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地球科学の細かい、専門的な考え方について常識的に理解できないところがあり、お尋ねします。
海洋(流体)と気象(気体)の間での熱の交換(顕熱と潜熱だけ)について考えます。
顕熱、潜熱ともそれぞれに評価式(バルク式)が与えられています。それぞれ温度差、飽和湿度と現在の湿度の差、比熱、気化熱、その他の比例係数が与えられています。風速は顕熱・潜熱の輸送の両方に1次の式で含まれており、顕熱はさらに流体と気体の温度差も含まれます。
ここで質問なのですが、顕熱・潜熱両方とも風速が1次で含まれるため、風速がゼロの場合、熱交換がないということになります。これは常識的におかしいように思います。底面・側面を断熱にしたビーカーに温水を入れて無風の部屋に置くと温水と空気の間(つまり水の表面で)の顕熱・潜熱の交換がないことになってしまうからです。温度の輸送には無風状態であっても伝導という伝わり方があると思いますし、実際にある程度時間が経過すれば水温と気温は同じような値になるはずなのですが。
いかがでしょうか。
よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

> バランスを考える問題に果たして使えるのだろうか


熱収支、バランスを計算することそのものに主眼をおいて、バルク法が作られたのではないと思います。
あくまで、顕熱、潜熱の大気輸送量の測定値の決定方法の工夫だと想像します。
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kisho/kish …

全く関係がないことですが、飛行中の航空機の機上で風速や風向を測ろうとしたとき、色々の工夫をするでしょう。気圧や気温、湿度、自機の水平回転運動や上下変動、対地速度、加速度と加速の方向も考えないとならないのでしょうね。 http://www3.chubu.ac.jp/documents/faculty/nakamu …

この下
http://www.mri-jma.go.jp/Publish/Technical/DATA/ …
気象研究所技術報告 第47号 気象研究所共用海洋モデル(MRI.COM)解説
海洋研究部 MARCH 2005第9章 海面フラックス
http://www.mri-jma.go.jp/Publish/Technical/DATA/ …
《9.4 おわりに 近年の衛星観測により、海面フラックスには時空間的に細かいデータが得られるよう
になってきた。しかしながら、必要とされるフラックスの精度はかなり高い。熱フラックスを例に挙げると、数W・m-2のバイアスは氷厚を大きく変化させてしまうし、気候変動を解明するには数W・m-2の正確さが必要と言われている(現在はO(10)W・m-2の誤差)(WGASF 2000)。また、観測頻度を上げればフラックスの精度が向上するかというとそういうわけでもない(例えば、バルク係数の精度の向上は望めない)。もちろん、観測努力は世界中で行われているし、他の手法を使って海面フラックスを正しく評価する取り組みも行われている。今後、海洋モデルの高解像度化、新たな移流拡散スキームの開発により、モデルの精度向上が期待される。しかしながら現時点では、海面フラックスは不確かさが大きいということを認識した上で利用することが大切であろう。》

とはいうものの、各地で、色々な観測をしないと、科学的な理解を深めることは出来ないのだから、バルク法を使って輸送量(単位当たり)を推定していくしかない場合も多いと思います。
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> 熱いみそ汁をフーフーと息を吹くと冷めやすくなるのと同じだろう


水平方向に吹いた場合、水面に接している部分の水蒸気を吹き飛ばすので、その下の水面から蒸発を促し(潜熱輸送の増加)、水面の温度が低下するため、顕熱輸送に関しては、ある水平方向風速を超えると風速が上がると顕熱輸送量は低下するという事態にもなるそうです。
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke3 … 「質問3.1 顕熱輸送量のピークはなぜ?」
もっとも、水面上が既に水蒸気飽和100%になっていても、潜熱輸送はあるらしいです。「質問3.6 大気の湿度は100%のときの蒸発量」
> バルク式
輸送を観測するのには実際上色々難しいことがあって、その実際上の大変さに対処するものとして、バルク法という手法を使っているのでしょう。ChUを、U(水平方向風速)を独立変数として空気塊の交換速度を出す係数にしているのでしょう。
空気の伝熱率は0.025w/m2程度なので、熱輸送の状況0~50~100~200w/m2の観測値を計算し決める上では、無視しても実務上問題ないではないかと想像します。「超音波風速計を用いる渦相関法でもフラックスを観測しましたが、海上での観測は、いろいろ難しいことがあり、バルク法がもっともよい方法ということになりました」 http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke3 …
> 顕熱・潜熱両方とも風速が1次で含まれるため、風速がゼロの場合、熱交換がない
先ほどのサイト http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke3 … で「質問2.3 風速ゼロの時の大気安定度」《風速がゼロまたはゼロに近い 場合は自然対流の状態であるので、別の式によって安定度を計算する。》《自然対流のときは、顕熱輸送量と代表的な長さ(たとえば対流層の厚さ)で表される速度スケールを用いる。》《自然対流時の交換速度(ChU:バルク係数×風速)は水温気温差の3分の1に比例する形式となる。詳細は「水環境の気象学」、p.111-p.116を参照。》《具体例では、
交換速度:ChU=a+b×U・・・・・・・・微風でないとき
交換速度:ChU=c×(水温気温差)1/3・・・自然対流のとき
で表現される場合、両者の計算を行い、ChUの大きいほうを採用する等の方法がある。》

