太平洋戦争において、日本軍はアメリカに勝つことは不可能だということは戦う前から分かっていたはずで、最初の戦いを有利に進めて講和に持ち込むということを考えていたはずです。
事実、最初の半年だけは日本軍は優勢に戦いを進めており、その状況で講和に持ち込むチャンスはあったはずなのですが、そのあとに外交的にうまく物事を運べば、アメリカと講和して日本は領土の現状保持プラス満州の権益確保程度で戦争を終結させ、欧州戦線において連合国側として参戦というシナリオもなくはなかったでしょう。
太平洋戦争開戦半年後、日本外交が神懸かり的な活躍を見せた場合、戦争はどのように終結したと考えられるでしょうか。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
はい考えていました。
山本五十六が「半年、1年なら思う存分暴れて見せます」という言葉には、1年で講話しないと負けるという意味が含まれており、それは陸海軍問わずすべての人が認識していたことであった、からです。しかし、実際の戦争は意図しないことばかり起こります。
最初の間違いは、真珠湾攻撃にあります。ひとつは、アメリカ空母艦隊の本体に壊滅的打撃をあたえられなかったこと。これによりミッドウェイ海戦での敗北につながっていきます。
二つ目は、暗号が解読されていて奇襲が知られていたことと宣戦布告が奇襲の後になったことです。なによりも「フェアネス」を重んじるアメリカ人に「日本人は汚い」という印象と「リメンバーパールハーバー」という目的を与えたことが何よりも失敗です。
次の間違いは、日本の政府が講話のチャンネルをソ連に頼ったことです。当時日本はソ連と中立条約を結んでいましたので、ソ連を仲介して講話ができると信じていました。しかし、ソ連はいずれ日本に対して宣戦布告する意志を早い段階から決めていたといわれています。
したがって、真珠湾の攻撃が相当な打撃を与え、アメリカ艦隊が復活するまでに時間を要し、ソ連が仲介してくれて、なおかつ日本の陸海軍の足並みがそろえば、1年程度の戦争で終結できたかもしれません。
しかし、実際にはほとんど不可能であったと思いますし、そもそも日本政府・陸軍・海軍に「戦争終結の落とし所」というか、取るべき利益と捨てるべき利益の区分けもついていませんでしたので、どれほど日本に有利な戦局が続いたとしても、かえって戦争は長引いたと思います。
なによりも重要なのは、国民の相当数が「アメリカをやっつけろ」という意思を持って、戦争を支持していたことです。東京裁判史観では「国民は被害者」ということになっていますが、実際には、普通選挙で戦争推進の意志を明確に表示して、その選挙を経た政府が宣戦布告をしていますので、国民の戦争への期待と勝利の確信は、政府や軍部よりも大きかったといえます。
したがって、1年程度で講和しようとしても世論の反論が大きく、やはり講和に至ることは無かったと思います。
日本という国は、近代まで対外国戦争をしたことがなく、明治以降はすべて勝ち戦だったので「戦争に負けても失ってはならない利益(国の独立存続とか)」があることに気がついていなかったのです。世界のほとんどの国は戦争に負ければ国を失うこともあり、失わないで負けを回復するにはどれほど大変か経験していますが、当時の日本はそれを知らなかったのです。
したがって、国民の世論は戦争継続を望み(負けることなんて考えられないわけです)、政府や軍部は有効な講和の理由を見つけられず、結局アメリカの物量に負けて敗戦に至ったでしょう。
有利な条件で講和することは不可能ではありませんでしたが、それをつかむ能力は当時の日本にはほとんど無かった、と言っていいと思います。
No.5
- 回答日時:
そのシナリオは仮想戦記小説だけでしょうね。
まずアメリカには講和の意思はありませんでした。厭戦気分が広がるのを恐れ、国民向けプロパガンダを派手に流していたくらい政府、軍は戦う意思が強かったのです。現在も国内世論で「原子爆弾の使用を米兵の犠牲を抑えるために必要だった」という意見が多いというのは、プロパガンダの効果が出ているからではないでしょうか?
