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まいにちドイツ語の96ページ、一番下の行に Ich bin einen Meter 63 gross.とありますが、なぜ4格になっているのでしょうか?1格であるべきではないでしょうか?

A 回答 (2件)

4格の副詞的用法です。

「einen Meter groß」はひとまとまりの語ではないので、Ich の補語ではありません。補語はgroß(Ich bin groß.)で、einen Meterは副詞としてgroßの方に係ります。この形には馴染みがあるはずです。動詞がseinだったので違和感があったのかもしれませんが、以下のような表現は御存じでしょう。

Ich fahre heute in die Stadt.
Ich hätte gerne ein Kilo Tomaten.

heuteもein Kiloも4格です。4格は、動詞の目的語になるだけでなく、このように動詞や形容詞との関係で、独立的に副詞として機能します。時間、空間、数量、程度、温度、金額などを表す形容詞とともに使われる4格は、ごく基本的な語法です。

Er bleibt dort einen Sommer lang.
(einen Sommer=時間の長さを表すlangに係る副詞的4格)

Peter ist einen guten Kopf kleiner als Anna.
(たっぷり頭一つ分小さい;einen guten Kopf=程度を表す比較級の形容詞kleinerに係る副詞的4格)

Heute wurde es dreißig Grad warm.
(30度の暖かさになった;dreißig Grad=温度を表すwarmに係る副詞的4格)

Seit dem Fahrplanwechsel sind wir eine Stunde früher in Berlin.
(運行時刻の改正以来、私たちは1時間早くベルリンに来られる;eine Stunde=時間の速さを表す比較級の形容詞früherに係る副詞的4格)

以上は形容詞との関係で、ほかに、時間、距離、重さ、値段などの説明が必要な動詞とともに副詞的4格が使われます。ここの4格は、動詞の目的語ではなく、動詞に係る副詞として機能しています。

Wir wanderten fast sieben Kilometer durch einen Wald.(sieben Kilometer→wandern)
Die Sitzung dauerte einen Tag.(einen Tag→wandern)
Anna arbeitete einen Monat bei einem Bauern.(einen Monat→arbeiten)
Die Glocke wog drei Tonnen.(drei Tonnen→wiegen)
Der Atlas kostet hundert Euro.(hundert Euro→kosten)
(以上、文例の一部はDudenの「Die Grammatik」より引用)

このような4格を、ドイツの文法書などでは「任意の対格(freier Akkusativ)」または「絶対的対格(absoluter Akkusativ)」などと呼んでいます。しかし、ごく普通の言い回しなので、文法的説明は気にせず、慣れてしまった方がよいでしょう。

なお、Ich bin ein Meter groß.のように、4格にしない言い方もあることはあります。文法的にはeinenが正しいですが、数を数えるときは、ein、zwei、dreiという連続ですし、ein以外の数字を4格として使う場合は4格とわかる変化があるわけではないので、ほかの数字にそろえるという感覚もありそうです。数学の本などでは、ein Meter lang、zwei Meter lang・・・のようになっているものもあります。あと、口語ではしばしば語尾が脱落して縮まるので、einenを省略してeinのように発音することもあるでしょう。ネットには、ein Meter großの用例も結構ありますが、数の上ではやはりeinen Meter großの方がはるかに多いです。口語的、あるいは数学的記述としては、ein Meter großもあり得るということです。また、ネット検索をすると、「ein Tag lang」「ein Monat lang」なども結構出てきて驚きますが、どうもこれらの多くは、ひとまとめの合成語のような感覚で使っているものも多く、書籍に出てくる場合は16~18世紀の古い書物の場合が多いようです。昔は4格としての表記が確立していなかったのかもしれません。
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この回答へのお礼

>4格の副詞的用法です。「einen Meter groß」はひとまとまりの語ではないので、Ich の補語ではありません。
補語はgroß(Ich bin groß.)で、einen Meterは副詞としてgroßの方に係ります。

ガーン、ショックです。そうなのですね!4格の副詞的用法だなんて全く認識していませんでした。
jeden Tagとかいろいろ4格で副詞を作るというものはなじみがありましたが・・・
いつも Sie ist 1,75 m gross.という風に書いてありましたし、読み方は意識していず、・・それで、4格とは思いませんでした。

Wie gross ist die Wohnung? Das Haus hat etwa 120 qm.が初級のテキストにあり、 Wie gross das Arbeitszimmer?
Das ist etwa 18 qm gross.という例文もありましたが、etwa 18 qm は4格で副詞だったのですね!

何だかこんなこともわかっていなかったなんてとても恥ずかしいです。

>Ich fahre heute in die Stadt.
 Ich hätte gerne ein Kilo Tomaten.

heuteもein Kiloも4格です。4格は、動詞の目的語になるだけでなく、このように動詞や形容詞との関係で、独立的に副詞として
機能します。時間、空間、数量、程度、温度、金額などを表す形容詞とともに使われる4格は、ごく基本的な語法です。

副詞 heute に格があるのですか!(゜Д゜) ein Kilo Tomaten は a sheet of paper のような感じで理解していましたので
副詞だとは思いませんでした。
>ein以外の数字を4格として使う場合は4格とわかる変化があるわけではないので、ほかの数字にそろえるという感覚もありそうです。

Sie ist Mutter zweier Toechter.という例文がありますが、これは Mutter von zwei Toechter と言い換えられますか?

OK Waveで先生がご回答になった文を読ませていただきました。原文を読むのにとてもストレスを感じました。
こんな悪文でも難なくお読みになるなんてすごいです。

ありがとうございました。

お礼日時:2015/12/09 20:11

>副詞 heute に格があるのですか!



すみません。これは私のミスです。文法書の例文を丸写しにするのも芸がないと思い、書き換えているときにうっかりしました。heuteはもちろんただの副詞で、4格ではありません。Heute ist Sonntagとか、von heute bis Montagのように使うので、文法上は副詞に分類されてはいますが、名詞のように錯覚するときがあります。もっとも、副詞のheuteも、名詞のHeuteの4格が副詞化したもののような気もします。確認していないので断言はできませんが。

>Sie ist Mutter zweier Toechter.という例文がありますが、これは Mutter von zwei Toechter と言い換えられますか?

言い換えられますが、複数3格の語尾にはnが付くので、Mutter von zwei Töchternとなります。

>こんな悪文でも難なくお読みになるなんてすごいです。

難なくではありません。オーストリア人の友人も読み返さなければならなかったそうです。私の回答No.1の訳も正確ではなく、最後の回答に出した訳が一応適切なものだと思います。
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この回答へのお礼

>言い換えられますが、複数3格の語尾にはnが付くので、Mutter von zwei Töchternとなります。

あ、うっかりしました。そうですね、nが必要ですね。

Zwischensatz だらけの本当にストレスフルな文章で、げんなりしますが、先生のご説明で何とか理解できました。ありがとうございました。
ジャーナリストの文章は悪文が多いようなことを書いてありましたね。ネイティブでもそう感じるのですね。

お礼日時:2015/12/09 23:19

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