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ひとむかし前の国内のビール醸造についてお尋ねします。

今日では非加熱処理が当たり前のようになっている日本のビールですが
非加熱処理技術が確立される以前は火入れによる酵母除去がされていたのですか。
だとしたらここで疑問です。

夏場に炭酸飲料を車のなかに放置したままにすると
ときとして瓶や缶が破裂して内容物が噴き出しますが
ビールの火入れ作業ではそのようなことは起こらなかったのでしょうか

炭酸ガスを封入するわけですから栓をした状態で火入れするのでしょうが
酵母菌の死滅する温度なら炭酸も気化しないのでしょうか?
栓をしない状態で火入れしても炭酸は抜けてしまうし
酵母菌が死んでしまえばもう炭酸は発生しないわけですよね?

素人の疑問ですので文中まちがいがあれば適宜指摘してください。

A 回答 (2件)

下面発酵ビール製造工程の後半



1.上澄み液回収
  低温熟成タンクから上澄み液を回収する。残存酵母や不溶成分などを含み少し濁っている。百年以上前はこれを飲んでいた。

2.濾過
  上澄み液をフィルターで濾過する。フィルターは、昔はワタやセルロースなどをプレスしたもの、ケイソウ土(食品添加物)のフィルターなど。この時点で酵母や不溶成分はほとんど取り除かれる。

3.火入れ(低温殺菌)
  瓶詰めしてから約60℃の温水に10~20分浸すか温水シャワーをかける。または、瓶詰め前に約70℃で数十秒間加熱して直ちに冷却し、無菌状態で充填する。これでごくわずかな残存酵母は死滅する。

グツグツ煮立てて沸騰させるわけではないので、炭酸ガスが抜けることはないのでしょう。
もともとビールの炭酸ガスは瓶詰め時に封入するわけではなく、タンクで醗酵中に自然発生したものですが、熟成段階や濾過工程で抜けてしまうわけではありません。激しく掻き混ぜたりしなければ問題ないのだと思います。瓶詰め後に温水で加温しても、衝撃を与えなければ爆発はしないでしょう。


最後の「火入れ」を行わず、高性能フィルターで酵母をほぼ完全に除去したのが「非熱処理ビール」=「生ビール」です。
サントリーが非熱処理の瓶詰め生ビールを発売したのは50年近く前のことです。

日本酒の火入れは60℃程度だそうです。
細菌学者のパスツールがワインやビールの低温殺菌(パスチャライズ)による保存法を発明したのが1865年。
日本では室町時代の『多門院日記』(1586年)に日本酒の火入れ法の記録があるそうです。1881年に来日したイギリス人化学教師の記録によると、当時の日本酒の火入れは、釜に入れて直火で120~130°F(50~55℃)に加熱していたとのこと。


参考:
『既存添加物名簿収載品目リスト』 (厚生労働省)
 番号: 119
 名称: ケイソウ土
 類別名: 不溶性鉱物性物質
 基原・製法・本質: 鉱床より採掘したケイソウ土(珪藻土)を、粉砕乾燥、800~1200℃で焼成、又は尐量の炭酸アルカリ塩を加えて800~1200℃で焼成したものである。
 用途: 製造用剤
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この回答へのお礼

とても詳しい回答ありがとうございました。
手順よく扱えば炭酸は意外と気化しないことがわかりました。
火入れ前にもいくつか工程があるのですね。
パスチャライズの件は知っていましたが
日本人としてはちょっと鼻が高い話ですよね。

お礼日時:2015/11/04 17:36

60度~70度の大釜でじんわりと加熱する方法


熱水のシャワーを上からかけて加熱する方法

何れも、加熱はじんわりと行う

また、密閉車内は時として80度以上の高温になる場合がある
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この回答へのお礼

酵母菌が死滅する微妙な温度をキープしながら
ゆっくり加熱していくのですね。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2015/11/04 17:30

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