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以前から疑問だった事ですが、

在宅看護が必要な人にヘルパーさんだと法律違反になるからとの理由で軽微な行為も行なえない、と聞いてます。
でも家族はやっても良い事になってますがどうしてでしょうか?  

・実は法的には違反?
・医療行為が医療とみなされない解釈があるのでしょうか?
・だれがやっても違反は違反のはずですが単に大目に見られてるのでしょうか?
・対価を得てないから違反じゃないと解釈出来るとか?
・家族の範疇はどこまでですか? 曖昧なほうが良いかとも思いますが。 基準があれば教えて下さい。
・友人、知人が無料で好意で行なっても違反ですか

A 回答 (7件)

まず家族による医療行為(法律では医行為と言われています)の前に、法律で何を禁止しているのかを見てみます。


まず関係する話は、刑法における傷害罪、傷害致死罪などです。つまり人を傷つける行為はそもそも刑法に反するわけです。注射もその一つになります。ただ医療目的であれば限定的に認められるということです。
そのためには、

1. 治療を目的とすること
2. 医学上認められた手段および方法であること
3. 患者,保護者,代理人などの承諾のあること

という3つの条件が成立していなければならないとされます。
その上で、

医師法
第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。

という法律により医業については医師であれば行うことが出来、それ以外の人は出来ないこととされています。
(医師は患者や看護人に指示することは出来ます)

では、医業とは何かというと、

仙台高裁判例 ( 昭和 28 年 1 月 14 日 )
医業とは、医行為を業とすることであり、医行為とは、当該行為を行うにあたり、医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼすおそれのある一切の行為である。

がもっとも使われる定義です。ここで「業」とは不特定多数(場合によっては特定小数でも)に反復継続しておこなう行為です。報酬を得ているかどうかは関係ありません。

では家族が行う治療行為はどこまで認められるのかというと、たとえば子供に市販の薬を与える行為は、

1. 治療を目的とすること
2. 医学上認められた手段および方法であること
3. 患者,保護者,代理人などの承諾のあること

の3要件を通常満たします。1,3は当然のことですが、ポイントは市販の薬は2の医学上認められた手段といえるためですが、市販の薬でも症状によっては使用してはだめな場合もあり、その場合は治療行為として認められない可能性(即ち傷害罪その他に問われる)もあります。
なんにしても市販の薬は「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼすおそれのある一切の行為」とまではいきませんので、医師法の禁止する医療行為とはいえません。

医師が処方した薬については、これは明らかに「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼすおそれのある一切の行為」に該当しますので、勝手にやってはいけません。ただし医師が指示したとおりに服用する分には問題ありません。
同様に注射についても、医師が指示した場合は別です。つまり医師の指示があればそれを患者本人又は患者の監護者が行うのはかまわないのです。根拠は、

医師法
第23条 医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。

が上げられます。つまり医師法により本人、又はその保護者は医行為であっても、医師の指示があれば行ってもよいということです。


では第三者はどうでしょうか。ヘルパーさんなどは明らかに有償/無償を問わず「業」に該当しますので、同じ事をヘルパーさんが行うと「医業」に該当してしまいますし、23条の規定も使えません。

看護婦については、

保健師助産師看護師法
第5条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。

第31条 看護師でない者は、第5条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法(昭和23年法律第202号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。

と医師の補助業務として認められており、またこれを看護婦以外が行うことも禁止しています。
この但し書きにより医師が医師法に基づいて出す指示(前出の本人又は保護者にする医師の指導)については、行っても良いことになっています。

つまり家族が行う医行為というのはあくまで医師の指示の元でのみ許されており、看護婦であっても医師の指示がなければ行ってはなりません。注射もだめということです。
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>誰が認めるか;厚生労働省でしょうね。


