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ガス相関法を用いた装置を初めて使用することになったのですが、
動作原理を読んでも難しくて良く分かりません。
どなたか分かりやすく教えて頂けませんでしょうか?

説明書によれば

>GFC(ガス相関法)法は、測定対象ガスのIR(赤外)吸収スペクトルの微細構造を、サンプルガス中に存在する成分ガスのIR吸収スペクトルと相対させることが基本原理である。

とあるのですが…
よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

装置の概略が理解できましたので、私なりに、一応簡単に説明させていただきたいと思います。



この装置は、サンプルガス(N2およびN2Oの2成分系)の両ガスの混合比を、
簡便かつ鋭敏に検出する方法だと理解いたしました。
この測定方法の基本原理は、通常のIR吸収スペクトルと全く同じで、
サンプルガスのIRの透過率から吸光度を求め、濃度に換算するといった方法です。
では、一体何が違うかといえば、それは検量線を引かずに、
しかも、試料のモル吸光係数も必要ないという点です。

次に、私が想像している光学系を示します。

IR光源(ハロゲンランプなど?)
→ チョッパ(光を通したり遮ったりする=回転ガスフィルタと連動)
→ 回転ガスフィルタ(高濃度のN2OおよびN2とを交互に高速に入れ替える)
→ バンドパスフィルタ(IR領域のモノクロとして利用)
→ 多段反射セル中でサンプルガス(ガスを何度も通して吸光量を多くする)
→ ホトマル(サンプルを透過したIR光を検出)
→ ロックインアンプ?(回転の周波数と同期した信号成分をロックイン)

簡単に言えば、N2Oによって吸収されないIR光と、N2によって吸収されないIR光とを、
交互に試料に照射し、試料によるIR吸収を測定するという仕組みです。
検出される光強度の変化量と試料の混合比との関係について、
以下、説明のために3通りに分けて考えます。

1.試料(サンプルガス)が真空であった場合(仮想的)

回転ガスフィルタがN2Oであった時、試料は真空と仮定しているので、
ガスフィルタによる高濃度のN2Oの吸収のみが検出されます。
この時の検出光強度をI1とおきます。

回転ガスフィルタがN2であった時、試料は真空と仮定しているので、
ガスフィルタによる高濃度のN2の吸収のみが検出されます。
この時の検出光強度をI2とおきます。

よって、回転の動きと連動した光強度の変化は、 |I1-I2| になります。

2.試料(サンプルガス)がN2Oであった場合

回転ガスフィルタがN2Oであった時、試料が吸収するべき光は、
すでにガスフィルタによって完全に吸収されてしまった後なので、
検出される光の強度は真空のときと変わらず、I1のままです。

回転ガスフィルタがN2であった時、試料中のN2Oが入射光をさらに吸収し、
光強度はI2よりもさらに小さくなります。これをI2'とおきます。

よって、回転の動きと連動した光強度の変化量は、 |I1-I2'| になります。
I2>I2' ですので、光強度の変化は真空のときよりもさらに大きくなります。

3.試料(サンプルガス)がN2であった場合

回転ガスフィルタがN20であった時、試料中のN2が入射光をさらに吸収し、
光強度はI1よりもさらに小さくなります。これをI1'とおきます。

回転ガスフィルタがN20であった時、試料が吸収するべき光は、
すでにガスフィルタによって完全に吸収されてしまった後なので、
検出される光の強度は真空のときと変わらず、I2のままです。

よって、回転の動きと連動した光強度の変化量は、 |I1'-I2| になります。
I1>I1' ですので、光強度の変化は真空のときよりもさらに大きくなります。

以上の考察より、ロックインされた光強度の変化量が |I1-I2'| の時、
試料は全てN2Oであることが分かり、光強度の変化量が |I1'-I2| の時、
試料は全てN2であることが分かります。
そして、気体の混合比は検出光強度の変化量の自然対数に対して
線形に変化するはずですので(ランベルト-ベールの法則)、
(正確には、さらに部分モル体積などを考慮して補正が必要かもしれませんが…、)
光強度の変化からほぼ正確な混合比が算出できます。

以上の説明で理解していただけましたでしょうか?
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ちょっと補足です。



> この装置は、サンプルガス(N2およびN2Oの2成分系)の両ガスの混合比を、

と書きましたが、原理上、純粋な2成分である必要はありませんので、
そのことを補足させていただきます。
回転ガスフィルタには二種類のガスを入れて使用するわけですが、
原理的にはここに混合ガスを入れて測定することも可能です。

例えば、ここにそれぞれ空気とN2Oとを入れたとすると、
サンプル空気中に含まれているN2Oの濃度を測定できるわけですし、
空気と二酸化炭素とを入れますと、空気中の二酸化炭素濃度を測定できます。
他にも、例えば乾燥空気と水蒸気飽和空気とを入れますと、湿度の測定が可能です。

ガス相関法とは、ようは、二つの測定対象ガスの混合比率を求める方法なのですね。
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この回答へのお礼

これから実際に装置を動かしてみたいと思います。
大変詳しいご説明をありがとうございました。

お礼日時:2001/07/02 12:26

どなたからもレスがついていないようですので…。



説明書に記載の動作原理には,特に難しいことは書かれていないと思います。ただ,これだけを読んで適切な回答をするのは少々困難です。というのも,“測定対象ガス”と“サンプルガス”が違うものであるかのように書かれていたり(“測定対象ガス”を英語で表現すれば“サンプルガス”となるのでは?),そもそも,このガス交換法というのが何を調べるための測定方法なのか,その概略が分からないため,自信を持った回答ができません。

とりあえず,以下に上げる点を補足要求いたします。

・“測定対象ガス”はどうやって用意するものか。その組成は何か。
・“サンプルガス”はどうやって用意するものか。その組成は何か。
・この装置から得られる一次情報は何か。およびその形態はどうか。
・一次情報を分析することによって,一体何が分かるか。
・この装置に導入される物質を列挙してください。

以上,よろしくお願いいたします。

この回答への補足

補足させていただきます。恐らく下に書いてあることでよろしいかと思います。

動作原理の続きですが
>この方法は測定するガスそのものの高濃度ガスをIR光のフィルターとしてもちいる。
>IR光源からの光は、チョッパー、N2O-N2が交互に変化する回転ガスフィルター、バンドパスフィルターを通過して多段反射セルに入り、サンプルガスによる吸収が起こり、IR検出器に達する。
>IR光源がN2Oガスフィルター及び多段反射サンプルセル中のゼロガスを通過するとき、ガスフィルターの中のN2Oは高濃度であるために、N2Oが吸収する全てのIR光を吸収して、多段反射サンプルセル中にN2Oがあったとしても吸収できないので、N2Oガスフィルター通過光は参照光としての働きをもつ。
>一方、IR光源がガスフィルターのN2側を通過するときには、N2ガスによる吸収がなく、サンプルセル中のN2O濃度により吸収量が変化するので。N2ガスフィルター通過光は測定ビームとしての働きを持ち、この吸収量からN2Oの濃度を知ることができる。

理解できないのは私の勉強不足でお恥ずかしいのですが、どうぞよろしくお願いいたします。

補足日時:2001/06/30 16:03
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