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東京電力福島第1原発事故に伴い、福島県から群馬県に避難した住民ら45世帯137人が東電と国に約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁は17日、東電と国に3855万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

『原発避難者訴訟 東電と国に賠償命じる 前橋地裁』(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20170317/k00/00e/040 …

裁判の主な争点は、(1)東電や国は津波を予見し、事故を回避できたか (2)国が東電に安全対策を取らせる規制権限があったか (3)国の指針に基づく東電から避難者への賠償額は妥当か-- の3点だそうですが、あれっ?…。

一般に、故意でなく過失でも、損害賠償の責任を負います。(失火による類焼は例外だそうですね)
原発事故を起こした原因企業である東京電力に賠償責任があるのは当然で、裁判の争点は、(1)福島原発事故と避難との間に(どの程度の)因果関係があるか (2)賠償金額は妥当か-- のはずですが…。

しかしこの裁判の報道を見ると、「国や東京電力は津波が予見できたのに対策を怠り事故が起きた。よって賠償責任がある」という判決のようです。

“国が予見できたか”は、国にも賠償金を支払う義務があるかどうかの重要ポイントだと思うのですが、予見できなかったとしても、東京電力の賠償義務は消えないのではないでしょうか。


質問1)“一般に、故意でなく過失でも、損害賠償の責任を負う(失火による類焼は例外)”という 私の把握は正しいですか。

質問2)一般に、“事故の原因が故意か過失か”、“事故が予見できたか”という原因者側の事情によって、被害者に対する賠償額が変わるのでしょうか。
(交通事故の賠償額で、“被害者が車道にとび出した”など被害者側にも落ち度があり“事故が予見できなかった“、という、被害者側の状況で賠償額が変わるのは当然と考えています) 

認知症の高齢者がJR東海の線路内に立ち入り電車にはねられ死亡した事故で、家族に賠償責任があるかどうか争われ、最高裁で「賠償責任なし」という判決となりました。この判決理由に、“本人が死亡しており家族には…”や“JR東海という大企業が弱い者いじめをして…”といった面も考慮されたのでしょうか。

 
東京電力福島第1原発事故による被害者への損害賠償は、特別な法的措置を講じています。

事故当時は民主党政権でしたが、賠償金の負担を、(事故当時の)株主が免れて、逆に(原発を保有する)他の電力会社にも負担を求める、「原子力損害賠償機構(現:原子力損害賠償・廃炉等支援機構)」を事故後設置しました。
自民党政権では、除染の費用を原因企業である東京電力に求償せず税金で負担することとして、さらにこれから新電力と契約する人も含めて、電力を使う人(=国民)に広く賠償金の負担を求めています。

質問3)普通の民事裁判と異なる(と私は思う)争点になるのは、“原発安全神話”で起こらないはずの事故が実際には起こった(=事故を想定していなかった)からでしょうか。

A 回答 (1件)

質問1)“一般に、故意でなく過失でも、損害賠償の責任を負う


(失火による類焼は例外)”という 私の把握は正しいですか。
  ↑
1,ハイ、正しいです。
2,その他に無過失責任を負う場合もあります。
3,類焼は重過失がある場合に限り責任を負うことに
  なっています。失火法。



質問2)一般に、“事故の原因が故意か過失か”、“事故が予見できたか”
という原因者側の事情によって、被害者に対する賠償額が変わるのでしょうか。
    ↑
1,生じた損害の総てを負担する、という全損害賠償が原則ですから
 故意でも過失でも、賠償額は変わらないのが基本です。

2,予見可能性については、議論があります。
(1)予見可能性だけなら、惑星が地球に衝突することだって
 予見可能性があると言うことも出来ます。
 具体的な予見可能性とか、科学的な予見可能性などという
 概念が提唱される所以です。
(2)予見可能性には二つの意味があります。
  ア、過失の有無の判断の前提としての予見可能性と
  イ、損害の範囲を定める予見可能性です。
    これは因果関係について、相当因果関係説を採った
    時に問題になります。
    詳細は専門的になりますので省略します。




(交通事故の賠償額で、“被害者が車道にとび出した”など被害者側にも
落ち度があり“事故が予見できなかった“、という、
被害者側の状況で賠償額が変わるのは当然と考えています) 
  ↑
これは過失相殺の問題です。




認知症の高齢者がJR東海の線路内に立ち入り電車にはねられ死亡した事故で、家族に賠償責任があるかどうか争われ、最高裁で「賠償責任なし」という判決となりました。この判決理由に、“本人が死亡しており家族には…”や“JR東海という大企業が弱い者いじめをして…”といった面も考慮されたのでしょうか。
   ↑
実質は、そういう事はあるかもしれませんが、法的には
過失がない、とされたのでしょう。
その過失ですが、予見可能性があっても、結果回避の可能性が
なければ、過失は無い、とするのが現在の通説です。




事故当時は民主党政権でしたが、賠償金の負担を、(事故当時の)株主が免れて、
   ↑
株主有限責任の原則は、商法の大原則ですから
これを崩すのは問題です。
これを崩されたのでは、株式会社の存続が問題になります。
株主の責任は株価の下落です。




他の電力会社にも負担を求める・・・
除染の費用を原因企業である東京電力に求償せず税金で負担することとして、さらにこれから新電力と契約する人も含めて、電力を使う人(=国民)に広く賠償金の負担を求めています。
 ↑
ワタシも腹立たしいです。
東電の役員、従業員に責任を負わすのが原則でしょう。
それで足りなかったら、税金で、というのが筋です。
他の電力会社や利用者に責任を負わすのは筋が通りません。
税金なら税理論で説明が出来ます。




質問3)普通の民事裁判と異なる(と私は思う)争点になるのは、“原発安全神話”で起こらないはずの事故が実際には起こった(=事故を想定していなかった)からでしょうか。
   ↑
判決文を詳細に読んでいないので何ともですが、
危険物責任などの無過失責任を問うたのかも
しれません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
明解でわかりやすいです。


>被害者側の状況で賠償額が変わるのは当然と考えています) 
>   ↑
>これは過失相殺の問題です。

誤解していました。

>その過失ですが、予見可能性があっても、結果回避の可能性がなければ、過失は無い、とするのが現在の通説です。

私は“しろうと”で“通説”がどういうものかわかりませんが、こういうことも判決に影響するのですね。

お礼日時:2017/03/19 11:43

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