沈没船を引き上げる場合、サルベージ船が、ワイヤーでつるして引き上げる、ということが基本だと思いますが、その際、バルーンのような物をその引き上げようとする物に取り付け、軽くしてから引き上げるとか、あるいは、完全に浮上させてしまうとか、そのようなことは、できないのでしょうか。
バルーンの素材とか、バルーンの(浮上させようとする物への)取り付け法には、いろいろあるとは思いますが、費用対効果の問題のほかに、力学とか、物理学上の問題があるのでしょうか。

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A 回答 (3件)

実際にバルーンをつけたりするのかどうか知りませんが...



[1]まずはガス気球を考える。
 ウインチを使う場合には深さによって掛かる力は変わりません(延ばしたワイヤーの重量分の違いしかない。「海面下からの水圧」で重くなる、というのは誤りです。)。それに比べて、ガスを入れたバルーンは深くなるほどどんどん大変になります(何が?は後をご覧じ)。だから、うんと浅いところに沈んでいれば、バルーンも使えそうですけど、でも、バルーンは船を海上に持ち上げることはできない。結局さいごはウインチで引っ張り上げなきゃならんわけです。そんなウインチがあるのなら、初めから使えっての。
 ですから、比較的浅いところにある、よほどの大型の船を海面近くまで浮き上がらせた状態にして、(1)そのまま曳航して港に持っていって巨大クレーンで引き上げる。或いは(2)調べたり積み荷を回収したりした後、また沈めてしまう。という場合になら、バルーンにも意味がありそうです。

●どの位の大きさのバルーンが必要か。バルーンを付ける意味があるためには、船の重量と同程度の浮力が必要です。船の重量は、(浮かんでいた時の)喫水線より下の部分の体積Vと同じ体積の水の重さと一緒であり、バルーンの浮力も、(バルーン自体の重量を無視すれば)バルーンの体積Bと同じ体積の水の重さと一緒です。ところが、バルーンは深海では水圧でしぼんでいて(このしぼんだ状態の体積がVとほぼ同じでなくちゃ、浮きの役に立たない)、浮き上がると膨らむ。だから、浮いてくる途中で中のガスを抜いて、常にB≒Vになるように保つ必要があるでしょう。浮力については、下記URLもご参考まで。
●次なる問題は、バルーンに入れる気体をどうやって運ぶかです。これが一番の難関だな。
・初めから膨らんだ状態のバルーンを沈めるのは大変です。100mの海底で体積Bになるバルーンは、海面では体積が10Bに膨らんでいるので、浮力も10倍大きい。従って、沈没船の10倍の重さのおもりを使わないと沈んでくれません。
・じゃあ、海底で膨らませよう。
 100mの海底では大気圧1気圧+水圧(深さ10mあたり1気圧)=11気圧が掛かっています。その環境にあるバルーンを膨らませようとすれば、少なくともそれ以上の圧力で圧縮した空気をボンベに入れて持っていくか、海面からその圧力を掛けてパイプで送る必要がある。
・22気圧に圧縮した空気をボンベに入れるとすると、ボンベ一本で、ボンベの容積分の体積の空気しか運べません。なぜなら、バルーンにボンベをつないだとき、バルーン内もボンベ内も11気圧になるわけで、従って(気体の体積は圧力に反比例しますから)ボンベ中の空気のうち半分だけがバルーンに入る。これでは能率が悪すぎません?
・だったらパイプで送ろう。となれば、パイプ自体が圧力差(パイプ内は11気圧以上、外は1気圧)に耐えなくてはならない。圧力差10気圧というのは、1平方センチあたり10kg重の荷重が掛かるのと同じです。ゴムホースというわけには行かないでしょう。
・何か化学反応でガスを発生させるという手も考えられますが、ガスならなんでも良いとは言えない。なぜなら、1000mの海底ともなれば、実に101気圧が掛かる訳です。二酸化炭素なんか、液体になってしまって役に立たない。それに、浮き上がる途中でガスを抜く必要があることを考えると、安全な物質でなくちゃいけませんしね。

