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「女性の活躍」や「一億総活躍プラン」と称して、主婦が労働を抑制する原因とされている、所得税・住民税の「配偶者控除」の廃止が検討されています。
しかし所得税・住民税には「配偶者控除」とは別に「配偶者特別控除」があり、「103万円の壁がある」は国民の間違った思い込みです。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9323517.html (←税金の制度の説明) 

「配偶者特別控除」を受けるには、「控除を受ける人の合計所得金額が1000万円以下であること」などの条件があり、国会議員は歳費だけでこの基準を超え適用外ですが、「103万円の壁」を気にするほとんどの家庭は、この条件を満たすはずです。

「103万円の壁がある」のが問題ではなく、「103万円の壁があると国民が思い込んでいる」のが問題で、これは国民の誤解を解けば解決します。


また、所得税・住民税の「配偶者控除」の廃止は、「扶養控除」の存在と矛盾します。

未婚の女性が働かないで実家で生活している場合(「家事手伝い」と呼ぶか「ニート」と呼ぶかは別として)、両親のうちどちらかは「扶養控除」により、所得税・住民税が安くなります。
この女性が結婚すると、現行税制では今度は夫が「配偶者控除」により、所得税・住民税が安くなります。現行税制は、「扶養控除」と「配偶者控除」で整合性があります。

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それでも「103万円の壁が存在する」いう反論は、税金の制度の話ではなく、“会社が独自の規定で支給している「配偶者手当」の基準が「103万円」であることが多く、妻が基準を超えて働くと手当が受け取れなくなり、かえって損”というわけです。

ならば「女性の活躍」のためには、税金の「配偶者控除の廃止」を主張するのは誤りで、主張するなら「会社による配偶者手当の支給を禁止」というのが筋です。
しかし安倍首相の7月11日の記者会見でも、“働き方改革では女性の労働意欲をそがないように、いわゆる「103万円の壁」など税制の見直しを提起”と報道されています。


<質 問>

・国民の誤解を利用し、税金の問題で「103万円の壁がある」として「配偶者控除」の廃止を主張する政党は、国民を騙してでも増税したいという意図でしょうか。

・また「配偶者控除」の廃止を主張する政党は、なぜ未婚の女性が働かないのは容認・税制上優遇し、結婚している女性にのみ「もっと働け」となるのでしょうか。

政党の政策決定の事情をご存知の方、教えて下さい。

A 回答 (1件)

昨今女性にも働いてもらいたいという社会的圧力は強く、多くの家庭の主婦が正社員/非正規社員/アルバイトで働くようになっています。

専用主婦が殆どの時代には、妻だって夫の生活を助けているという観点から配偶者控除を設けていました。しかし最近の労働環境の変化の中で、働かないでお金がもらえる配偶者控除は不公平との女性の意見も出るようになりました。配偶者控除の廃止が必ずしも正当な意見とはいえませんが、少なくとも税法上あたかもアルバイトの収入を押さえていることはやや時代遅れであるのは否めません。

ただしどう税制をいじれば公正かは難問で、国会で慎重審議すべきことですが。

さて、103万円の壁はどこから来るかというと、所得税の計算上
(1) 給与などの収入から所得を計算する場合に収入から65万円を引くことが出来ます。(低収入者の保護)
(2) (夫の所得が1千万以下の場合)所得が38万円以下だと配偶者特別控除が受けられます。(配偶者特別控除が受けられない場合でも少なくとも38万円の配偶者控除が受けられます)
という2つの規定が関係しています(収入と所得が異なることに注意)。つまり妻は自分の103万円の収入から65万円を引くと所得は103-65=38万円となり、所得がゼロとなり、従って配偶者特別控除が受けられます。なお、所得税は会社の規定などではなく、国が決めています。

103万円の壁と似た課題に健康保険の壁があります。収入が一定限度 (130万円程度) を超すと夫の健康保険に扶養してもらうことが出来なくなり、妻独自で健康保険に加入することになります。厚生年金にも加入せねばなりません (106万円の壁?)。つまりアルバイトの収入103万円以内で働くことは簡便な節税対策なのです。ただしこの壁をすべて取り払うことは事務的にもそう簡単ではなさそうです….よね?

なお、未成年者やニートの扶養を親が行うことはやや別の視点ですので、議論するとしても別途のことになります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

昨日(7月12日)厚生労働省より、「2015年の国民生活基礎調査結果」が発表されました。
これを受けて本日(7月13日)、“「生活苦しい」世帯は6割超 … 国民生活基礎調査で深刻な状況が明らかに”などと報道されています。

“生活が「苦しい」と感じる世帯は全体の 60.3%を占め、子どもがいる世帯では 63.5%が「苦しい」と回答”、“18歳未満の子どもがいて仕事をしている母親の割合が 68.1%に上り、統計を取り始めた2004年以降で最も多くなった。母親の4割近くが「非正規」で働いている”
雑な言い方をすれば、「夫の薄給だけでは子どもを育てられないので、妻が消極的に働きに出ている」のではないでしょうか。
これでは少子化になるのは当然ですね。

>なお、所得税は会社の規定などではなく、国が決めています。

誤解を与えたようですが、「103万円の壁」の正体である「配偶者手当」は、質問文にも書きましたように給与の一部として“会社が独自の規定で支給している”ものです。名称や規定も会社によって異なるはずですが、「103万円の壁はある」と反論する方によると、支給基準が「103万円」の会社が多い、とのことです。

>103万円の壁と似た課題に健康保険の壁があります。

健康保険の扶養の制度は、「未成年者の扶養を親が行うという視点」から、当面維持でいいと思います。

それより問題なのは、給与所得者の配偶者のみ恩恵を受ける、国民年金の第3号被保険者制度(会社員などの第2号被保険者に扶養される配偶者は、年金保険料を納めなくても納めたとみなす制度)です。
税金の「配偶者控除廃止」は理屈がデタラメですが、専業主婦優遇が“けしからん”というなら、こちら(国民年金の第3号被保険者制度)を廃止すべきです。専業主婦の年金保険料は、夫が2人分納付する制度にすればいいです。

ロシアでは、非就労者税(ニート税)の導入が検討されています。これは極端で賛成できませんが、日本で言うと同じ女性でも、「夫がいない」か「夫がいる」かで区分し、“働いていない”のを一方は容認・税制上優遇し、もう一方は税制上のペナルティを与える、というのはもっとおかしいです。

回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/07/13 15:00

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