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 制限酵素やTaqなど、酵素はいつも-20℃の冷凍庫に保存していますが、なぜ室温だと失活していくのですか?プロテアーゼで切られるにしても本当にピュアなものなら大丈夫だと思いますし、活性が変わるからにはどこかしら構造が変わっているように思っているのですが・・・失活するとは酵素が何によってどのように変化しているのかが知りたいです。
 また、逆になぜ-80℃の冷蔵庫には入れないのですか?ただ-20℃で十分でそれ以上は電気代が無駄なだけだとか?
 

A 回答 (3件)

遺伝子操作自体は初心者なので、適切な答えになるか分かりませんが、


蛋白質構造の研究者としての考えも含めて・・・

まず一般的に酵素試薬は、グリセロールが入っているので-20℃でも凍らないようになっています。
しかし、さらに温度を下げると凍ってしまい(グリセロールの濃度によりますが、-40℃付近以下では凍り始めるようです)、凍結により力学的に酵素が変性させられるはずです。
ですから、酵素を-80℃ディープフリーザーで保存してはいけません。
(以前そんなことを知らなかった頃に、送られてきた酵素試料をディープフリーザーで保存して危うく凍らせるところでした・・・・師匠に厳重注意されました・・(汗))

基本的に温度を下げる理由は、熱による変性防止が主な理由でしょう。
ただ、Taqのように熱に強いはずの酵素までの低温保存するのは、
おそらく、他の酵素、菌のコンタミによる分解、および酸素による酸化、などの防止であると思います。
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この回答へのお礼

大変分かりやすく、納得しました。ありがとうございました。

お礼日時:2001/09/22 01:08

私も酵素は利用するだけですので,良くわからない側の人間ですが。



お二人の回答されている事で充分な気がしますが,それ以外の理由をあえて考えてみました。

酵素が蛋白分解酵素の場合。
 この場合はいくら純度100%でも自己消化は避けられませんから,低温保存が必要でしょう。

試薬が吸湿性の場合。
 この場合はデシケ-タ-等で室温保存でも良いわけですが,他の回答者のあげられた理由と一緒に,乾燥かつ低温の冷凍庫保存を行なう。
 凍結乾燥で粉末状にした酵素は結構吸湿性があります。吸湿すると分解が促進されますので,乾燥状態での保存が必要です。

以上,あえて考えてみました。


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酵素の場合は、チューブから酵素を取り出したり、分注したりする際に、細菌や別の無関係の蛋白等のコンタミネーションが生じる可能性があった場合、室温に放置していると、腐敗等で多少なりとも変性が進み、失活する可能性があるのではないでしょうか?


制限酵素でそういった事を確かめた事はないですが、免疫組織染色で使用する抗体でも、冷蔵庫保存で良い場合と、-20℃保存と指定される場合がありますが、-20℃とされているものでも、冷凍室の故障でやむなく冷蔵庫保存していても、きちんと差異なく反応してくれるんですが、室温ではさすがに力価が低下してしまいました。
-20℃でO.K.とされているのは、それ以上厳密に低温に置く必要がないだけだと思いますが。どの研究室でも、実験室のあちこちに-80℃のディープフリーザーは置いてないでしょうしね。汎用される酵素であれば、その程度の保存でいいよということではないでしょうか?
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