その通りです。
実はヘルパーでも一部の難病の場合には医師の指導のもと第三者が医療行為を行うことは認められています。
で認めたのは誰かというと厚生労働省です。通達で認められました。
でも認められていない難病の患者の家族などが他にも認めて欲しいと陳情していたりします。(先日も筋ジストロフィーで陳情の様子がテレビに映し出されていました)
現実問題として、難病患者を家庭内で世話するときに家族しか出来ないのはきついので。

>最終判断:裁判所かな。
国と争うのであればそうなるでしょうね。

厚生労働省が認めた場合は、警察が取り締まることはないから、事実上裁判所が認めるかどうかに関わらず、違法の扱いにはならなくなりますのでそれが一番簡単でよいのですが。
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法律の観点から答えます。


法律とはやっていいことまたはやってはいけないことを決めたルールです。
例えば刑法で「人の物を盗んではいけない」という決まりがあります。(刑法235条)
しかし法律ではたとえば家の中にあったお母さんの財布から子供がお金を盗んだ場合、確かに窃盗という法律で禁止された行為に該当します。しかし罪は罪なんですが、この場合罰せられることはありません。それは刑法244条に「親族間での窃盗は刑を免除する」という規定があるからです。

つまり子供が親の財布からお金を盗んだ場合、それは罪ではないというのではなくて、罪だけれど罰しないという考え方なんです。

同じように医療行為も本来違法なんですが、正当な業務として認められた者(つまり医師免許を持った医師等)や、本人の保護を目的とした親族の行為などは、違法性がないとして処罰されないだけなのです。

医者が手術するのは本来刑法でいえば、お腹を刃物で切るわけですから傷害罪が成立しますが、免許のある人の正当業務として刑が免除されるのです。

ですからとりあえず医療行為は全て違法な行為であるが、特別な人(免許を持った医師や家族)だけは刑が免除されると考えるとわかりやすいと思います。
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この回答へのお礼

分りやすい説明ありがとうございました。 
家族は医師の指導の下に行為を行なってるから良いし、実際問題訴えられない。
ヘルパーさんの場合は生活補助と認められる行為ならOKと理解しました。

誰が認めるか;厚生労働省でしょうね。
最終判断:裁判所かな。
医師;権利意識の強い方々なので手放さないでしょうね、パラメディックの誕生の時のように。
グレーゾーンはどうなるか;責任を問われないために手は出さないほうがいい
*他の回答者の方も含めてこんな理解でOKでしょうか、

お礼日時:2004/07/01 20:09

私はタダの素人ですので正確な事は判りませんので,御自分の判断を大事にして下さい。



 まず,以前に類似の質問にお医者さんが回答されていますので御紹介しておきます。

 ・http://bekkoame.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=542268
  QNo.542268 摘便には、医師の指示が必ず必要?

 「医療行為(?)」をしても良い条件は2つあるようです。『爪切りや検温・シップ貼りなど「日常の世話として世間的に認知されている範囲内において」』である事。『医業(医療行為を継続的に行うこと。対象が特定されていても無償であっても関係ありません。)』ではない事。この2点が問題になるようです。

 ところで,何が「医療行為」に当たるかですが,下記ぺージなどによると『法律などの明文規定はないが、厚生労働省の解釈によれば、「医師の判断や技術によらなければ、人体に危害を及ぼすおそれのある行為」』との事です。また,『業務として医療行為を行うことができるのは、医師法などで医師や看護師など医療職に限定されている。』や『本人や家族が行う場合は業務にあたらないが、ボランティアの場合は業務にあたる。』ともあります。

 ・http://www.yomiuri.co.jp/iryou/ansin/an2b2202.htm

以上を基に考えるなら・・・・

> ・実は法的には違反?
 法律にあるのは「医業(業としての医療行為)」に付いてだけの様です。

> ・医療行為が医療とみなされない解釈があるのでしょうか?
> ・だれがやっても違反は違反のはずですが単に大目に見られてるのでしょうか?
 『大目に見られてる』と言えば大目に見られてるのでしょうか・・・。「家族は例外扱い」と言った方が良いように思いますが・・・。

