肝臓や腎臓など生命維持に重要度が高い臓器は二つ具備することで、生命体の系としての信頼性を向上させたものが自然選択を経て生き残ってきていると考えられます。(ですよね?)
ところが、心臓は、生命維持に極めて重要であるにも関わらず単一系統しか具備していない種が自然選択を経て生き残っています。
考えてみれば、心臓を二重系として、その間の血管に逆流防止弁を備え、延髄から非同期信号を発信して交互に血流を生じさせ、万が一片方が機能不全に陥った時に、残留系の鼓動を二倍に増加させることで(縮退はあるとしても)生命の維持が可能になります。
質問1:現在のところ、上記のような心臓の二重系を備えた種が生じていないようですが、その理由はなぜでしょうか?
質問2:今後、二重系循環器を備えた種が生じて自然選択で現在の生物を駆逐する見込みと考えるべきなのでしょうか?
生物学、進化学の学生、教員、市井の研究家など、知見のある専門家の皆様よりアドバイスいただきたくお願いします。
どうぞよろしくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
心臓や肝臓のような消費エネルギーの大きな臓器が二つになれば、生きるために必要なエネルギーが大幅に増えます。
信頼性が二倍になっても餌を取る能力が増加しなければ生命を維持できません。
種全体で見れば各個体が事故や病気で死ぬ確率を半減させつつ食料の採取能力を飛躍的に向上させるよりも、生殖能力を高めるほうが効率的だったのでしょう。
道徳観を無視すれば、年間の交通事故の死者を半減させるより、子供を年間1万人増やすほうが簡単ですよね。
なるほど、エネルギー消費の多寡ですか。
気づきませんでした。
たしかに、自動車でもエネルギー消費が少ないブレーキ系統は二重化しますが、エネルギー消費が多いエンジンの二重化まではしませんよね。
でも、安全性(=サバイバル率)を二けた以上の高く設定しなくてはならない航空機では、エンジンの二重化、三重化、四重化は珍しくないのですから、「豚や羊は一重で済まし、人間様だけは二重系になる」なんてことがあってもおかしくはないと思いました。まあ、わたくしが人間だから特別と思うだけで、生命の重要性に関しては豚と人間で相違ないのが真実かとは思いますが、、、。
>道徳観を無視すれば、年間の交通事故の死者を半減させるより、子供を年間1万人増やすほうが簡単ですよね。
なるほど、、、、。
これまた、素晴らしい自然観ですね。
自我とか哲学とかを持つ人間はは、とかく「個体」の生存を優先的に考えがちですが、種の保存を優先すれば、個体数の犠牲以上に個体数を増産すれは目的が達成できますね。
目から鱗のご回答、まことにありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
なお、並列ポンプの場合でも、片側交互運転は可能で、これは心筋が休む時間を増やす事は可能ですが、止まっている心臓には、移動しない血液が残る時間が存在します。
これは、血栓ができるリスクが多いと言う事です。
もともと、心臓でも、心房細動などになると、心房に血液が停止する時間があるので、血栓のリスクが高くなるので、血栓予防薬が処方されます。
つまり、血液に凝固性がある生物は、そのような状態では、生存に対するリスクがあると言う事です。
仮に、発生しても、自然淘汰されたのでは無いでしょうか?
