プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

下記の文章は、「雪のふる街」(本間昭南・著)の一節です。(197~198ページ)

>始業のベルが鳴ると同時に、教師が試験の用紙を小脇に抱えて入って来た。それと同時に夏子が少し呼吸を荒げ、顔を上気させて駆け込んで来た。
>彼女は賢一の斜め後ろの、最後列に座った。
>賢一は国語の試験はいつも、時間の半分もあれば終わった。終わりに近付いたら、義治がこちらの答案用紙を覗いているのに気付いた。
>賢一は机の右端一杯に用紙をずらした。
>その内に教師が前方からゆっくりと、後列に回り込んで歩き始めた。
>彼が後ろから前方に戻り出し義治に背を向けた時、彼の長い手がするりと伸びて、賢一の答案用紙をつまんで自分の机の上に置いた。
>その瞬間、賢一の右手が義治の机の上をなぞった。
>義治は今隣から奪った答案用紙の下から、自分の用紙が抜かれていくのを見ていた。
>彼の顔に意表を突かれた驚きの表情が走った。
>二人は同時に目配せを交わして微かに笑った。
>義治はどこから引っ張り出したのか、小さな紙片に答えを写し取った。
>その内、教師がまた背を向けて前方に歩き始めた。今度は倉田と義治の間で同じことが行われた。それが済むと、前の席の谷中の尻を突いて巧みに紙片を渡した。
>時を移さず彼は賢一に合図を送り、またまた二人の間で用紙の交換が行われた。
>賢一は義治の答案用紙を書きながら彼の動きを見ていた。彼の動きには迷いというものがなかった。
>一見無謀と思えるばかりに大胆だった。しかしその動きは素早く、まるでこの日のために何度も練習を重ねて来たかのように滑らかだった。
>賢一は呆気に取られ舌を巻いた。
>倉田の用紙が届いた時は、さすがに鼓動が早くなった。見つかることへの恐れよりも、かつて味わったことのない痛快な興奮だった。
>義治が自分の用紙を取った時、反射的に彼の机の上に手を伸ばしたのは我ながら驚きだった。
>何の考えもなく、ほとんど衝動的にこんな危ない行動を取ったことはかつてなかった。
>ちらりと、何馬鹿なことをやってるのかと不安が走ったが、それも一瞬の間で消え眼の前に起きていることが、わくわくする興奮へと彼を引き込んでいった。
>結局賢一はこの時、自分を含めて三枚の答案用紙を書いた。それぞれに異なる筆跡を工夫し、鉛筆まで変える熱の入れようだった。
>彼は未だかつてない痛快を味わった試験に満足だった。

(質問その1)「今度は倉田と義治の間で同じことが行われた」の「同じこと」とはどういうことでしょうか。

(質問その2)「前の席の谷中の尻を突いて巧みに紙片を渡した」のは誰でしょうか。

(質問その3)「時を移さず彼は」の「彼は」は、誰のことでしょうか。

(質問その4)「またまた二人の間で用紙の交換が行われた」の二人とは誰でしょうか。

(質問その5)「自分を含めて三枚の答案用紙」の三枚とは誰の答案用紙でしょうか。

4人の席は下記の図のようになっています。

「次の文章の主語は何でしょうか。」の質問画像

質問者からの補足コメント

  • (質問その6)この文章は、「答案代筆は癖になりそう」という章の一節です。4人の他に夏子も登場します。しかし、夏子は賢一の答案代筆に何ら関わっていません。ここに夏子を登場させる意味があるのでしょうか。

      補足日時:2017/03/29 13:34
  • >賢一、義治、倉田、谷中の4人がやっていたカンニング行為を見ていた存在として夏子が登場しているのではないでしょうか。

    この本は、457ページの長編小説です。夏子が登場するシーンだけを拾い読みしてみたのですが、4人のカンニング行為に関係するシーンは見当たりませんでした。夏子が賢一たちのカンニング行為を見ていたのならどこかでそのことに触れていいはずです。それに触れていないということは、ここに夏子が登場する意味はないのではないでしょうか。

    「次の文章の主語は何でしょうか。」の補足画像2
    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2017/03/30 12:23

A 回答 (4件)

No.2で回答した者です。


質問者様と答え合わせが概ね一致したようで安心しました。

私もわかりにくいと思いました。
ちょっとした推理ゲームのような感覚で解いてました。

夏子は「斜め後ろ」と表記しているのに、なぜ谷中の位置を「斜め前」と書かないのか?

谷中の後ろは倉田なのに、紙片を作った義治が倉田にそれを渡す経緯がないし、
倉田も紙片を作ったら、義治の紙片の存在が無意味になるし…

賢一が3人分の答案を書いたことから、答案用紙の移動の流れがわかって、
結果として義治が中心人物になって、紙片は前ではなく斜め前に送ったとわかった感じです。

これもまた文学の楽しみ方だったりするのでしょうか?(笑)
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この回答へのお礼

zongaiさん。再度の回答ありがとうございます。

>紙片を作った義治が倉田にそれを渡す経緯がないし、

言葉足らずということですね。著者は、頭の中にあるイメージを言葉で表現している訳ですが、説明不足の文章で著者の言いたいことを理解しろというのは無理というものです。わかるはずだという思い込みがあるとしたら、身勝手この上ありません。

>その内に教師が前方からゆっくりと、後列に回り込んで歩き始めた。
>その内、教師がまた背を向けて前方に歩き始めた。

「前方からゆっくりと、後列に回り込んで歩き始めた」というのが、私はまったくイメージできません。いったいどういう動きなのでしょうかね。この「その内」というのも言葉足らずです。「また背を向けて」の「また」もなぜ「また」なのかがよくわかりません。