 トータルのエネルギーコストで考えますと、バルーンが浮かんでくる途中でガスを捨ててしまう。だからこそ、ガスを送り込むのに必要なエネルギーはたんに巻き上げるのに要するエネルギーよりずっと大きくなります。

[2]こんなに大変なことになるのは、ガスが水圧で圧縮されるからですね。そこで、圧縮されないもの、たとえば油を使うとどうか。
●仮に比重が0.8の油をバルーンに入れて使うとすれば、バルーンの体積が5Vでなくてはなりません。ガスの場合の5倍大きいバルーンです。
●これを海底まで沈めるのには、沈没船を引き上げるのと丁度同じだけのエネルギーを要する。そこで、沈没船と同じぐらいの重量を持つ、要らない船を1隻持ってきまして、これをおもりとしてバルーンにくっつけ、底に穴をあけます。海底でバルーンを沈没船に繋ぎかえて持ち上げる。
これならいけそう?

[3]まだ問題があります。バルーンには船の重量が掛かる訳ですから、よほどの強度がなくては壊れてしまう。従って一個のバルーンでは多分無理で、小さいバルーンを沢山付ける方が良い。そうなるとバルーンそのものの重量も無視できなくなるかも。いやはや、文字通り一筋縄じゃ行かないですねえ。

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=21949
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この回答へのお礼

詳しいご回答、有難うございました。
専門のかたが、いろいろ考えてのことなのだから、今のやり方がベストだろうとは、思うのですが、つい、質問してみたくなりました。
皆様の回答は、じっくり、読み返させていただきます。

お礼日時:2001/06/21 20:43

以前、参考URLの場所で、読者参加でえひめ丸をいかに(技術的に)引き上げることが可能かという企画がありました。


良いアイデアが有れば、政府に提案するというまじめな立場で議論を行っていました。

その中でバルーンの使用に関しても議論になっています。
参考URLは登録をしないと見られないかもしれませんが。参考まで。

参考URL:http://dm.nikkeibp.co.jp/members/dmsearch/index. …
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この回答へのお礼

やっぱり、えひめ丸の事件というのは、心に引っかかっています。
自分は、「ワイドショウ的盛り上がり」だけで、この問題を済ませたくないと思っています。

有難うございました。

お礼日時:2001/06/21 20:53

まずバルーンでの浮上効果は難しいでしょう。


仮に巨大なバルーンが制作出来、浮上に試みたとしてもワイヤーはそれだけの重さでなく水中に沈んだ船の重さとワイヤー自体が水中で受けている比重と海面下からの水圧でワイヤーを引き上げることすら出来ないと思います。
バルーン自体も待機して浮遊している間は風圧を受けて制御が困難ですから物理的にも極めて無理かと思います。
単純に考えても「釣り」で魚を釣っている時に、たとえ小魚でも大物だと予想させるぐらいの「引き」を感じ、渾身の力で釣り上げたら小魚だったり・・・。
それだけ水圧にかかる力は空気中のものより大きくなります。

この回答への補足

早速の回答ありがとうございます。
バルーンのような、とは、私の舌足らずだったのですが、より具体的なイメージとしては、タンクのような物(形としては、風邪薬のカプセルか、球体)が、直接船体に取り付いている、と言った物です。
いずれにしても、水中では水圧、空中では風圧との、戦いでしょうか。

お礼を申し上げたかったのですが、補足の画面に入力してしまいました。
どじでした。すみません。
有難うございました。

補足日時:2001/06/21 08:40
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この回答へのお礼

初めての質問の投稿なもので、入力のやり方が、無様な物になってしまいましたが、ここで重ねて、御礼申し上げます。

お礼日時:2001/06/21 09:18

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Qセウォル号の引き上げってどうして難しいの

セウォル号の引き上げってどうして難しいの?
韓国の技術水準が低すぎるのか、どの国がやっても難しいのか?

