンのパラドックスが解けたと称するものである。(これに関して『現代思想』1999年8月号で山川・野家両氏による対談が出た。)無限小量の導入による一般向けの説明であるが、実は日本でも1987年6月号『数学セミナー』に和田秀男氏による「飛んでる矢は動いている」という論文(というより雑談の形で副題が「超準解析への招待」となっている。)が掲載されており内容はやはり超準解析によってゼノンのパラドックスを解くというものであった。超準解析そのものは難しくて私もわからないが無限小の考え方はむしろ直観的にはわかりやすいものである。たとえば従来は点が集まって直線ができると考えていたが、点は定義上長さのないものであるから点をいくら集めても直線になるはずがない。最初に長さの無いもの考えておきながら、次にそれらが集まって長さができると称しているわけであるから、どうみても矛盾である。したがってむしろ、点は無限小量を持ちこれが「長さ」の素になっている、と考えるべきである。数直線は実数で埋まっているのではなくむしろ無限小点という無限集合の集まりであり、各実数はその無限小の中心にある。無限小しか離れていない2点は同一の点とみなされる。このような無限小量を考えることで従来の微積分の教科書に出てくる極限概念にまつわるあいまいさを一掃することができるし、ε-δ論法も必要なくなる。数学者達は dx のような記号を無限に小さい数として記述、説明するすることを慎重に避ける一方で式変形や実際の応用においては極めて小さい数として考えてかまわないような態度をとっている。」

ゼノンが提起したのは、
 目の前で起こっている運動という現象を如何に解析するのか?という問題であり、無限等比級数に帰結して解決できるような部分ではなかったようです。その運動を解析する方法が1994年に発表されたということのようです。質問者さんの疑問の解答がその方法ではないでしょうか。
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「最小空間という概念を持ちだして、dx(またはdt)が無限に小さくなるという、無限の地獄から脱出できたように思え」るのでしょうか?


最小空間よりも小さな空間、短い距離が存在しない状態だと、色々の不都合が起きるように思います。 亀が進む速度が進行速度としては最低であり、その速度dx/dtが5000だとして、亀より少し速いのは5001、もう少し速いのは5002と考えると、1/5000よりも微妙な速度差は存在しないということになります。無限に小さくならないということは最小空間距離を設定したのですから当然の帰結です。しかし、1次元ではなくて、二次元空間や三次元空間での距離が、最小空間距離を設定すると説明不能になってしまうように思います。
「アキレスと亀のパラドックスの解法について」の回答画像4
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ちゃんとしたことが私にわかっているのではないのですが、


❶ 最小の空間(点)のX方向の長さ=dx (長さ・距離は dx・nで示される nは自然数)
❷ 亀は、dt時間経過後にdx・1だけ移動する
❸ アキレスは亀のm倍の速度のため、dt時間内に亀との差は、dx・(m―1)分変更になる
❹ 初期位置が亀とアキレスでどれだけ差があろうと、同じ方向に亀とアキレスが同じ方向に進む限り、(亀がアキレスより先行する位置にあったときは、二者の間隔は時間経過と共に縮まるが)アキレスと亀の距離は開くばかりになる。
そりゃそうだろう。
距離を離散するもの(飛び石的なもの)として扱っているのなら、最初から、1/nのような思考を出来なくしているのだから、
アキレスの速度のmも自然数を前提にしていて、亀の速度の4.53倍というようなのは認めない条件設定だし、
それは条件設定が違っているというものでしかないように思います。
無限を考えなくても、条件設定にたくさんの条件を盛り込んだら、その条件の中で破綻しないということはいえても、設定条件でないケースについてはなにもいえないので、一般的論理にはならないと思います。

仮定条件設定内で論理的に破綻しないロジックが作れても、それをもって、現実にもそうした仮定条件設定があるのではないかと想像しても、それは論理的にいえることにはならないと思います。

平面上で一つの線が閉じた領域を囲っている場合で、線には交点がない場合、平面は閉鎖線の内外に2分されている。こうした状態の線はどれでも同じだ。三角形、四角形、七角形、楕円も同じだ。よって、三角形、四角形、七角形、楕円も同じであることを立証した。現実には、三角形や四角形といった区分はないのではないか。直線や曲線、角なども存在しない。
平面でない局面や立体型の中でも、三角形、円、四角形はあるので、平面上という条件の中で完結したロジックを提示できても、現実世界には平面ではないモノは存在しないに違いないと想像するのは、乱暴だと思います。
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>論理が破綻していないのであれば現実の空間も微細に


>分割されているのでしょうか。

論理の破綻の有無と、それが現実を表わしているかは無関係です。

それから、量子カ学はエネルギーがとびとびの値に「落ち着きやすい」
ことを示しますが、エネルギーの連続性を否定しません。
誤解のなきよう。
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数学の証明だとすると、「dx 以下の距離は存在しない(存在しなくても矛盾が発生しない)」という点を最初に述べる必要があるでしょう。



あと、「L/(m―1)dx時間後」という表現だけで、これは、間違いだと断言できます。
Lの単位は、m(メートル)です。
(m-1) は比率なので、単位がありません。
dx の単位は、これもm(メートル)です。
なので、L/(m-1) dx という式の単位は、m^2(メートルの二乗)であり、時間ではありません。

数学的には、このパラドックスは、単に「無限の手続きは有限の時間で終わらせることができる」というお話になります。

最初の「手続き」にかかる時間が、t0 だとすると、手続きの定義から、次の操作には、t1 = t0/m (ただし、m > 1)の時間しか掛かりません。
つまり、n番目の手続きに要する時間は、t0/(m^n) ですから、これは、公比 1/m の等比数列になります。
m > 1 のとき、公比 1/m の数列の級数は収束し、その値は、m×t0/(m - 1) です。

つまり、最初の手続きに t0 掛かったとすると、その、m/(m - 1) 倍の時間で、アキレスは亀に追いつくことになります。
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