なので日本から出した中途半端な講和条件は一顧だにされなかったと思います(何のためにアメリカ人が血を流したのかという批判も返ってきますから)。
とにかく、当面立ち上がれない程まで叩いて日本を降伏に追い込み、アジアの権益を確保する方があちらの国益に適いますので、絶対に戦争はやめなかったでしょう。
国力の差を正しく理解しているのもアメリカです。あんな贅沢な軍隊は当時、アメリカ軍以外存在しなかったのです。一つ二つの敗北くらい挽回できると思っていたでしょう。
一方の日本にしても、講和(という幻想)を考えていたのは海軍で、陸軍はそこまで考えていませんでした。それゆえ45年8月12日以降、揉めに揉め、玉音放送に至りましたから。
以下、歴史に禁物の「もしも」ですが・・・
仮にハワイや西海岸へ侵攻したら(そんな実力が旧軍に無かったのは周知の事実ですが)、それこそ米国民の愛国心に火をつけどんなプロパガンダよりも強烈な戦争継続意欲になったでしょう。ますます外交は難しくなったと思いますよ。
百歩譲って神懸り的外交を展開できたとしても、あちらはハルノートに限りなく近い内容を争点として押し付けてきたでしょうし、大陸からの撤兵は「大陸では負けていない」という認識の陸軍には到底飲めない条件だったでしょう。それこそクーデターが起こり、戦争はもっと長引いたと思います。最悪日本軍同士で内戦を繰り広げる可能性もあったかもしれません。
No.3
- 回答日時:
<有利な条件で講和できた可能性>
ミッドウェイ海戦に完勝し、アメリカ太平洋艦隊の稼働空母がゼロになり、日本軍がアメリカ西海岸に侵攻するぞ、って可能性が出た場合。
実際に国土が戦場になるぞってことになったら、アメリカの世論が講和に傾き、政府を動かすって目が見えたかもしれません。なんたって民主主義の国ですし、内戦以外は自国が戦場になったこと無い国ですし。
<それって可能?>
ご存じのとおり、稼働空母ゼロまで追い込むことはある程度可能性がありました。しかし、西海岸への侵攻は可能性が限りなくゼロに近くなります。
なぜなら、西海岸を攻めようと思えばハワイを占領・維持して根拠地化しなくてはなりませんが、連合艦隊はミッドウェイ海戦の時点で艦隊用燃料をかなり消費してしまっておりますし、そもそもハワイを維持するための輸送用の船腹量が決定的に足りません。
ハワイの根拠地化ができなければ西海岸侵攻なんて到底無理。であるならば講和の可能性、ましてや有利な条件でなんて到底無理だと思います。
No.2
- 回答日時:
かわらんね・・・なぜならアメリカの民需生産を軍需生産
に転換するには1~2年と計画されていた。生産の転換
命令が実行されて半年で講和など有り得ない。
早期講和という寝ぼけた期待は日本政府だけであろう。
ひとたび戦争が始まれば2年以内の講和は無かった。
ハワイを占領し西海岸に上陸すれば交渉は有りえたかも?
ただそれは講和で無くて降伏交渉なのである。
植民地や占領地を敵に占領されたから本国が降伏するなんて
事は起こるはず無い。ハワイ健在で日本と交渉する意味が無かった。
講和外交のチャンスは無い。現実の歴史も講和が無かったのは当然。
No.1
- 回答日時:
>最初の半年だけは日本軍は優勢に
あのくらいでは「講和できるほど」優勢とは言わないってことでしょう。実際アメリカに反撃されてるわけで。暗号解読説とか、真珠湾はわかってて襲わせたとか加味しちゃうと、アメリカは反撃することを想定していたのかも知れません。なのでアメリカは講和なんて考えもしなかったのでは?(妄想です)
せめてハワイ占領してアメリカ本土が…っていう状況で、イギリスをほぼほぼドイツが占領→ヨーロッパに全力注入とか大統領殿が判断しないと講和は無理でしょう。
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