川端ファンからの非難を承知で質問します。ただし、ケンカを売るつもりではありません。
川端康成が、世界で認められたノーベル文学賞受賞作家であることは、もちろん知っています。
20歳ころに「雪国」を読み、隠微なエロさと、主人公のわけの解らぬ優柔不断さに辟易し、それ以後、ほとんど読んだ記憶がありません。
しかし、少し前「眠れる美女」という映画を観、その後同名の小説を見つけました。
映画は植物状態の人の尊厳死を扱った外国映画でしたが、「もしかして映画の原作?」と思い、読んだら全然別物でした。
映画と比較してどうこうと言うつもりはありません。私が原作?誤解しただけですから。
でも、川端の「眠れる美女」は、雪国よりもっとエロい。ものすごくエロいと思いました。
あからさまにエロい、と思いました。
「エロ」というのは、露出するよりも、中途半端に隠す方がよりイヤラシサが増大する場合が多々あります。
そして、意図的に隠し、「でも、私、見せてないし」というのは、ますますイヤらしいです。
「眠れる美女」も直接的行為がないのだから、「別に何もしてない(書いてない)し」というところが、とてもあざといです。
「薄暗がりの中で、等身大の人形のすべすべの手脚をなでさすり、ほおずりする(したかもしれない)男」。これはもう、エロを超えてグロいといってもいいくらい、と思いました。
世界的には、この「直接的ではないのに、エロい」表現が、日本的・東洋的神秘として、受けたのでしょうか?
エロいのが悪い、とは思いません。
でも、「川端はエロい」という評価はあまり聞いたことがありません。
「高尚な日本文学」というイメージが一般常識だと思います。
「川端は、はなはだエロい」というのは読み方が間違っているでしょうか?
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
そのとおりと思います。
抑制のエロス
といったところですかね。
隠されているものこそ魅惑が色濃く立ち上るのは自然の摂理?でしょう。
見つけ出して狩る、征服する、という狩猟本能を刺激するのだと思います。
ただ、表現が下手だとエロ小説になってしまう。上手ければノーベル賞。
要するに「表現が高尚」ということだと思います。
ただ、わたしの場合、あの粘着質の文体がどうにも性に合わないようです。
「眠れる美女」の勘違い、わたしも遣りましたよ。
回答ありがとうございます。
「眠れる美女」
私だけじゃないんだって、ホッと安心しました。
原題がそうなんだから、しかたないんですけど、邦題をつけた人、川端作品を知らなかったんでしょうかね。
「表現が高尚」
たしかにそうですね。露骨に表現してしてしまっては身もフタもないですから。
でも、川端の時代の青年って、鴎外の「ヰタ・セクスアリス」やアンリ・バルビュスの「地獄」で興奮してた世代だと思うので、川端は自分の作品を十分に「エロい小説」と認識して書いていたと思います。
私は、上手いより、エロい、という感じが多すぎて、ちょっと、パスです。
私は、エロはもっと明るくやってほしい派です。
余談ですが、「上手い」という意味では、三島は上手いと感じます、ノーベル賞は逃しましたけど。
好きなわけではないですが、読むと「上手い!」と感心してしまいます。悔しいほどです。
長々と失礼いたしました。
No.8
- 回答日時:
#5です。
>私は、エロはもっと明るくやってほしい派です。
:
私は逆ですね。
明るいエロはパス。
内に秘めたエロス(エロはエロスの略ですが、略すと急に下品な響きになってしまうような気がしますね。エロスと言うと、少しだけ高尚な響きになりませんか)が、こらえきれずに零れ落ちるような情景描写が趣味。
陰湿ですかね・・・。
>余談ですが、「上手い」という意味では、三島は上手いと感じます、ノーベル賞は逃しましたけど。
好きなわけではないですが、読むと「上手い!」と感心してしまいます。悔しいほどです。
:
三島由紀夫も、たしかに上手いですね。
川端よりは読んでいると思います。
構成がカッチリしすぎの感もありますけどね。
川端の行間はレズ系ですが三島の場合は男色系ですね。
どちらも自死したわけですが、作品は永遠。
>こらえきれずに零れ落ちるような情景描写
はい、これこそ、「秘すべきモノ、ほんとに恥ずかしいモノ、公開してはいけないモノ」と思います。
で、あえて「エロ」といいました。
過去の西欧の貴族たちは、たとえば、絵画「着衣のマハ」を飾り、その下に「裸のマハ」を隠したそうです。
普通の客には「着衣のマハ」を見せ、「いいねえ」「美いいねぇ」と楽しみ、
親密な相手とだけ「裸のマハ」を見て、「うん、たまらない!」などと淫靡な笑みを浮かべたのでしょう。
>川端の行間はレズ系ですが三島の場合は男色系ですね。
その表現、解る気がします。
私は女性なのでレズ性に対し、逆に、「そういうの見せないでよ」と辟易し、男色の方が距離をおいて「観察できる」のかもしれません。
いや、私はレズ、というわけではありませんが。
もののけ姫のエンディングテーマの
「研ぎ澄まされた、刃の美しい、その切っ先によく似たそなたの横顔」を聞くと、三島の作品の中の少年・若者たちを思い起こして、ゾクっとします(笑)
再度の回答ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
事故のてんまつ (1977年) - – 古書, 1977/5
臼井 吉見 (著)
これですね まだありましたわ・・
「高名な作家=精神も生活も高潔」といったイメージがあるので、死後に暴露されちゃったら、ちょっと気の毒な気もします。
それに、かつての日本では、「文士=奔放な人達=社会的地位が低く食えない職業」でもあったので、道徳的非難をされてもなあ・・とも思いますね。
探してくださってありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
伊豆の踊り子は映画化の時、どう表現するか話題になったシーンもありましたね。
しかし、小説全体は、堅苦しい印象です。
他の作品にも、じっくり読み込んだ人だけが気付くような部分が、、
もはや古典文学でしょう。エロい部分に期待して読む人は皆無に近いかと。
「踊り子」は、そうですね。
裸で飛び出してくるシーンもありますね。
それに、あの時代、踊り子という職業は「流れ売春婦」も兼ていたでしょうし。
>エロい部分に期待して読む人は皆無に近いかと。
ノーベル文学賞にエロを期待する人は、逆によほどの通、でしょう。
教科書に載るような作家の作品がエロ、とは想像しにくいですから。
私も、ビックリするというか、自分の読み取りが曲がってるのか、と思いました。
回答ありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
大昔に読んだので もう忘れていますけれど・・
眠れる森~ はただ寝てるだけを見せる女の話でしたっけ 違ったかな
花電車のとかだったかな・・??
雪国 伊豆の踊子 とかも読んだかなあ・・
やはりリアルでも ちょいエロだったのかも??
確か没後 暴露本のようなのが出て 発禁になったような
若い女の子が どうとか何とかだったような
記憶遠くてすみません・・
回答ありがとうございます。
見せる、というより、添い寝する、ですね。
「ソフレ」とかって、少し前に「添い寝フレンド」というのがありました。コミックかなんか。
川端がはるか昔に先鞭つけてた、ってことになるのでしょうか。
暴露本の話は知りませんでした。
いろいろあったんですね。
永井荷風だって「四畳半襖の下張」書いてますし、昔の「文士」って奔放だったんですね。
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