> ・対価を得てないから違反じゃないと解釈出来るとか?
 「業として」には対価の有無は関係ないでしょう。例えば,サービスで試供品を配る行為も対価は得ていませんが「業として」の行為でしょうから。

> ・友人、知人が無料で好意で行なっても違反ですか
 よくは分かりませんが,家族が例外と考えれば違反になるように思えますが・・・。

参考URL:http://bekkoame.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=542268, http://www.yomiuri.co.jp/iryou/ansin/an2b2202.htm
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まず、「医師法」には医師以外は「医業」を行ってはならないと規定されていますが、「医療行為をしてはならない」という規定はありません。


医療行為と医業とは同じでは有りません。
医業とは反復・繰り返して医療行為を行う事です。
(例え1回しかやらなくても、将来的に繰り返す意志が見られれば反復・繰り返しと解釈します。これは車の運転と同じで、初めて、しかも自分のために運転して、事故を起こして人に怪我をさせると「業務上過失傷害」になります。)
さて、医療行為とは何でしょう。
例えば、子供が指を切った時、親が消毒をして、包帯を巻けば立派な医療行為です。この行為は法には反しません。
しかし、子供の友達に「指を切ったら、誰でも、何時でもおいで。処置してあげるよ」と言って、やったら、違反です。
金銭やお礼の授受は関係有りません。
だからといって、免許のない親が、自分の子供の盲腸の手術をしたら、違反です。(緊急避難行為は別)
この様に、医療行為と言ってもピンからキリまで、幅があり、個々に判断するしかないと思います。
友人・知人の医療行為も同じと考えます。
結局、最後は司法が「医業」か否かの判断をする事となりますが、社会通念上の判断になるのでしょう。
介護人の「喀痰吸引」などの医療行為はガイドラインに従う事になるのでしょう。
看護士の注射は元々医師の指示・監督下でしか行えないもので、医師の指示・監督下で有ればOKですが、
看護士が勝手に行えば、違反です。
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>・実は法的には違反?


 
はい、違法です。
 
>・医療行為が医療とみなされない解釈があるのでしょうか?
 
医療行為と法的に規定されている行為、例えば注射などは、家族が行なおうが「医療とみなされない解釈」にはなりえません。嘔吐しそうになった家族の背中をさするなどの行為は法的に規定されていませんので、OKです。
また、看護士が自宅で家族に注射する場合も違法です。
 
>・だれがやっても違反は違反のはずですが単に大目に見られてるのでしょうか?
 
大目・・・そういう考えもできますね。単に、「医師免許を持たない母に医療行為された!」と訴えるような人がいないだけでしょう。
 
>・対価を得てないから違反じゃないと解釈出来るとか?
 
金銭授受のような対価の有無は関係ありません。
 
>・家族の範疇はどこまでですか? 曖昧なほうが良いかとも思いますが。 基準があれば教えて下さい。
 
家族であっても、知人であっても、どんな関係の人だろうが、そのような医療行為は違法です。
 
>・友人、知人が無料で好意で行なっても違反ですか
 
無料・有料に関係なく違法です。
 
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この回答へのお礼

明快ですね、違法であっても訴えられず、取り締まりもない現実が優先しいわば社会的合意事項になってると解釈すればいいようですね。

>看護士が自宅で家族に注射する場合も違法です。

↑ これをもっと詳しく教えて下さい。

お礼日時:2004/06/30 11:49

このサイトなかなか面白かったです。



要は生活行為なので家族がやってもかまわないとのことです。また、ヘルパーが軽微な行為をできないというのも法解釈ではおかしいとのことです。

参考URL:http://www19.big.or.jp/~mintlife/nisinichou/hoso …
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この回答へのお礼

ありがとうございます。 
これからじっくり見ますがヘルパーの件は#2の方の法的解釈と合いませんね。 おかしいとの解釈は劣勢かな?

お礼日時:2004/06/30 11:54

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