お礼日時:2017/03/29 15:58

夏子が、スマホで隠し撮りした動画を、SNSに上げるストーリー展開の伏線かも

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この回答へのお礼

ありがとうございます。アハハですね。

お礼日時:2017/03/29 14:34

(質問その1)「今度は倉田と義治の間で同じことが行われた」の「同じこと」とはどういうことでしょうか。



倉田と義治の間での【答案用紙の交換】。

この時点で
賢一は義治の答案用紙へ書き込み。
義治は倉田の答案用紙(白紙)を所持。
倉田は賢一の答案用紙(回答終了)を所持。

--------
(質問その2)「前の席の谷中の尻を突いて巧みに紙片を渡した」のは誰でしょうか。

賢一の答案用紙から答えを写し取った紙片を作った【義治】。

すぐ次に
『時を移さず彼は賢一に合図を送り、またまた二人の間で用紙の交換が行われた。』
とあるので、
谷中に紙片を送り、その直後に賢一に合図を送って答案用紙の交換ができるのは【義治】しかいない。

--------
(質問その3)「時を移さず彼は」の「彼は」は、誰のことでしょうか。

(質問その2)の答えと重複しますが、【義治】です。

--------
(質問その4)「またまた二人の間で用紙の交換が行われた」の二人とは誰でしょうか

【賢一と義治】の間で答案用紙の交換が行われました。

この時点で
賢一は倉田の答案用紙へ書き込み。
義治は義治の答案用紙(回答終了)を所持。
倉田は賢一の答案用紙(回答終了)を所持。

--------
(質問その5)「自分を含めて三枚の答案用紙」の三枚とは誰の答案用紙でしょうか。

(質問その4)の答えと重複しますが、
【自分(賢一)、義治、倉田】の答案用紙です。

谷中は、賢一の回答の書かれた紙片から、自分の解答用紙へ書き写しました。

--------
(質問その6)この文章は、「答案代筆は癖になりそう」という章の一節です。4人の他に夏子も登場します。しかし、夏子は賢一の答案代筆に何ら関わっていません。ここに夏子を登場させる意味があるのでしょうか。

賢一、義治、倉田、谷中の4人がやっていたカンニング行為を見ていた存在として夏子が登場しているのではないでしょうか。
物語の先で、先生に告げ口するとか、彼らの弱みとして何かをやらせたりとか、そういう繋がりがでてくるのかな、と思います。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

zongaiさん。回答ありがとうございます。

この文章は極めて分かりにくいと、私は思います。どうしてもっとわかりやすく書けないのかと怒りさえ覚えます。この質問を投稿してから回答用紙のやり取りを図解してみて zongaiさんと同じ見解に至りました。

夏子については確かに何かの伏線として書いているのかもしれません。しかし、夏子の座った席については「賢一の斜め後ろの、最後列」としか書いていません。ここは、右斜めなのか左斜めなのかを明記すべきではないかと思います。

お礼日時:2017/03/29 14:17

この筆者の、人物に対する呼称は名前であったり、姓であったり、「彼」であったり、気を付けていないと(いや、気を付けていても)誰のことか分からなくなってしまいます。

俗語で言えば「うざい」です。教師まで「教師」と「彼」と使い分けているのですから。「視点の変換」と言うほどのことでもないし、よく分かりません。

>(質問その1)「今度は倉田と義治の間で同じことが行われた」の「同じこと」とはどういうことでしょうか。

 答案用紙の交換です。

>(質問その2)「前の席の谷中の尻を突いて巧みに紙片を渡した」のは誰でしょうか。

 座席の表から言えば倉田ですね。

>質問その3)「時を移さず彼は」の「彼は」は、誰のことでしょうか。

 続きからいえば、倉田です。

>(質問その4)「またまた二人の間で用紙の交換が行われた」の二人とは誰でしょうか。

 倉田と賢一(え、一人おいて交換?)
 やっぱりウザいですね。こいう多人数が登場するときは、主人公(あるいはそれに相当する人)に視点を固定して、書くのがふつうです。
 ご質問の意図は、こういう破綻を来す、人物の呼称にあったのでね。

>(質問その6)この文章は、「答案代筆は癖になりそう」という章の一節です。4人の他に夏子も登場します。しかし、夏子は賢一の答案代筆に何ら関わっていません。ここに夏子を登場させる意味があるのでしょうか。

この範囲だけに限れば、意味がありません。後に、こうしたカンニング行為の発覚に関係があるのかも知れません。
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この回答へのお礼

OKATさん。回答ありがとうございます。

>ご質問の意図は、こういう破綻を来す、人物の呼称にあったのでね。

その通りです。それと同時に、主語の欠落による文章のわかりにくさを指摘することです。この著者は、よく主語を省略します。意図してそうしているのか、それともうっかりミスなのかよくわかりません。はっきりしているのは、独りよがりの書き方をしているということです。

>倉田と賢一(え、一人おいて交換?)

ここは、倉田ではなく義治だと思います。また、「前の席の谷中の尻を突いて巧みに紙片を渡した」のも義治だと思います。ここは、「前の席」ではなく「斜め前の席」とすれば何の問題もありません。そもそも、主語が欠落していることが理解を困難にしています。

夏子については確かに何かの伏線として書いているのかもしれません。しかし、夏子の座った席については「賢一の斜め後ろの、最後列」としかありません。ここは、右斜めなのか左斜めなのかを明記すべきではないかと思います。

お礼日時:2017/03/29 14:32

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