なるほど、血栓のリスク増大ですか。
休止系の残留血液に対しては線溶系(線維素溶解系)が強烈に作用し、残留血液が凝固しないようなサブシステムを備える必要がありますね。
豊富な知見からのアドバイスありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
ちなみに、何故心臓が直列の2段ポンプなのかは、直列の場合は流量が変わらずに圧力だけ高める事が出来るからです。
つまり、流量の制御がしやすいんです。(直列の場合は、逆止弁である弁膜が心室が送った血液の逆流を止めて、心房が収縮しても、一定方向へ血液が流れます)
並列ポンプの場合は、連合運転になり、それぞれのポンプの圧力が同一の時が最大流量となり、圧力差が大きくなると、圧力の低いポンプが送水できなくなります。
並列の場合は、逆止弁をつけても意味が無いです。(片側の心臓の圧力が高いと、逆止弁は逆流を止めるだけで、結果的に送水出来ないです)
つまり、流量制御が難しくなります。(二つの並列の心臓の圧力を合わせるのが難しいし、それぞれの心臓の圧力を知るのが難しいです)
仮に、並列の心臓の生物が生まれたとしても、その循環器系の制御は不安定になったと思われます。
>その循環器系の制御は不安定になったと思われます。
その通りと思います。
しかし、肺臓の二重系の件もあるので、高度な生態制御メカニズムを具備する種が表れた痕跡(=絶滅種の化石など)が無いのが不思議ですね。
また、完全並行稼働の二重系ではなくて、バックアップ系の半二重系を持つ種も考えられます。
主系の心臓が停止(あるいは衰弱)してきた段階でバックアップ系に血流がバイパスされ、バックアップ系は切り替え当初は主系の50%程度の流量を出すにすぎないが、切り替え後1か月で流量80%ぐらいまで増強するシステムなど、、、、。
No.2
- 回答日時:
肝臓を複数と認識するのは珍しい学説かと驚いています。
腎臓や甲状腺みたいな複数の構造物で独立して同じ内容のことをしているように見える臓器は、片方摘出しても他方が代償することがあったり、片方が腫瘍化して活動が活発になると他方は萎縮したりする、2つ以上ある意味があるのか比較解剖学者でも悩む問題みたいです。>心臓の二重系
クリンゴンの心臓が複数ある、スタートレックの話ですが、ネタとしての参考した動物が存在しているものです。
http://karapaia.com/archives/52234955.html
>15の動物たちがもつ驚くべき心臓
>5つの疑似心臓をもつミミズ
>多数の心室を持つゴキブリの心臓
>再生するゼブラフィッシュの心臓
>二重系循環器を備えた種が生じて自然選択で現在の生物を駆逐
ゴキブリならば、人類滅亡、大部分の生物が消失しても、生き残り、繁栄しそうです。
また、クマムシとか恐ろしような生命力を持つ種もいる、単純な構造の方が生き残りそうです。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/1201 …
>「最強生物」クマムシ、衝撃のDNA構成が判明
真面目に答えても、生命の神秘とか不明なことも多い分野、重要度が高いのは脳神経系の遺伝情報を移植できるような生命体、クローン技術かも知れません。綾波レイみたいな存在でしょうか。
心臓に関しては、直列だとすると、無駄が増える、あまり意味がないでしょうし、並列で同じように同期化するものであれば、片方壊れても他方の負担が増えるので機能維持できない、拡張症、その後肥大となり、心不全が早まると思います。単純な動物で、再生能力が高いもので、心臓が再生する動物の方が有利だとは思います。
一つしかない臓器は最大能力を出すには健康な状態が必要、普段半分以下でも生存できているとしても、複数あって片方壊れても生きることができるかも知れませんが、生存競争で生き残るかどうかは別問題だと思います。自然界では、生き残れない、厳しいのではとしか推測できません。逃げるにも遅れる、他の仲間を逃がす囮としては有効な存在になる、その程度でしょうか。
回答ありがとうございます。
「珍しい学説」のほうはどうやら短命に終わることになりそうです!
>並列で同じように同期化するものであれば、片方壊れても他方の負担が増えるので機能維持できない、拡張症、その後肥大となり、心不全が早まると思います。
肺臓の場合は、そうならない(=つまりサバイブできる)のに、心臓の場合はサバイブできないと主張なさる根拠はありますか?
それとも、肺臓も一個だったほうが種として競争優位を勝ち得たはずだ、というご主張ですか?
もし、お時間あれば、肺臓と心臓でリスクマネジメント上の相違点など、素人向けに解説していただければありがたいです。
No.1
- 回答日時:
二週間ほど前に私も考えましたが、脊椎動物ははじめから一つの臓器と二つの臓器を備えているようです。
他の動物、たとえば昆虫などは完全に左右対称で(少しねじれて矛盾を防いでいる)これはカンブリアの頃のご先祖様である三葉虫の時代から変わっていない。だからこれは単なる偶然で、今は亡きS・グールド教授の提唱した「運次第」な進化の様です。回答ありがとうございます。
>だからこれは単なる偶然で、今は亡きS・グールド教授の提唱した「運次第」な進化の様です。
ということは、今後、運次第で進化木が二分し、循環系二系統具備生物種が地上を跋扈する可能性があるということでしょうか。
それども、S・グールド教授は「運次第」のくじ引きは二度と再び実施されることはないと主張されているのでしょうか?
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ど素人なので肝臓が二系統などと書いてしまいました。
このサイトでは投稿内容の更新ができませんので、捕捉にて「肝臓=>肺臓」に訂正させていただきます。