熱収支、熱の輸送(移動)ということだと、大気のことだけでなく、陸と異なり海面の数メートル下まで海水が移動すること、また海流による熱輸送があり、G(海面下での蓄熱量が大きくなるので、そうした面も計算しないと、海水温、海風の状態、大気の温度安定性が出てこないと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。バルク式なども含めて熱移動についてはいろんな式があります。熱については増えるか、減るかしかなくそれによる増減で水温が決まります。昼夜・季節などシーソー状態(やじろべい)ですが、バランスが取れなくなると計算が破たんしてしまいます。但し書き付きの種々の式が単に値を出すだけでなく、それを使ってバランスを考える問題に果たして使えるのだろうかという疑問が残ると思うのですが。

お礼日時:2016/02/12 22:46

No.3です。

回答中に間違いがありました。
放射については、無視できるものとする、というのが正しいです。
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すみません。

機械屋ですが・・・
バルク式を導く際の仮定に、トリックがあると考えられます。
3次元の熱の移動条件を、2次元化(界面に垂直方向の寸法がすごく小さいとしているか、残りの二方向が無限大としているか)していないでしょうか?
2次元化した場合は、放射と対流は無視できます。
2次元化を行なって、熱伝達+熱移送を考えると、移送速さ(この問題の場合は風速)が一定の時は熱の移送量が一定になり、界面で不連続な温度勾配(温度差)を生じると考えられます。移送速さが0の時は温度勾配が0になり、界面で等温になると考えられます。
*熱伝達:相変化を伴う熱の移動のこと。相変化を伴わない場合は熱伝導。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。2次元化とは鉛直方向のスケールが水平方向に比べて極めて小さいとした場合(すなわち平面2次元)ということでしょうか。放射はステファンボルツマンの法則で宇宙に向けて逃げていることになるのでむしろ無視できないように思うのですが。逆に対流は鉛直方向の熱の輸送ですが、鉛直方向が短いという近似なので大気側では熱がすぐに一様になり大気中の鉛直熱輸送が無視できるのではないでしょうか。
大気側で風があると、不連続な温度分布(大きな温度勾配とも言える)となり、鉛直方向フラックスが大きくなり、風がないと温度分布は連続的(温度勾配が小さい)となって鉛直フラックスは小さいとは思います。微妙なバランスなので風がなく温度勾配が小さくても鉛直方向熱フラックスは考慮したいところですが、如何せん、風がゼロならフラックスもゼロとなっています。

お礼日時:2016/02/05 02:55

空気は断熱性能が高く、水が0.6、石が1~2なのに、空気は0.02で、


何十分の1なので、そもそも伝導より圧倒的に熱量伝達の大きな
対流に比べれば、無視し得るのでしょう。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。伝導による熱の輸送現象はあるけれども無視できる程度という考え方はあるかなと思います。式としてはフラックスが風速の1次に比例するのですが、この風は対流(鉛直方向)というよりも水面直上の水平風速だと思います。水面直上の水平方向の風で空気塊が横に移動することで、温度の低い空気がくるので熱を空気に吸い込みやすくするということだろうと思います。熱いみそ汁をフーフーと息を吹くと冷めやすくなるのと同じだろうと思いますが、息を吹きかけなくてもある時間をおけば冷えるはずですね。息をかけた方が数十倍も早く冷めるものでしょうか。

お礼日時:2016/02/05 02:40

熱の伝わり方には、伝導、輻射、対流があります。


太陽が大気を直接温めず、地面や海洋を温めるのは輻射、
温まった地面や海洋が伝導によって大気を温め、温まった
空気が上昇して、循環し、高気圧や低気圧を生じるのは
対流です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。この中で伝導(熱伝導)の場合、流れが生じる必要は基本的にはないですね。鉄の棒の片方を熱していたらだんだん熱が棒全体に伝わってくるということですから。これと同じことが海洋と大気の間で起こるとしたら海上風は必ずしも必要ないのではないかと思うのですが、公式には風速(海面上の水平方向)が含まれており、それがゼロだと伝導しないということになっています。それが理解できないなあと思っているのですが。

お礼日時:2016/02/04 13:42

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