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セウォル号の不明者家族が水中捜索を継続することを決めた中で、
船体引き揚げには最長2年かかり最大4000億ウォン(約410億円)
かかるだろうという分析が出てきた。

セウォル号は現在、左側に90度ぐらい傾いたまま海底44~47メートル地点に沈んでいる。
沈没してから200日近く過ぎて重さが7000トンの船体内部には
泥のような異質物が積まれている。

沈没船舶の引き揚げは海底から海流に逆らいながら進める高難度な作業だ。
専門家たちは比較的完全に船体を引き揚げるには、
フローティング・ドックを投じて大型クレーンを活用しなければならないと見ている。
フローティング・ドックを投入するにはまずワイヤー(鉄綱)で
船体の15~20カ所を固定しなければならない。
その次に海上クレーン4台を稼動して水中で船をまっすぐにたてる。
韓国哨戒艦「天安」の引き揚げ時と似ているが、
コの字形態の構造物であるフローティング・ドックで
船体を囲みながら水面上に浮かす点が違う。

「天安」引き揚げ時に参加した造船業者の幹部は「作業が複雑で、
セウォル号が沈没した珍島の孟骨(メンゴル)水道は水の流れが強いため、
かなり時間がかかるだろう」と展望した。

船が傾いた状態で船体を7メートル以上引き上げてフローティング・ドックに船を出す方法もある。
この場合は船体内部を15~20個の穴で突き抜けなければならない。
セウォル号を引き揚げるためには技術的な困難とは別に、
費用も非常にかかるものと見られている。

3000トン級クレーンは一日の使用費が1億ウォン、
フローティング・ドックは3億~4億ウォンかかる。
クレーン使用期間を最低3カ月、フローティング・ドック1カ月とすれば
装備費用だけ最低500億ウォン台と推定される。

やはり「天安」引き揚げ作業を引き受けた救難専門家は
「来春から作業を始めるなら一日4億~6億ウォンかかるかもしれない」とした。
全体の引き揚げ費用が1000億~4000億ウォンに達するだろうという分析だ。

実際に2012年に沈没したイタリアの旅客船コスタ・コンコルディア号は
沈没2年6カ月後に引き揚げられた。
総費用は20億ドル(約2兆1000億ウォン)だった。

政府は現在セウォル号惨事収拾費用として6200億ウォン、
このうち海底調査・引き揚げ費用として2020億ウォンを計上した。

http://japanese.joins.com/article/924/191924.html

韓国海洋水産部は29日、昨年4月に南西部の珍島沖で沈没した
旅客船セウォル号の引き揚げについて、来月中に事業者を決める国際入札を公告し、
来年10月までに引き揚げを完了する計画だと発表した。

沈没事故では修学旅行中の高校生ら295人が死亡し、
9人が依然として行方不明となっている。
遺族らの求めを受け、政府は22日に引き揚げを正式に決定した。
セウォル号は水深約44メートルの地点に横たわっているとされ、
船体を切断せずに引き揚げる計画だ。

政府は応札事業者の提案書を検討して費用や期間を交渉し、
引き揚げ事業者を選定した後、7月には契約を結び、
現場の詳細調査を踏まえて9月までに実施設計を完了する方針だ。

船内に残っている油を除去した上で、チェーンと大型クレーンを連結して引き揚げる。
海洋水産部は、引き揚げには総額1283億ウォン(約143億円)の予算が必要になるとみて、
企画財政部と関連協議を進めている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150429-00000038-yonh-kr

セウォル号の不明者家族が水中捜索を継続することを決めた中で、
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かかるだろうという分析が出てきた。

セウォル号は現在、左側に90度ぐらい傾いたまま海底44~47メートル地点に沈んでいる。
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